昭和住宅物語―初期モダニズムからポストモダンまで23の住まいと建築家

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  • 新建築社
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  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784786900815

作品紹介・あらすじ

藤森建築探偵が、現代住宅の完成をみた「昭和」に焦点を当てて、そこで成された住宅の主要な改革を探偵の目と足で確認し、つぶさに報告し、建築家の果たした役割を明らかにしている。探偵の目は、洋々たる未来を「住宅」に見ているようだ。その証とは-。

感想・レビュー・書評

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  • 都市計画とか住宅普及、関東大震災後の防火対策とか戦後の住宅不足と公団の役割とか、高度経済成長と持ち家政策とか、住宅政策の話が好きだ。プライベートな空間である住まいが社会と繋がっていて、個と公の関係を考えさせられるから。ずっと普通に暮らしてきた3DKや身近すぎて考える対象にもなったことのないステンレス流し台が、戦後の住宅政策とつながってるなんてことを知ると、めまいのする不思議さを覚える。
    藤森先生のこの本は、展覧会で知った石山修武の凄すぎる家「幻庵」や「開拓者の家」に大変興味を惹かれて調べたところ、この本を読んで訪ねたみたいなブログが目について何となく気になってた本。その石山と石井和紘という現代の建築家について書いた4章もそれなりだが、それよりも前の章で書かれている建築家の話のほうがはるかに面白くて、やはり建築史の先生なんだなと思った。図面と写真と文章の融合が巧みで、文を読んでは間取り図をにらんで頭の中でイメージし、写真で確認しと、かなり読み応えがある。「日本、家の列島@汐留ミュージアム」と「日本の家@国立近代美術館」もそうだったが、『建築』を読もうと真面目に取り組むとすごい疲れる。
    特に印象に残ったエピソード。
    ①「3DK誕生記」。建築計画学の西山先生の5千件の住宅の平面採集をパターン分析した研究結果から生まれた食寝分離論を元に、自分たちでも調査を重ね、戦後の公営住宅の基本間取りを提案した吉武泰水と鈴木成文(二人とも学者)の話。私たちの生活を決定づけたダイナミックさが感動的。
    ②「ステンレス流し台の生い立ち」もまた私たちの暮らしを形作った重要な要素。3DKを打ち出し、台所を『キッチン』化しても、流しが昔のジメッとしたままじゃ、逆にLやDが昔のスタイルに引っ張られてしまう、そのためには流しをモダンにしなくてはならなかったという設計者浜口ミホさんの語りには感動を覚えた。
    ③「日本におけるミース的なもの」清家清と斎藤邸について。この家の原寸大模型を体験しているので、非常に頭に入ってきやすかった。柱の位置は私も気になっていたので。
    ④「新興数寄屋の開祖」他の本で読んでいた吉田五十八が考えた構造と表現の分離とはどういうことかやっとわかった。
    ⑤「縄文的なるもののそのまた原型」白井晟一のご家族に文句言われたそうですが、どう考えても藤森先生、この歓帰荘に惹かれてると思う。

  • 本当に勉強になる!この本の中身をまるっと頭の中に入れておきたい。

  • 日本のモダニズム住宅を語る上ではずせない一冊。ひとつの住宅作品と建築家について軽妙な文体で書いた本。読みやすいし、図版も多いです。

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