宝塚ファンの社会学―スターは劇場の外で作られる (青弓社ライブラリー)

著者 :
  • 青弓社
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本棚登録 : 79
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787233264

作品紹介・あらすじ

宝塚歌劇のファン同士のいい席をめぐる駆け引きやスター・生徒へのさまざまな距離感を描きながら、非合理に見えるファンの行動がきわめて合理的に成り立っていてある「秩序」を形成していることを明らかにする。ファンがスターを作る過程に迫るファン文化論。

感想・レビュー・書評

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  • 知っているようで知らない「ファンクラブ」の実態がなんとなくわかる。文章は論文にしてもあまり読みやすいとは言えず、触れられているとおり社会学的考察もされてないけど、事実として面白い。
    あのチケッティングシステムはまさに日本演劇のダメなとこだとおもうのですが、特別な世界だから、とでも思えばいいのか…

  • 宝塚のスターに序列があるように、ファンクラブ内にも序列がありルールがある。それを社会学という視点で捉える。私設ファンクラブがチケット配分やファン動員、出入りのガードやマネージャー業までこなす生態は、確
    かにただのファンという枠組みを超えていて興味を覚える。ヅカ"ファン"通になれる(?)一冊。ファンクラブが宝塚歌劇団の重要なパートという事を鑑みると、それはタカラヅカそのものへの造詣を深める事に他ならない。

  • 私は、観劇してキャトルでちょこちょこ買い物する程度のファンなので、会の皆さんの頑張りには感心します。頑張り過ぎて本末転倒になっている人もいるような…。しかし、熱心なファンの気持ちを利用している劇団はどうかと思う。

  • 目次:序章 宝塚歌劇団の転換―1990年代から2000年代へ、第1章 宝塚スターシステムとファンクラブ、第2章 ファンクラブの活動内容―ファンクラブ側から見て、第3章 ファンクラブ会員の役割―ファン側の視点、第4章 舞台と客席をつなぐファンクラブ、第5章 ファンクラブの意味、参考文献、あとがき

  • 宝塚が好きになって数週間だったので、よくわかっていなかったファンについて知ろうと思って読んだのですが、本当に分かりやすく体系的に書いてあって、驚きました。
    内容にも、すごく驚きや発見があって、衝撃の一冊でした。

  • ジャニーズのファンクラブづくりにも影響を与えたという宝塚の施設ファン組織の力学を解説している1冊。。<単なるファンの集合に見えるものが実はスター形成に寄与している>しくみを説得力ある筆致で論じている。宝塚歌劇団には5つの組(公演団体)があり、その頂点にはトップスターが君臨している。タカラジェンヌたちは初舞台からスターとしてのレースを競い合っているのだが、そこにいっしょに参加しているのが、生徒(タカラジェンヌ)一人ひとりの私設ファンクラブだ。応援する生徒の序列を少しでも上げるために、会員たちは涙ぐましい努力をする。不入りな公演ほど生徒名でのチケット購入を増やし、ライバルのファンクラブに負けない人数をガード(入り待ち・出待ちの列)に送り込もうと動員をかける。さらにはクラブ内でも、良席のチケットをエサに、貢献競争が繰り広げられている。本書の価値は、<ファンを熱狂させる仕組み>が自発的なボランティア組織であるファンクラブ活動の随所に埋め込まれていること、そしてそのような仕組みがファンクラブ側とそこに所属するファン個人の緊張感を伴うせめぎあいのなかで自律的に生まれたものであることを明らかにしていることにある。スター個人の資質を語るのでもなく、売り出す側の戦略を論じるのでもない――ユニークかつ本格的な「ファン論」として面白く、かつ貴重な一冊。

  • 社会がどのように形成されるか、のモデル実験のレポートを読んだような気がしました。特権とか奉仕とか競争とか優越感とかによって、憧れが制度になっていくのが面白かったです。

  • 生徒がスターになる過程は、単に劇団の扱いがよくなり、劇団発行のメディアへの露出が増え、
    舞台の出番が増えるということだけで成り立っているのではない。その生徒に集まってくるファン自身を遠ざけ、近づきがたさを劇場外でも演出することによって、事実、スターになっていくのである。その「遠さ」を演出するのがファンクラブである。181

    退団を節目に、その走り続けるゲームから一度解放されるのは事実。限られた期間だからこそ熱狂的になる。183

    退団後もファンクラブの活動ができないわけではないが、ファンクラブの活動は、序列のなかでこそ、その関係性のなかでこそ意味を持った。単独の応援軍団では、それまでと同じ意味を持ち様がないのだ。184

  • わかりやすい且つ面白かった
    これを一冊読んでから具体例にはいると◎かも!

  • 比較・普遍化がなされていないので、社会学と銘打てるかどうかは微妙だが、劇団・ファンクラブ・ファンの相互依存的な構造が描かれていて面白い。

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