国家がなぜ家族に干渉するのか: 法案・政策の背後にあるもの (青弓社ライブラリー 89)

制作 : 本田 由紀  伊藤 公雄 
  • 青弓社
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本棚登録 : 164
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787234216

作品紹介・あらすじ

政府が「女性の活躍」を華々しく謳う一方で、家庭教育支援法案、親子断絶防止法案、自民党の憲法改正草案(24条改正)、改正教育基本法など、女性の権利を制約したり、家族のあり方や性別役割を固定化しようとする法律や法律案が議論され、それらを成立させようとする動きが顕著になっている。また、内閣府の婚活支援や各自治体の官製婚活も活発化しているのが現状である。

個人の権利を制限する一方で、「家族・家庭」や「個々人の能力・資質」までも共同体や国家に組み込むような諸政策の問題点の核心はどこにあるのか。

他方で、家族や子育て、性的マイノリティを支援する社会制度の設計は喫緊の課題である。国家の過度な介入を防ぎながらどう支援を実現していくのかを、家族やジェンダー、福祉、法学の専門家がそれぞれの立場から縦横に論じる。日本の右傾化を問ううえでも重要な一冊。

執筆者
本田由紀/二宮周平/千田有紀/内藤 忍/斉藤正美/若尾典子/伊藤公雄
(以上、執筆順。敬称略)

感想・レビュー・書評

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  • 他の方も書いていらっしゃいますが、タイトルがややミスリードかも。タイトル通りの内容を期待していましたが、ちょっとちがったかも。(副題は内容通りかと)
    シンポジウムの内容をまとめたもののようなので、急ごしらえ感がありました。改めてこの著者の先生方で、1年ぐらい調査した論文にしてほしいなと思いました。

    発売された当時に読めば良かったのかもしれません。今となってみれば、当時の安倍政権が日本会議もさることながら、結局世界平和統一家庭連合の家族観の影響を見て取れるという状況である気もします。

    「子育て罰」にも書きましたが、結局のところ国家(というか自民党?)は、「子育てにかかるコストとケアは家庭で負担しろ、国家を儲けさせる人間を差し出せ」ということなんだろうなと。

    この本とはあまり関係ないかもしれませんが、少子化に関しては、もう向こう20年は減るしかないので、そういう制度設計をするしかないでしょう。増やすにしてもここから20年はかかる算段だし、よっぽど、子育てにかかる費用は国が全額負担します、とかでない限り子どもも増えなさそうですし。

    育ててもらった社会に恩返ししようとする個人の感覚と、国民を守ろうとする政治家の信頼関係がないと、国に人って育たないのかもしれないなと思ったのでした。

  • 干渉されたがってる主旨なのでミスリードに注意を

  • 「家族は一体イデオロギー」を国家があとおしする気持ち悪さ。

  • ジェンダー
    家族

  • たまたまラジオで紹介されていて,また作者も熱っぽく語っていたので思わず購入.福祉の世界では,すでに家族への責任転換とか健康を維持しなさいと国家に命令されている個人像は跋扈している.このメカニズムを知る一端になると思い購入.

  • 東2法経図・開架 367.3A/H84k//K

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著者プロフィール

本田 由紀(ほんだ・ゆき):東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は教育社会学。著書に『教育の職業的意義』『もじれる社会』(ちくま新書)、『教育は何を評価してきたのか』(岩波新書)、『社会を結びなおす』(岩波ブックレット)、『軋む社会』(河出文庫)、『多元化する「能力」と日本社会 』(NTT出版)、『「家庭教育」の隘路』(勁草書房)、『若者と仕事』(東京大学出版会)、『学校の「空気」』(岩波書店)などがある。

「2021年 『「日本」ってどんな国?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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