- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787274595
作品紹介・あらすじ
展示、見る順番、作品、来館者、美術館の収集と保存など、現代美術のキュレーションをめぐる10のギモンを設定して、具体的な展覧会や作品を紹介しながら、現代美術のキュレーションの基本的な視点やキュレーターの意義を指し示す好適なガイドブック。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
「美術館」というとかつては厳かに額装された「絵画」(多くは油絵であったりする)が鎮座し、来訪者は入場料を払ってこれまた厳かに「鑑賞」する、という場所である、というのがおおかたの意見であろう。
この書籍で対象となっている「現代美術」という範疇であっても、もちろんそれは大差ない。例え館外に飛び出すような、或いはそもそも美術館という体を成さない屋外で展示される場合にあってでもだ。ただ、そのスキームというかフレームワークというか、は、ある程度人為的、機械的に分類することができるようになっている、ようである。
そのような作業を一任され、もちろん協業して、遂行していくのが本書で取り上げられた「キュレーター」なる職種の役割であるようだ。
言葉では聞いたことのある(私の中ではある種、ソムリエ、やDJ、と同じ響きを持っていた)その職業のなすべきこと、役割、そしてその作業を通じて我々が楽しむ、嗜むことができる現代美術、というものを、実にわかりやすくまた心をうつ表現とともに、解説されている良書であると思う。
これから地元の現代美術館に出かける際の楽しみがまたひとつ増えたように思う。 -
美術キュレーターの仕事について触れる中で、現代アートとは何たるか、を垣間見ることができた。
私現代アート初心者としての感想だが、
実例として作品を挙げて解説を入れている項目が多いため、作品を逐一調べなければ何を語っているのか分かりにくい部分があった。様々な作品を知ることができ、美術館に行く意欲が増す一冊。 -
2024.04.07 キュレーションという仕事、そしてアートを理解する良い機会となった。やはり奥が深い。いろいろと考えてみたくなった。
-
正解が在って無いような現代美術という難敵を相手に、アナログなメディアである展覧会を作り上げるキュレーターという職業。この本はキュレーター本人が、その内容や方法論などを10の疑問に答えるという形で解説する本である。連載中にコロナ禍やウクライナ侵攻などがあったこともあって、著者の、キュレーターの生の息吹も感じられる本だ。それにしても現代美術というやつは本当に難しい。キュレーターは自身、確固たる哲学を持っていなければ務まらない仕事なのだろうと思う。
著者プロフィール
難波祐子の作品





