- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787271006
作品紹介・あらすじ
作曲者の意図も汲めぬ滑稽なエセクラシックが氾濫し、クラシック音楽は滅びかけている! 真にクラシックと呼びうる音楽を楽しむため、わずか5曲をとりあげてクラシックのキモを伝授する目からうろこの入門書にして、通も納得の決定版!
感想・レビュー・書評
-
p46
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ナマで聞くべし
-
コントラバス奏者でクラシックフリークの友人の愛読書です。SNSのアイコンにもするくらいこの本が好きなので、私も興味を持って友人から借りて読んでみました。
「お気楽極楽入門書」というのは真っ赤な嘘で、「地獄のクラシック入門」です。
著者の自意識過剰なところとか小学生以下の挿絵とかその他諸々の「盛大にスベっている」箇所には読んでいて非常に辟易させられるところはありますが、概ね書いてある内容にはうなづけるところもあります。クラシック入門としては良書かもしれません。
まず、西洋人の思考論理や歴史といったものを全く共有していない日本人にどだいクラシックを理解することも、まして演奏することも難しいと著者は言い切ります(ま、そらそうでしょうね、と思いますけれど)。
その上で、クラシックを理解するために二つの大胆な提案をします。
1.推理小説を読む
2.サラダを作る
2番目に至っては親切なことにサラダのレシピまで紹介してくれています。
私はこの2番目の提案が非常に気に入っていて、この本に書いてあるレシピで作ったサラダを「ハーモニーサラダ」と称して友人と作って食べたりしています。これが結構美味しい。
著者の音楽の耳に関しては、クラシック音楽の評論家としての仕事をこの本しか読んでないのでよく分かりません。
チェリビダッケに心酔しているということはよくわかりました。
紹介されているCDも今は手に入りにくい音源も多いし、「生きている音楽家」として紹介されている方も(なんせ今から20年前なので当然ですが)ほぼお亡くなりになられています。だからと言って、著者の言うクラシックは滅んだと言っていいのかは私には判断しかねます。どちらかというと演奏者の質よりは音楽産業そのものの問題というか都合の部分が大きいような気がします。
いろいろ言いましたが、クラシックに興味を持つきっかけとしては今でも読んでみていいかもしれませんね。 -
★3.5やね。
クラシックは結局縁がなかった当方ですが、読み物として面白い。多分キワモノ的な本じゃないかと思うんですよね。詰まる所、世を斜めから見る思考回路がよく理解できるんですよ。
故に本書の正しい読み方は、吠えてる奴がいるなと大きな態度でそのクラシック愛を許容す、じゃないかと思われ。 -
配置場所:1F電動書架C
請求記号:769.79||Ky 1
資料ID:W0104262 -
クラシックを聞き始めて、割合初めの頃に読んだのだけど、この本のおかげでずいぶん聴き方が変わった。 5曲だけに絞って解説し、クラシックの極意に迫る。 文化としてのクラシック音楽を切る断面としては、エキセントリックではあるが説得力があった。 サブタイトルに反して全然お気楽じゃないけど。最後に作曲家や評論家を辛口に斬ってゆくのも面白くて参考になった。 一番大きな影響は、それまでブルックナーの交響曲8番はまったく良さがわからなかったのに、この本を読んだ後はまさに次元の違う感動を感じるようになったこと。
-
趣味っていっぱいありますよね~
「クラシック音楽聴くのが趣味で・・・」っていうと、なんかお嬢様っぽい!
でも、この本にはクラシックの裏の楽しみ方が・・・
刺激的でちょっとアブナイ解説は、なんだか怪しい裏道を通る感じです。
行きつく先は意外にも、クラシックの王道だった!?
筆者の許光俊さんは、慶大の先生なんですねー
トークうめえ!自作の謎イラストも笑えるし。
図書館にもたいてい置いてるから、ちょっと借りてみてはいかが?
あなたのクラシック感が、粉々に!(いい意味で)