死刑執行人の日本史―歴史社会学からの接近 (青弓社ライブラリー)

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  • 青弓社
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  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787233233

作品紹介・あらすじ

日本で死刑執行を担ってきたのは誰なのか、死刑執行人を選ぶ社会的条件とはなにかを、江戸期の山田浅右衛門や明治期の監獄の押丁・看守の事例を取り上げて明らかにし、究極的には国家ではなく「人が人を殺す」という、死刑執行をめぐる諸問題を解きほぐす。

感想・レビュー・書評

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  • ## ☆2:死刑執行人の歴史と問題提議
    他人に命令されて他人を殺すという,人の生死を扱う中で異質な存在である死刑執行人について,その問題点と歴史について考察されている。

    問題提議やその歴史について調査するという着目点はよかったのだが,本文が読みにくかった。結局何が言いたいのかよくわからなかった。文系の研究で個人的によくみかける例だが,小難しく書いたり,不必要に文献を引用(例えば,文藝春秋のような学術的な論考があまりない大衆雑誌を引用)して無駄に長ったらしく書かれている。

    修士論文をベースに加筆して作られたとのことだが,商業誌として一般向けに出版するならば,図表を使って論点を可視化するなど,もう少し読者が読みやすいように心がけてほしかった。

    ## 参考箇所
    > p. 102: 4 イギリスとの比較
    >
    イギリスの死刑問題を大きく動かしたのは、ティモシー・エヴァンズ事件だった。この事件はいわゆる冤罪事件であり、自分の妻子を殺害した罪で1950年に死刑になったティモシー・エヴァンズが、実は無罪だったことが死刑執行から3年後に判明した。
    ...
    イギリスで死刑が完全に廃止されたのは1998年5月のことである。

    そもそも死刑制度の是非について自分の中でよくわかっていなかったので,イギリスで死刑が廃止されている事実とその背景についてしれたのは参考になった。

    ## まとめ
    死刑制度を考える上で一つ参考になる本ではあると思った。さらに,死刑執行人というかなりニッチな分野に特化しているので,このあたりについて考えるときは貴重な資料になると感じた。

    ただし,本文は読みにくいので,あまり気軽には読めないので,注意したほうがよい。

    パーマリンク:<https://senooken.jp/blog/2018/04/23/>

  • 死刑について、死刑そのものより死刑を執行させられる刑務官に焦点を当てた本。
    著者が友人でもあるため、彼の活人論について予備知識があり、
    とても興味深く読めた。
    漫画や映画などで例える箇所が多々あり、学術書としては柔軟性がある。
    日本史と題するだけあって、中盤の死刑の歴史について詳細にかつわかりやすく書かれており、勉強になった。
    後がきでも少し触れていたが、今回の本は死刑執行人へと論点を当ててなぜ殺させられる職務の人がいるのかといった議題提示であったけど、その解決編というべきか、彼なりの結論を今後読んで見たいと思った。

  • 大上段に振りかぶっただけの序論。その後腰砕けに。というのも、現実の制度としての死刑について、どうして司法手続と行政手続にすっぱり分けて論じることができるのか、理解に苦しむ。また、旗幟を鮮明にせずこの問題を論じるの卑怯だと思う。要は、「人文科学」の論にありがちな思考実験的な論に終始していると言わざるをえない。それに、簡単に手に入る「二次資料」を集めて、とりあえず時間軸上にプロットしただけ。これを「歴史社会学」とはおこがましい限り。この分野に関心を持ってある程度知識がある者にとっては得るものはない。なによりも、致命的なのは、読み物としても面白く無いこと。

    ここの出版社のこのシリーズは、それほどすぐれてもいない修士論文を単行本化していることが多かったはず。取扱注意。

  • 丹念に論述してはいるが、死刑執行「人」というテーマはやはり狭すぎるように思われる。

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