ロックミュージックの社会学 (青弓社ライブラリー 18)

著者 :
  • 青弓社
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本棚登録 : 118
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787231901

作品紹介・あらすじ

誕生から35年をへて錯綜するロック・イメージを、アウトサイド、アート、エンターテインメントの3つの指標で解析。そこに仮託された超越・反抗・逸脱の感覚の社会的構造を検証し、ある種のコンプレックスを背負って展開してきた日本のロック受容史をたどる。

感想・レビュー・書評

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  •  音楽のロックを社会学から分析している本。本書ではブルデューの「場」の概念を用いて説明している。アウトサイド、アート、エンターテイメントの三つの要素の内、時代によってどの要素が大きな割合を占めていたのか、他の要素はそのときどのような要請をしていたのかを見ることで、その時代のロックの特徴を考察している。全体的な流れとしては、まずアウトサイド→アート→エンターテイメントときてロックの喪失が叫ばれた中で、パンクロックの登場→ワールドミュージック、ラップ、ヒップホップなどへの分化といったところ。ただ大ざっぱなまとめなので個々のアーティストまではあまり踏み込んでおらず、ミクロな視点は別に補う必要がある。
     後半の日本におけるロックも社会情勢、時代背景を反映していて面白い。ロックとは何かという問いに普遍的な答えは出ないが、どういったものがロックと呼ばれてきたのかは知ることができて、これからのロックがどうなるのかを考察できる。

  • (後で書きます。面白い)

  • 内容の偏りと、やけに難しい表現が気になった。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784787231901

  • ロックを成り立たせている価値観には性格の全く違う3つの指標がある。それらは互いに引っ張りあいせめぎあいながらいろいろな形の三角形を作っているというのが本書のテーマです。
    1)アウトサイド指標
    2)アート指標
    3)エンターテイメント指標

    なるほど、ロックといってもいろいろなカテゴリがあり、世界中でいろいろな人々に受け入れられ、20世紀の音楽の共通言語みたいになっているわけが理解できる。
    ちなみに、自分は71ページにある「気取っていて優雅でブルジョア的観念に縛られ、専門家と装置が山積みになっているようなロック」が好きです。

  • 以前から「ロックとは何だろう?」とずっと考えていました。
    それを社会学から考えた一冊。
    ちなみに著者は《アウトサイダー》《アート》《エンターテイメント》三つの指標を用いています。
    この本により少なからず私の疑問は解消されましたし,
    また現在ロックと言われている音楽が本当にロックと言えるだけの価値があるのか明確になってきました。
    ロックをきちんと聴きたい人にはおすすめです。

  • [ 内容 ]
    ロックを成立させ、ロックであることを決定づける価値観の体系―支配圏・中央圏を否定する“アウトサイド”指標、純粋芸術に挑戦しつづける“アート”指標、ポピュラリティを獲得していく“エンターテイメント”指標―この三指標は、時代的背景である対抗文化との相互依存関係のなかで生み出され、相互に絡み合いながら継承されてきた。
    それは、演奏者が自己をロック・ミュージシャンと強烈に自負するとき、聴衆がロックを受容すると意識するとき、「ロックとして卓越した存在になること」を証明する原理なのである。
    三指標が文化的正統性をめぐって牽引しあいながら築くトライアングル=ロック“場” に入り込み、ロックに仮託された超越・反抗・逸脱の感覚と心性の社会的構造を検証する。

    [ 目次 ]
    第1章 ロックミュージック文化の三つの指標
    第2章 ロック“場”の理論
    第3章 ロック“場”の展開
    第4章 日本のロック―六〇年代
    第5章 日本のロック―七〇年代
    第6章 日本のロック―八〇年代
    終章 日本のロック―九〇年代

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    [ 参考となる書評 ]

  • 未読。

  • 7月31日読了。ロックを構成する要素を「アウトサイド」「アート」「エンターテインメント」の3つと規定し、世界・日本のロック史の中でその3つがどう変遷し、ぶれてきたかを解き明かす本。これは面白い。表現者・音楽愛好者・業界人など音楽にかかわる人々がロックに何を求めているのか、ということを少し俯瞰的に見られるようになった、気がする。海外・日本のロック史の主要人物・イベントについても触れられており参考になった。私がロックに期待するのは「エンターテインメント」60%、「アート」30%、「アウトサイド」10%、くらいかな?

  • 日本のロック史を振り返る上で、非常に役立つ本。網羅的にフォローしているので、ああ、こういう順番なのねということがわかってよい。今何気なく聞いている音楽の位置づけがわかって、とても勉強になった。

    しかし、気になるのは、<アウトサイダー><アート><エンターテイメント>のバランス配置によってロックのあり方を示し、そうなる背景にはその時代の社会状況を理由にしているという点だ。個々のアーティストの発言は、図式の中の位置を確認するために主に用いられていて、恣意的な選択をしたのではないか?という気もする。

    歴史学との手法の違いなのかもしれないけれど、歴史の場合はまず言説からその時代のイメージを組み立てていく。逆に本書の場合、図式と社会状況によってロックの位置を定置し、個々の言説はその補強のために使われている。この手法の「差」に違和感を感じてしまうのだ。そして、その社会状況になったことは、これでは説明できない。

    具体的に言うと、尾崎豊の登場と学歴社会の関係を論じている点なんかは、なぜそのときに学歴社会や「いじめ」が問題になったのかはわからない。あくまで対象は尾崎豊の登場であるからだ。逆に歴史学の場合、もし研究をするなら尾崎豊の言説(とその他の資料)から、学歴社会のゆがみを見る、という方法になると思う。何を学問として追うかによるけれど、「社会」学である以上、その時代の「社会」に迫らなければならないのではないのか。よくわかんないけど。

    とはいえ、歴史学においてもその時期に存在している全ての史料を見るのは到底不可能なことだから、いきおい選択に恣意性が入ってしまうことになる。限られた史料の中で歴史像を提示することと、先に図式を確定しつつ、言説を援用していくのは、対象の迫り方としてどちらが優れているのか。よくわからないところではある。

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著者プロフィール

社会学者として、ポピュラー文化研究、情報メディア論、都市文化論、社会調査、現代若者論などを手がける。現在、武蔵大学社会学部メディア社会学科教授。著書に『オルタナティブロックの社会学』(2014、花伝社)、『ロックミュージックの社会学』(2001、青弓社)、共編著に『文化社会学の視座』(2008、ミネルヴァ書房)、『デジタルメディアの社会学』(2011、北樹出版)ほかがある。1967年、兵庫県生まれ。千葉大学文学部卒業、関西大学大学院社会学研究科博士課程修了・博士(社会学)。

「2020年 『〈music is music〉レクチャー・シリーズ ポップ・ミュージックを語る10の視点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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