図書館を学問する なぜ図書館の本棚はいっぱいにならないのか

  • 青弓社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787200884

作品紹介・あらすじ

「図書館の本棚はいっぱいにならないのか」「雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか」「人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか」――。素朴で身近な疑問から現場での実践を考えて、図書館の意義や役割を学び、魅力を発見しよう!



図書館情報学を専門にする著者が、図書館で働く人、日々利用している人が普段は気にしない、でも聞かれると「どうして?」と思う疑問をピックアップ。その疑問をデータ/事実/エビデンスに基づいて考える視点や思考する道筋を、柔らかな筆致でレクチャーする。



図書館を学問することの楽しさを伝え、学問することが図書館をより豊かな場にしていくことを指し示す入門書。



図書館専門誌「ライブラリー・リソース・ガイド」の人気連載に加筆・修正して、書き下ろしを加えた充実の一冊。

感想・レビュー・書評

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  •  なぜいっぱいにならないのか。解のひとつを体験したことがある。学生の時期に書庫の整理を命じられ、貴重なものを廃棄にする作業をした。資料が残ることは尊いのだが、保全の意図のないところに、利用の可能性がひくいところにおいておけない。なので、除籍についての研究があったらと思ってよんでみたのだが、除籍についての学術的研究は現時点ではあまりないらしかった。あの廃棄の仕事があまりにも過酷で病んだので、除籍についての理論、実践が書かれていく将来を期待したい。

     とはいえ、この本は、疑問に思うことを考えて説明するという営みのわくわく感にひたれて、昨今の読書のなかでは特別によい経験となった。同時に、図書館のシステムを維持する方々のご苦労も伝わってきて、どこで生きていてもつらいご時世なのだとも感じた。

  • 【書誌情報】
    著者:佐藤 翔
    A5判  220ページ 並製
    定価 2400円+税
    ISBN 978-4-7872-0088-4 C0000
    発売日 2024年12月25日

     図書館情報学を専門にする著者が、図書館で働く人、日々利用している人が普段は気にしない、でも聞かれると「どうして?」と思う疑問をピックアップ。その疑問をデータ/事実/エビデンスに基づいて考える視点や思考する道筋を、柔らかな筆致でレクチャーする。
     図書館を学問することの楽しさを伝え、学問することが図書館をより豊かな場にしていくことを指し示す入門書。
     図書館専門誌「ライブラリー・リソース・ガイド」の人気連載に加筆・修正して、書き下ろしを加えた充実の一冊。
    https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787200884/

    【簡易目次】
    はじめに――なぜ「図書館を「学問」する」姿を本にするのか
    第1章 図書館の本棚はいっぱいにならないのか
    第2章 本棚のどこにあるかで本の使われ方は変わるのか
    第3章 図書館の本棚に書かれている数字はなんなのか
    第4章 なぜ図書館は月曜日に閉まっているのか
    第5章 図書館を訪れる人は増えているのか、減っているのか
    第6章 雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか
    第7章 どんな図書館がよく使われているのか
    第8章 人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか
    第9章 図書館を使っているのはどんな人々なのか
    第10章 図書館に税金を使うことは人々にどれくらい認められているのか
    第11章 子どもと行きたいのはどんな図書館か
    第12章 「あなた」はなぜ、図書館に行くのか
    第13章 人々は図書館のどんな写真をSNSで発信しているのか
    第14章 図書館への就職希望者が増えるのはどんなときか
    おわりに

    著者プロフィル

  • 2.本棚のどこにあるかで使われ方は変わるのか
    6.雨が降ると図書館利用は増えるか、減るか
    9.図書館を使っているのはどんな人々か
    が興味深かった。

    図書館情報学は"フィールド"の学問、図書館という対象物に方法を試行錯誤しているというのが肌感として伝わった。
    ※学問の分野を表す呼び方は他に"ディシプリン"といい、こちらは方法論が先のタイプ

    図書館のことを教えてくれる本ではなく、タイトルのとおり、『図書館を「学問」する』ことについて、問いの立て方やデータ分析の方法なども交えて教えてくれる本だ。

  • 図書館関係の雑誌「ライブラリー・リソース・ガイド(LRG)」で連載された「かたつむりは電子図書館の夢を見るか(LRG編)」のピックアップかつブラッシュアップ本。図書館関係者には役立つ内容が多く、加えて今後の図書館学の研究提案、研究の試行錯誤ぶりも読んでいて楽しめる。
    本の副題などのとおり、テーマの設定がとても面白く、「なぜ図書館は月曜日に閉まるのか」、「図書館はどんな人が使っているのか」など知ってみたい事柄が多い。コロナ後に現れた利用者「意識が高い若者」というの「言われてみれば…いるかも…」と感じた。
    図書館の当たり前を改めて調査すると、よりよい未来につながるかもなので、自分も楽しみながら図書館について再考したい…

  • 感想
    図書館から世の中を覗き見る。言われるまで気が付かない疑問。そこには物事の本質が隠されているかも。ではどう解き明かすか。その方法論。

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著者プロフィール

1985年、宮城県生まれ。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程修了。博士(図書館情報学)。同志社大学免許資格課程センター教授。専攻は図書館情報学。共著に『オープンサイエンスにまつわる論点――変革する学術コミュニケーション』(樹村房)、『改訂3版 情報倫理――ネット時代のソーシャル・リテラシー』(技術評論社)、『司書名鑑――図書館をアップデートする人々』(青弓社)、連載に「かたつむりは電子図書館の夢を見るか LRG編」(「ライブラリー・リソース・ガイド」)など。

「2024年 『図書館を学問する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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