帝国日本の交通網: つながらなかった大東亜共栄圏

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  • 青弓社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787220608

作品紹介・あらすじ

日本帝国を盟主として企図した大東亜共栄圏、その鉄道と海運・港湾、航空の交通網はズタズタで、兵站・物資流通は確保できないままだった。膨大な史料から、台湾・朝鮮・樺太・満洲の植民地と東南アジアの実態を描き、共栄圏という侵略政策の虚構をあばく。

感想・レビュー・書評

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  •  筆者は乗り物史ライターであり、乗り物について丹念に資料にあたっていることは窺える。一方、サブタイトルに「つながらなかった大東亜共栄圏」とあるが、本書のほとんどでは鉄道と海・空路形成の細かい事実関係を述べており、「つながらなかった」内容は、第5章末尾の内モンゴルでの特務機関頓挫、第6章の中国内での鉄道破壊、そしてあとがきで述べる開戦後の航路封鎖ぐらいしか読み取れない。こちらが門外漢のためもあるだろうが。
     当初から範図に組み込むため明確な目的があった朝鮮と台湾の鉄道と、棚ぼた式に手に入れた満州の鉄道。これらはまだ経済目的もあったが、後発の空路は、民間航空会社とは言っても大陸(陸軍)、南洋(海軍)とも軍事目的優先だったようである。熱河侵攻では、民間のはずの満洲航空が偵察や輸送を担ったとのこと。
     朝鮮半島からシンガポール、ビルマを結ぶ1942年の大東亜縦貫鉄道構想(「特急昭南行」の見出しあり)。さすがに筆者も「当局者によってどこまで現実性を帯びたプランとして認識されていたかは不明」としているが、当時は大衆向けに宣伝されており、まさにこれこそ、陸路限定ではあるが大東亜共栄圏の幻ではなかったか。

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著者プロフィール

1967年、千葉県生まれ。歴史・乗り物ライター。雑誌やムックで航空史や歴史的乗り物に関する記事を執筆。著書に『戦う広告』(小学館)、『羽後交通横荘線』『羽後交通雄勝線』(ともにネコ・パブリッシング)など。

「2016年 『帝国日本の交通網』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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