台所に敗戦はなかった: 戦前・戦後をつなぐ日本食

著者 :
  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787220615

作品紹介・あらすじ

家庭の食事を作っていた母親たちは、あるものをおいしく食べる方法に知恵を絞って胃袋を満たしていった。戦前―戦中―戦後の台所事情を雑誌に探り、実際に作って、食べて、レポートする、「食が支えた戦争」。飽食のいま、食糧難が生んだ和食文化を食べる!

感想・レビュー・書評

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  • 身近な材料でいかに工夫して食べるか。戦前戦後の料理本には自由な発想と知恵と工夫が満載だったことに驚かされる。和食の本質はその柔軟性だという著者の考えに共感。こんなに世界中の料理からアレンジしてオリジナル料理を生み出し続けている国ってあまりないのでは。

  • 戦前戦後、いかに食糧事情が悪くとも、手元にあるものをいかに美味しく食べるかに尽力してきた日本の台所を語る一冊。
    古い料理雑誌などからレシピを転載しつつ、しっかりその料理を作って食べている魚柄さんの感想も面白い。
    ここで紹介されるほとんどのレシピ、飽食の現在わざわざ真似てみようとは思いませんが、奈良漬けのサンドイッチなどはとても美味しいらしく、今でも受けそうなレシピもいくつか。
    バターが手に入らなければ味噌で代用。それ、代用になるの…?と思うような当時の発想、工夫が満載でした。

  • 戦前・戦中の婦人雑誌を渉猟して食にまつわる当時の創意工夫をまとめた労作。美味しいものを手軽で安価に求める主婦の努力がしのばれ興味深いが、掲載されている記事が雑多すぎてまとまりに欠ける。

  • 敗戦と共に台所にやってきたのは
    新しいレシピや旨味。
    日本の台所は戦いは負けたが大勝利。

  • 料理内容は難しかった。

  • [新着図書ピックアップ!]
    タイトルを見ると、悲惨な戦争のお話しか?と思いますが、違います。
    戦争で食糧難になろうとも、台所に立ち知恵を絞って、少しでも美味しいものをと食事作りに立ち向かったお母さんたちの料理の本です。
    戦前から戦後の料理本や雑誌から、実際に作って再現したという著者。
    「『なにを食べるか?』ではなく『ここにあるものをどうやって食べるか?』こそが和食の底ぢからなのです。」と言っています。P.77
    「トマトすき焼き」、「鰹節サンドイッチ」、「マカロニ鍋」、「磯巻バナナ」「手製カルピス」
    作ってみたくなりませんか?イラスト、レシピがあります!

  • あまり美味しそうではないが、情報が不足する中、手に入るモノで如何に工夫するかを考える当時の人々に頭が下がる。

  • 海外から入ってくるレシピを、どんどんもう、和食にしてきた日本。なきゃないで、手近なもんでやっちゃおうという発想は、毎日の飯作りにも繋がるな。
    料理ってのは、あるものを、食べ飽きないように美味しく取り入れる工夫で、その中で一定の評価を得たものが料理名つけられて残るんだろうねえ。
    個人的には、サンドイッチと寿司の類似性が面白かった。

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著者プロフィール

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『国民食の履歴書――カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)など。

「2023年 『幻の麺料理 再現100品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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