社会は笑う・増補版: ボケとツッコミの人間関係 (青弓社ライブラリー 76)

著者 :
  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787233592

作品紹介・あらすじ

マンザイブーム以降のテレビ的笑いの変遷をたどり、条件反射的な笑いと瞬間的で冷静な評価という両面性をもったボケとツッコミの応酬状況を考察し、独特のコミュニケーションが成立する社会性をさぐる。2002年刊の底本にゼロ年代の特徴を増補する決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪人は笑いが好きだと言われている。誰もがボケになれるとも思われている。でもボケになるにはツッコミだ大事だ。
    あとがきで明石家さんまの座右の銘は「生きているだけで丸儲け」と書いてある。その意味は、「苦労は買ってでもしろ」という格言はトンデモナイ話で「苦労は売ってでもやめろ」が正しいということだ。「苦労」は苦しんでするものではなく、「苦労」が楽しくなるかを考えることが正しい。今を生きるとはそういうことなのだ。

  • 2015/7/4読了。

  • 図書館より

     ビートたけし、明石家さんま、タモリのBIG3の話から近年のバラエティ番組を中心に分析された本です。増補版ではマツコ・デラックスや有吉の再ブレイクについても触れられています。

     この手の分析でつくづく思うのが色々と小難しく捉えてるなあ、ということです(笑)。そのためイマイチ話を引き寄せにくく感じました。

     それとテレビ離れやパソコンとの対比など、最近のテレビ事情にあまり触れられてなかった点も少々不満でした。

  • ウケる

    受け手が虚構の世界への全面的没入を留保するようになったとき、落語的笑いは根本から成立しにくくなる

    天然ボケ 他者からの指摘があってはじめて笑いの対象になる。受けての積極的な関与が笑いを成立させる 落語→マンザイ

    解体芸(吉本隆明) 芸のテレビ化においては、解体そのものが積極的な価値をもち、そこでは型の習得と洗練を目的とするような伝統芸は、逆に訴えるものを失ってしまう。しくじったときの振る舞い方もまた、解体の中に組み込まれてひろがっていく

    コント55号 同じ所作の繰り返しを強要 ツッコミ(欽ちゃん)がボケ(狂気)になる 素人としての二郎さん

    テレビというメディアが根底にもつ日常との敷居の低さ テレビの口語文法

    たけしの攻撃性
    たけしは、舞台の上ではボケとして存在する一方で、そのギャグがそのまま社会に対するツッコミの効果をもつ。
    ボケ=ギャグがツッコミの意味合いを帯び、そしてそのツッコミの側面が、なかば強引に世間一般の人々をボケに仕立てあげてしまう

    紳助竜介/ツービート
    ボケとツッコミの遊離

    ひょうきん族
    キャラクター
    さんま 素のキャラクター化
    笑いを共通感覚として持つ仲間の空間 仲間の空間の同定

    タモリ
    ツッコミの放棄
    観察的ツッコミ
    素人に遊ばれること、素人に対してこまかくツッコむこと
    ボケることに確信犯的になっていく「素人」に対してどうかかわっていくかという問いが突きつけられたときに生まれた、新しいツッコミの解釈

    筋フリ

    とんねるず
    素人といっしょに遊ぶ

    リアクション芸人 お約束 内輪ウケ ツッコミの省略

    内輪ウケが日本全体を覆う

    共通体験の笑い テレビ探偵団 ねるとん ノリダー 似てないモノマネ

    ゲーム性は、「笑い」がほかの感情と結合することを可能にするための一種の口実
    ゲームが物語性を獲得する

    現在の「笑い」を典型的に構成する一対の明示的所作としてあるのは、ボケとツッコミではなくフリとボケ

    「笑う社会」では、ツッコミは見えないけれどもそこに確かに存在し、作用しているようなものでなければならない

    有吉、マツコの役割 視聴者の立場の批評性

    キャラと素を一致させた存在 芸人という類型キャラクターを実践する アンタッチャブル山崎

  • 期待して読んだのにガッカリ。まぁそうだよねってことをテレビ好きなオジサンが小難しく、つらつらと書いているだけ。「笑いと社会」を扱うのにテレビしか言及していないし、テレビの影響力が以前より弱まっている現実が増補版で補われておらず、11年後にわざわざ増補版を出す意味が分からない。

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著者プロフィール

1960年生まれ。社会学者・文筆家。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドル、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を展開。著書に『社会は笑う』『ニッポン男性アイドル史』(以上、青弓社)、『アイドル進化論』『紅白歌合戦と日本人』(以上、筑摩書房)、『SMAPと平成ニッポン』(光文社新書)、『芸人最強社会ニッポン』(朝日新書)、『攻めてるテレ東、愛されるテレ東』(東京大学出版会)ほか多数。

「2021年 『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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