心霊写真は語る (写真叢書)

著者 :
  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787271877

作品紹介・あらすじ

複製技術の向上で容易に「作成」できることが知られているにもかかわらず、私たちを引きつける心霊写真──。鬱屈した無意識の心性を映す「鏡」としての心霊写真に、社会学や心理学、文学、現代風俗、口承文芸などの多様な領域からアプローチする。

感想・レビュー・書評

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  • オカルトそのものより、それに傾倒する人間の心理がわたしは気になる。
    心霊写真を信じる(「あえて信じる」を含む)心とは何かを論理的に分析。写真論・社会学・心理学など、アプローチが多様で読み飽きない。

  •  表紙の心霊写真が目を引く本書。
     しかし内容はいたってマジメな論文集である。

     計八人の著者による論文が、それぞれの視点から「心霊写真そのもの」に迫っていく。


    僕たちが「心霊写真」と言う時、どういうものを指して言っているだろうか?


     たいていは被写体の人物の手が多かったり、いないはずの人影があったりといった「写真に写った予想外の現象」を指して「心霊写真」と言っているのではないだろうか。
     そして僕たちはおもむろに「ほらだから霊は実在するんだ。だってこの場所には昔から……」とか「いやこれはトリックだ。こうやれば撮れるよ」とか議論をはじめる。

     でもこれってよくよく考えてみると、
    「写真の見え方」の解釈しか言っていないわけで「写真そのもの」については何も言っていない。それどころか無視してしまっている。


     では、
     心霊写真とはそもそもなんなのか?


     このテーマにむけ、
     八本の論文が、八方向の分野から「心霊写真そのもの」に迫っていくのが本書の骨子である。


     心霊写真も冷静に「ひとつの写真だ」と考えてみる写真論や、心理的な側面や精神医療という医学、映画『リング』などから見てみる現代風俗研究など多数の分野から眺めた「心霊写真」は、それぞれ少しずつ違って見えてくる。

     こういうのを読んでいると「世の中ってのは見る場所が違えば景色も違ってくるのだなぁ」としみじみ思ってしまう。


     あなたの考える「心霊写真」とはどんなものだろうか?

     はたして、それは本当の姿だろうか?
     ほかのひとにはどう見えているのだろうか?


     そういったことを考えるには、
     ほかの価値観を知らなければいけない。


     そして。
     ここに八つの価値観がある。

    http://loplos.mo-blog.jp/kaburaki/2010/11/post_cc2a.html

  • [ 内容 ]
    複製技術の向上で容易に「作成」できると知られているにもかかわらず、私たちを惹き付ける心霊写真―。
    時代に鬱屈した無意識の心性を投影する「鏡」としての心霊写真に、社会学や心理学、文学、現代風俗研究、口承文芸研究などの多様な領域からのアプローチを試みる。

    [ 目次 ]
    第1章 写真論としての心霊写真論―心霊写真の正しい憑かせ方
    第2章 ヴァナキュラー・モダニズムとしての心霊写真
    第3章 心霊写真を信じる心への心理学的アプローチ
    第4章 心霊写真の発生
    第5章 回帰する恐怖―『リング』あるいは心霊映像の増殖
    第6章 精神医療と心霊写真―霊や精神疾患は写真に写るか?
    第7章 口承文化のなかの心霊写真
    第8章 「眉唾写真」の魅力―霊と宇宙人

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 心霊写真について、いろんな分野から多角的にアプローチした論文集

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著者プロフィール

一柳廣孝(いちやなぎ ひろたか)
1959年生まれ。横浜国立大学教育学部教授。日本近現代文学・文化史。『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、『怪異の表象空間』(国書刊行会)。

「2022年 『「日本心霊学会」研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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