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- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787290328
感想・レビュー・書評
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1990年刊。著者の第一評論集。扱われているのは、吉屋信子、尾崎翠、夢野久作、久生十蘭、新井素子、大原まり子、吉本ばななの(<少女>が登場する)作品。
先に『尾崎翠 砂丘の彼方に』(2010年)を読んでいて、他にも尾崎翠を論じているのを知り、手に取った。
読みづらかった、と言ったら失礼だろうか。90年当時の批評的コンテクストに沿ったものなのか、発表した『ユリイカ』『幻想文学』『早稲田文学』といった雑誌が求める言説のコードがこういったものだったのか、文章が飛躍的、象徴的、暗喩的と言えばいいのか。(<エロス><欲望>という語句が作品を動かしていく原動として頻繁に用いられたり、「アルトー的狂気」「脱構築」「ドゥルーズふう」という語句も登場する。)
いや、面白かったんですけどね。
尾崎翠の作品について、「彼女が築きそして住んだ世界は、現代の表現の黎明の領域だった。それを終生自覚することがなかったのが、尾崎翠の栄光と悲惨のゆえんかもしれない」と厳かに称賛を贈っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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