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- / ISBN・EAN: 9784785959470
作品紹介・あらすじ
昭和8年、東京本郷の地にて奇妙な生き物を扱う「四王天鳥獣商」なる店の主人・四王天と少女・アリスと関わることになった帝大生・鷹名は様々な奇獣と出会い、不可思議な生物にどんどんひきこまれていくが…!?
奇獣を飼う覚悟はあるか!?あやかしストーリー!
感想・レビュー・書評
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読むほどに、しみじみと良さと深さを感じ取れる。イイ意味で華美さを感じない絵柄が、モダンなファンタジーにマッチしているな
奇獣、そんな「ありえない」けど「存在している」、人の常識からは外れ、想像にも及ばぬ異形を通す事で、人間そのものが如実に描かれているように、私は感じる
化け狐や大百足など、他の妖怪系の漫画を読んでいれば知っている妖怪の類だけでなく、蛭人やロウツカなど、吉川先生の創作か?と思うくらい、知られていない妖異が登場するのは、この手のモノが好みにはまる酔狂な漫画読みにはたまらん
奇獣絡みの事件を解決する日常を横糸としつつ、主人公・鷹名の秘密も絡んだ、複雑な人間模様の進展を縦糸としており、ストーリーには読み応えがある
アリスに惹かれ、アリスを惹きつける鷹名、やっぱり、普通だけど普通じゃなかったか。設定としてはありきたりかも知れんが、そうでなきゃ面白くない
彼の血が今後、どんな騒乱を引き寄せるのか。そして、彼が「日常」と呼ばれる細い橋から足を踏み外さないか、もしくは、自らの意志で飛び降りないか、楽しみだ
ただ、正直、読み手を選ぶかな、と思わんでもない。私はこれくらいのペースで進んでくれた方がありがたいのだが、じれったい、っつーか、もったいぶるなよ、サクサク進め、と思う漫画読みはいそうかな、と思った
個人的に好きな回は、警保局のメンバーが大百足捕り物に挑む第13話。戦力外扱いを受けていた新人が、持ちうる能力を発揮して活躍するパターン、私は結構、好き
この台詞を引用に選んだのは、これぞ人間だな、と感じたので。浮世離れしたトコがあるからこそ、奇獣がキッカケとなって、人間特有の「知識欲」が生じるトコが、鷹名らしい。目の前で起こる、不可思議な事に対し、怖いと思うのも人間、楽しいと感じる事が出来るのも人間だ。こうやって、ワクワクできる内は、あちら側に連れていかれる事はあるまい詳細をみるコメント0件をすべて表示