疎開体験の戦後文化史 帰ラレマセン、勝ツマデハ

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787220844

作品紹介・あらすじ

戦争の裏で、子どもたちを中心に人々は地方への疎開を余儀なくされた。避難ではなく疎開と呼ばれた銃後の人口移動政策を、敗戦後の文学はどのように語り、位置づけてきたのか。疎開に人々は何を思い、どう記憶してきたのか。

柳田国男、太宰治、石川達三、「内向の世代」のテクストや映画を糸口にして、疎開にまつわる様々な資料も使いながら、1945年から戦災を経験した子どもが大人になる70年代までの疎開の描かれ方をたどる。その語りは一様ではなく、いつ疎開を経験したのかという世代の違いや、地方/都市の相違が多様な語りを生み出している。

文学を通して疎開をみたとき、そこに立ち現れるのは敗戦後に突然もたらされた平和な日常への戸惑いであり、幼少期を戦禍のもとに過ごした葛藤である。銃後の記憶を抱えて戦後を生きた人々の思いを照らし出す。


目次
序 章 いま、疎開を考えることは
第1章 「昭和の楠公父子」になるために――学童集団疎開・七生報国・『先祖の話』
第2章 もう一度、空襲と疎開を――『東京大空襲・戦災誌』・「名古屋空襲誌」・「学童疎開ちくさ」
第3章 戦中派と戦後派の狭間で――疎開派という世代
第4章 悔恨ではなく、内向する世代の疎開――黒井千次「聖産業週間」、「時の鎖」
第5章 「不確かな私」のために召喚される疎開体験――高井有一「北の河」
第6章 学童体験者の特別な「一証言」――高井有一「少年たちの戦場」からいまを
第7章 暴き出される疎開と田舎――石川達三『暗い嘆きの谷』
第8章 東京がら疎開すて来だ「津軽人」が言ってまった…――太宰治「十五年間」、「やんぬる哉」など
第9章 疎開を読み替える――戦争体験、〈田舎と都会〉、そして坂上弘

著者プロフィール

1982年生まれ。愛知学院大学教養部非常勤講師。専攻は日本近現代文学、疎開体験をめぐる文化史研究。共著に『戦後日本を読みかえる 1 敗戦と占領』(臨川書店)、論文に「「昭和の楠公父子」になるために――学童集団疎開、七生報国、『先祖の話』」(「社会文学」第44号)、「「戦中派」と「戦後派」の狭間で――〈疎開派〉の場合」(「名古屋大学人文学フォーラム」第1巻)など。

「2019年 『疎開体験の戦後文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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