趣味とジェンダー 〈手づくり〉と〈自作〉の近代

制作 : 神野 由紀  辻 泉  飯田 豊 
  • 青弓社
4.00
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787234520

作品紹介・あらすじ

ハンドメイドは女性、プラモデルは男性――ものづくりの趣味は男性らしさ・女性らしさと強固に結び付き、趣味としてただ楽しんでいるつもりでも性別役割分業と密接な関係を築いてきた。

「ジュニアそれいゆ」(1954―60年)と「子供の科学」(1924年―)という2つの雑誌を読み込み、手芸・人形・インテリアなどの女性と結び付けられる〈手づくり〉と、工作・模型・ミリタリーなどの男性に割り当てられる〈自作〉をキーワードに、手づくり趣味の近・現代史を描き出す。

コミケやデザインフェスタの盛況、郊外に点在するホームセンター、「Instagram」にあふれるハンドメイド――現代の「あえて自分で作って楽しむ趣味」の源流をたどり、男性・女性に分かれ、双方が排他性をもってしまう手づくり趣味をめぐる文化の内実に迫る。


目次

序章 手作りとジェンダー 神野由紀

第1部 家庭生活に役立つ〈手づくり〉

第1章 「ジュニアそれいゆ」にみる少女の手芸 山崎明子
第2章 「少女の友」「ジュニアそれいゆ」における「少女」「ジュニア」の人形 今田絵里香
第3章 インテリア手芸と工作の時代 神野由紀
第4章 女子学生と手芸――「ジュニアそれいゆ」世代からの継承 中川麻子

第2部 〈自作〉する少年共同体

第5章 科学雑誌から生まれた工作趣味、鉄道趣味――戦前/戦中/戦後の「子供の科学」の内容分析から 辻 泉
第6章 工作記事は少年たちに何を語ってきたか――戦前・戦中の「発明」に見る実用主義の精神 塩谷昌之
第7章 「科学」と「軍事」の呪縛――一九五〇年代の航空雑誌での模型工作の営み 佐藤彰宣
第8章 動員される子供の科学――戦時下の工作と兵器 松井広志

第3部 〈手づくり〉と〈自作〉の境界を揺さぶる趣味の実践

第9章 日曜大工の社会史――男性の手づくり趣味と家庭主義 溝尻真也
第10章 DIYとしての自主放送――初期CATVの考古学 飯田 豊
第11章 「社会化」する自作庭園鉄道――桜谷軽便鉄道のいま 塩見 翔

あとがき 神野由紀

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • とてもおもしろい本でした。叙情に流されるような論調ではなく、緻密にデータ集計をした上での論調なので、整然とした気持ちで読むことができました。
    グラフ誌のFRONTが大戦への意識を鼓舞させた対象は、成人や青年ですが、子供に対して鼓舞を煽った本はあるのかなあと以前から気になってはいました。

    子供の科学だったのか。。


    戦後以降の子供の科学では、発明的な内容を避け、娯楽や教育の併存に徹しているそうで、それは、戦争を鼓舞させた痛みゆえのことなのかもしれません。

    雑誌航空ファンの歴史や桜谷軽便鉄道のボランティアのエピソードも興味深かったです。

    どのトピックも、バイアスを生むことになった引き金は幼少の体験や家庭環境なのだなあと思いました。

  • ◆1/28オンライン企画「わたしの“モヤモヤ”大解剖―わがまま論・つながり論を切り口に―」で紹介されています。
    https://www.youtube.com/watch?v=GTaAW7pHRII
    本の詳細
    https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787234520/

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

関東学院大学人間共生学部教授。専攻は近代日本のデザイン史、文化史。著書に『百貨店で〈趣味〉を買う』(吉川弘文館)、『子どもをめぐるデザインと近代』(世界思想社)、『趣味の誕生』(勁草書房)など。

「2019年 『趣味とジェンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神野由紀の作品

ツイートする
×