- Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787200457
作品紹介・あらすじ
ネット時代にふさわしい図書館=新しい知識と情報を創造し発信する空間を作ろう! 図書館のあり方を構想する建築家のアイデアと新しい図書館運営技術を活用した空間・サービスとを2色刷りのイラストと解説文で提案し、刺激的なメッセージを発する。
感想・レビュー・書評
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刊行されてすぐに買ったものの、今の今まで本棚であっため続けていた本。
2010年に出た本ですが、まだまだ内容は新しいです。
「図書館の空間は人間をより創造的にする空間だ」という考えのもと、図書館学の先生と建築家の方々がディスカッションをした結果生まれたのが本書です。
公共図書館に主眼をあてた本ですが、大学図書館などでも実現できることが多いのでは…と思いながら読んでいました。
空間設計やゾーニングによって、静かに本を読む場所だった図書館が、人と出会い、語らい、発信する、クリエイティブな場所になるというさまざまなアイディアにわくわくします。
各見開きの半分くらいを占めるイラストも、近未来の図書館を見ているようで楽しかったです。
空間がそこで行われる活動に与える影響は大きいのだなぁと改めて感じつつ、では、すでにある器をどうやったら創造的な場所にできるんだろう…ということも考えさせられました。
図書館の中での効果的な動と静のすみ分けも課題の1つだなぁ…。 -
2090
図書館には自分が持っているのとは比べものにならないぐらいたくさんの本があります。尋常ではない量の本に包まれる体験こそが、図書館固有の空間体験なのです。巨大なロトンダの壁面がすべて色とりどりの本で埋め尽くされた、建築家E・G・アスプルンドの設計によるストックホルム市立図書館が、そこにいるだけで知への探究心を奮い立たせてくれるように。私たちは本を読むだけではなく、本の存在によって知的な刺激を受ける存在なのです。
小さいころに本を読んでもらった記憶。親が子に本を読んで聞かせることは、親と子が一つの同じ世界を共有することにほかならないのです。自分が気に入った本を友達に紹介する経験。それは、選んだ本に込められた自分の世界観を伝えることにほかならないのです。「本は一人で読むものだ」という考え方は確かにそのとおりなのかもしれませんが、実は本を通じて人と人との絆が生まれているのではないでしょうか。
イギリスの図書館のように、「おしゃべり」や「飲食」を許可したとたんに利用率が激増した例も見られます。カフェでくつろいでいるときのような、「自由なふるまい」がこれを解決する糸口になるならば、図書館のなかでのより自由なふるまいを許容することを視野に入れる必要があるのです。
図書館の基本的な性格について、いまひとつ示しておきましょう。図書館は本を集めて、整理し、本棚に並べて利用する場でもあります。本は、人に読んでもらうために作られたものであり、図書館は本が本棚に並んでいる場所である以上、読書が満ちあふれた空間で、貸出は、その読書を効率よくすすめるためのサービスです。図書館の本は、非常にたくさん出されている本(日本では国立国会図書館が収集している本は年間約22万点です)のなかから、ある方針に基づいて収集されたものです。それを一定の系に従って本棚に並べ、図書館員が本と人とを結び付けるサビスをしている施設です。利用者は、並んだ本の背文字をぐるっと見て回って、読みたいと思った本をすぐ手に取って見ることができます。1冊の本を手にしてその周辺をじっくり見てみれば、類似の、あるいは関連のある本が並んでいることがわかります。まず1冊読んでみて、面白ければ次にあれを読んでみようとか、関係あるものを探してみようとか、イメージできます。これが次の読書のステップへと導きます。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/56936 -
アーカイブ
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【配置場所】工大特集コーナー【請求記号】 012||S
【資料ID】91100209 -
日々大学の図書館を使っている(であろう)皆さんですが、地域の公共図書館を使う機会に関しては、大学に入ってからは減っているのではないかと思います。しかし、利用者がある程度限定されている大学図書館と違って、老若男女、地域の住民全てが奉仕対象者である公共図書館も本と人を繋げるとても大切な存在なのです。
著者は「本の良さは図書館の良さでもあり、図書館には本の良さと、本が持つ可能性を最大限に引き出す環境づくり」が大切であると述べています。もし、そのような本の良さと可能性を最大限に引き出してくれる図書館が身近に存在したら、私たちの知的好奇心を触発し、毎日でも使いたくなるでしょう。
本書は、そのような私たちを触発してくれるような図書館の建築に関するアイデアがたくさん詰まった本です。本書を読めば、今まで考えたこともない図書館の可能性に触れることができ、とてもわくわくすることと思います。
(2012ラーニング・アドバイザー/図情 NAGAMI)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1376747&lang=ja&charset=utf8 -
革新的な図書館の未来の姿が多く描かれていた。
イラストによって、より論旨のイメージが膨らむ。 -
小布施町立図書館まちとしょテラソが、目指すことがここにある!図書館が、見失った時間を取り戻すためのバイブルだ!
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挿絵と文章の相乗効果がこれほどまで強いものかと驚かされた一冊。
図書館の歴史などではなく、これからの図書館の問題を追及しています。
図書館員は専門職員として町に出て更に情報を提供する…。
図書館の中に様々な環境を生み出し、知識を生み出させる…。
今の日本の図書館では難しい、けれどやるべき事ですね。
よく通う二つの図書館があります。一方は木を基調とした天井の高い暖かな空間。他方はファサードもガラスが多く、...
よく通う二つの図書館があります。一方は木を基調とした天井の高い暖かな空間。他方はファサードもガラスが多く、内装も白を基調とした立体的で開放的な空間、多様な用途にも応える新しい図書館。それぞれの個性があります。図書館の空間とともに、職員の方たちの工夫と応対にもいつも感謝しています。貸し出しの時、「この本面白いですよね」と添えられた言葉に嬉しかったこともありました。
コメントありがとうございます(*^^*)
いつもレビュー拝見しています。
図書館って意外と個性がある...
コメントありがとうございます(*^^*)
いつもレビュー拝見しています。
図書館って意外と個性があるんですよね。旅先の図書館にふらりと入ると、いつも新しい発見があって楽しいです。どんな空間にしたいのか、目指すものが違うんだなぁと感じます。
図書館を利用してくださる方と職員の距離が近い図書館、居心地がよくて私も好きです。1人の図書館員として「また来たいなぁ」「面白いことやってるなぁ」と思ってもらえるようなことをしていきたいなぁと思います。