でんでんむしのかなしみ

  • 新樹社 (2012年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (24ページ) / ISBN・EAN: 9784787586193

感想・レビュー・書評

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  • 〝一匹の<でんでんむし>がありました。ある日、そのでんでんむしは、大変なことに気がつきました「私はいままで、うっかりしていたけれど、私の背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっているではないか」...この悲しみは、どうしたらよいのでしょう...〟殻いっぱいに詰まった悲しみを背負ったカタツムリの“苦悩の末の悟り”を滲ませた<新美南吉>さんの、心にせまる童話絵本です。

  • 小さな子供にもわかりやすい作品でした。他人を知る事で自分を理解できる。

  • でんでんむしが、皆それぞれにかなしみを背負っていることを悟って、自分のかなしみを受け入れるまでの話。
    「かなしみ」とは具体的になんなのか説明されていない。絵でも青色メインでぐしゃぐしゃとしたものが描かれているだけだ。だから読むひとは、それぞれ自分の抱えるかなしみを思い出しながら読むことになる。
    嘆いたところで、でんでんむしは殻を捨てるわけにいかない。最後に「なげくのをやめた」場面の色は明るく、救いを感じさせる。

  • 素敵な考えです
    でも、ひねくれ者の私は、「そうじゃない、私は私の悲しみが悲しい 人は関係ない」って、思ってしまうのでした

  • 近所の人に新品を3冊買ったけど渡す当てがなくなったからあげるーってもらったので息子夫婦の生まれてくる赤ちゃんにあげようと、その前に読んでおくことにした。
    美智子皇后さまがどうとかいう帯に感心しながら読んでみたら、何とも悲しみだけを抱えたでんでんむしがどうしたものかと次々仲間に相談に行くお話で、ページが変わることに悲しみなのに色鮮やかな悲しみの塊(?)が背中の貝の中にぎっしり詰まっておりなかなかその解決策を教えてもらえない。なるほど現代人のストレスに準ずるものだなぁと感心しながら読み進めていく。ラストのオチがなんともまぁ、これが美智子皇后が発したメッセージなんだなと納得した。あったこと、なったことは無しにはできないんだからすべて受け入れよう、それに打ち勝つのか引きずるのかは知らんけどみんな生きていかなきゃいけないって話で、これは読み手の子供が自分でそう答えを出すのを見守るのか、親が読んで聞かせそう教えるのかでこの絵本の価値がどうにでも変わりそうで興味をそそるなぁと思った。息子夫婦はどうするんだろうね。

  • 子どもの教科書に紹介されていたので読んでみました。悲しみっていろんな色で表現できるんだなと絵にも心を動かされました。

  • 新美南吉の名作。表紙を見て、新美南吉らしくないかと思ったが、実際に読んでみると、意外と合っているように感じられた。

  • 2023年6月7日(水)朝学
    4年A組
    4年生の国語の教科書に『ごんぎつね』が載っていることもあり、今日はこの本を選んでみました。
    色づかいやページごとのお花の絵が、とてもきれいです。
    まず最初の一文、「でんでんむしが ありました」に、「えっ、『ありました』? 『いました』じゃなくて?」と反応する子が。
    確かに今では、あんまり使わないですもんね。
    気になったようです。
    発言してくれると、こちらも「なるほど」と思わされることがあります。
    そのあとは、しんみり静かに聞いていて、最後にはホッとした様子も見て取れました。
    読み終わったあと、「『かなしみ』って、何やったんやろ?」とつぶやきの質問がありましたが、「なんだろうね」と返すにとどめました。
    これから、自分たちで知っていくことかもしれません。
    (読み手:H)

  • 《調剤薬局》【再読】でんでん虫の悲しみが、癒えますように。

  • 新美 南吉 (著), 鈴木 靖将 (イラスト)

  • 4分

  • 読み聞かせ。3分。かなしみを背負ったでんでんむしが周囲にきいていくことで他のかなしみにも気づく。

  • 悲しいときに読み返そうと思う

  • 鈴木さんの描く 新美南吉の世界観がステキです。
    絵とお話が自然と目に入ってきます。
    最後のでんでんむしの表情に注目です。

    お話には出てこない生き物を探すのも面白いですよ。

  • 仏教かキリスト教でこのようなお話があった。
    我が子を亡くした母親を生き返らせてくれと仏陀だかキリストだかに頼んだ時、では命を亡くしてない家庭を見つけたらと言われて周り中に母親が探し回ったが、どの家も死人の出てない家はないと知って、自分の悲しみは自分だけでないと気づく母親の話。
    あとがき が良い。美智子皇后の子供時代の読書の思い出で知られるようになったという。
    新美南吉の15歳の時の言葉、「悲哀は愛に変わる」

  • タイトルと表紙の絵柄で選んだ絵本。作者が新美南吉であることや美智子皇后が子供の頃に読んでもらった心に深く残るお話としってびっくりしました。7歳の男の子の心にはどう思ったかなぁ。少し難しく奥深いお話でした。

  • 【絵本読了メモ】(141225 17:45)
    新美南吉『でんでんむしのかなしみ』

  • 著者は29歳の若さで亡くなる。
    美智子皇后が、「子供時代の読書の思い出」の講演で、子どものころに読んでもらった「でんでんむしのかなしみ」が深く心に残っていると語られたそうで、人は悲しみを背負っているもんだね・・・最後の「もう なげくのをやめたのであります」がいいね~

  • こういう人間はどこにでもいる。
    悲しいのは自分だけ!どうして私ばかり!こんな悲しいことばかりでもう生きていけない!
    そう言って、悲劇のヒーロー、ヒロインになってしまう人。
    そんな人達がこのでんでんむしみたいになれたらいいのに。

    人の言葉に耳を傾けること、たくさんの人と、心を交わし合うことの素晴らしさを描いた絵本です。

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著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2024年 『だれのかげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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