非国民文学論

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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787292520

作品紹介・あらすじ

「非国民文学」とは何か。近代日本が成立して登場した「国民」という概念を前提に、「国民ではない」と見なされた文学者を取り上げて、作品と生きざまを検証する。

「非国民」の概念を身体性と精神性の双方から考察するため、「国立療養所」としてのハンセン病療養所に着目して、「国立」と「非国民」とを検討する。
戦時下では身体的に「非国民」とされた療養者が、精神的には総力戦を見守る「国民」の立場にもあったという逆説的な短歌を紹介する。
リアリティーあふれる闘病歌が高く評価されたが、その歌人の内面はアンチリアリズム志向だったという逆説的な作品を、2・26事件歌もあわせて例証する。

さらに、金子光晴の家族詩集と丸谷才一の小説も素材にし、戦時下に「徴兵忌避」を選んで身体的自由を得ようとした男性が、戦中も戦後も定住できずに、むしろ身体的不自由を負うことになったという逆説的な展開を解明する。

総動員体制から排除されて「非国民」とレッテルを貼られた文学者の精神の自由に光を当てる。

目次
第1部 非国民文学論

序 章 いのちの回復
第1章 〈国民〉を照射する生――ハンセン病療養者
第2章 〈幻視〉という生――明石海人
第3章 〈漂流〉という生――『詩集 三人』と『笹まくら』
終 章 パラドクシカルな〈国民〉

第2部 〈歌聖〉と〈女こども〉

第1章 明治天皇御製をめぐる一九四〇年前後(昭和十年代)
第2章 仕遂げて死なむ――金子文子と石川啄木

著者プロフィール

北海学園大学人文学部教授、三浦綾子記念文学館館長。専攻は日本近現代文学。著書に『権力と抒情詩』(ながらみ書房)、共著に『はじめての人文学――文化を学ぶ、世界と繋がる』(知泉書館)、『〈殺し〉の短歌史』(水声社)ほか。

「2020年 『非国民文学論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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