雑草が面白い: その名前の覚え方

著者 :
  • 新樹社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787586490

作品紹介・あらすじ

自然観察の達人が、雑草探検の旅に出かけた…時間があれば所かまわず、足元の雑草を採集。その姿・形をスケッチし、彼らの名前を調べ、その性質や生き様に迫っていく。食べられそうなら料理してみる。姿がよく似た仲間を求めてあちこちを飛び回り、ようやく見つけたときの喜び。やがて彼らが歩んできた歴史にまで、思いを馳せる。雑草の向こうに人間のこと、世界の歴史までが見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 「雑草は歴史的に生み出されたものである」
    「雑草と見るかどうかは人間の見方にかかっている」
    イネ科は植物にしては珍しく特有の毒を持っていない。物理的に鋭い葉で武装している。

    コムギはコムギ属、オオムギはオオムギ属。
    雑草が転じてライ麦に。コムギ畑の雑草のタルホコムギとが交雑して、グルテンの強いパンコムギに。

    熟した実が落ちると収穫出来ない。
    →非脱粒性の性質を追求

    ドクムギはコムギを装う。
    →バッカク菌科の菌と共生関係を結んでいる。
    →近大農業が発達下結果、マボロシの雑草となっている
    →ドクムギは人間が生み出した雑草。人に収穫され、タネをまいて貰わないと、次世代をつなげられない。

    ドクムギ科のネズミムギとホソムギは重要な飼料。
    →エンドファイトが共生し、家畜に中毒症状を起こすことがある
    →エンドファイトを取り除くと害虫が大発生

    はったい粉って、オオムギなのか。

    アーサー・ビナードさんと、お知りあい。

    アマビエさまとヒエって、関係ある?頭髪がヒエっぽいかも。
    →ちゃうかった。アマビコの伝言ゲームでアマビエになったんだって。


    いろいろだから、「雑草」
    「害草」ではない。

    巻末に雑草図鑑の紹介

  • 盛口さんの今回のテーマは雑草。子供の頃に一時期はまったイネ科を中心とした話でした。
    見分けて名前をつけるだけだとなかなか大変だけど、今ある穀物とか、昔は食べられてた穀物とかと比べて考えると確かに楽しいかもしれない。
    道端のエノコログサやメヒシバとかも、食べようと思えば食べられるんだ、と考えたらちょっと楽しい。とはいえもう、ちょっと時期が過ぎちゃったから、試すとしたら来年かなぁ。

  • 今回のゲッチョ先生の観察対象はイネ科植物です(⌒-⌒; )
    ゲッチョ先生の守備範囲をドンドン広げていく姿勢には、
    毎回本当に驚かされます(いつ寝ているのかな、、、)

    さて、今回のメインテーマのイネ科植物、、、またというか
    毎回というか、地味な観察対象をお選びになられます。
    (読みながら、こりゃジミじゃ、ジミじゃ、、、連発!)

    読み終わったあとに何か引っかかるものがあったので、
    「イネ科ハンドブック 文一総合出版」を入手して、
    毎日ぼんやりページを繰る日々を過ごしていたら、
    あ、、、イネ科! 面・白・い!

    という訳で、イネ科に取り組むキッカケを与えてくれた本でありました。

  • 久々のゲッチョ先生本。あぁやっぱりおもしろい。徒歩20分の帰り道、つい道ばたをみてしまう。よく見ると、いろんな種類の草がたくさんあることに気づいて驚いた。面白いことは、探してみれば身近なところにもあるもんだ。ゲッチョ先生はいつもそれに気づかせてくれる。

  • 食べるんですか
    スゴイ
    味が気になる

  • 雑草系、今年2冊目。
     本書も、自分の身の回りの雑草の知識を深められたらいいなと、知人のFB投稿を見て読んでみたもの。

     著者は世にゲッチョ先生として知られている方らしい(知らんかったけど)。博物学者で、沖縄大学で教鞭を執っておられるとか。先に読んだ『みちくさの名前 -雑草図鑑』ほど身近な草木の話は多くなく、本書ではイネ科についてかなりの紙面が割かれている。ので、ちょっとその専門分野?の中盤は中だるみ気味(こちらの気持ちのね)。

     雑草の名前の覚え方として、名前をただ覚えようとするのではなく、
    「関係性を作り出すことを第一目標として、その結果として名前を覚えるのと言うのが、僕のやり方」
    という発想は非常に納得。そうした例をもう少し広く浅く多く並べてくれていたら良かったけど、学者さんなだけにニッチなところが、こちらのニーズと少し合わなかった。

     ただ雑草という概念をきちんと整理してくれているのは、さすが先生。
    「生徒たちが、雑草をひとまとめに「草」と言い表すことの意味をもう少し考えてみたいと思ったのだ。」
     という発想で、歴史的な考察を含め人間との関わりで雑草を捉えているのは分かりやすい。

    「人間に邪魔者扱いされたときにその植物は雑草となる」
    「人間が自然を拓き野生植物を栽培する歴史のなかで、直接利用できる植物は作物と呼ばれ、利用できないものは雑草とされた」

     つまりは、人間の勝手な価値観の押し付けでしかないということだ。

     麦角の話、非脱粒性のドクムギの生き残り戦略、世界的に例をみない鑑賞用としてだけ広まった日本のヒマワリの話など、雑学的な知識はそこそこ面白かった。
     とまぁ、イネに深くかかわる中盤以外は、いろんな雑学、考察含めそこそこ面白かった。

     植物学的な話の他に、沖縄での暮らしから導き出される感慨、その他のエッセイ的なつぶやきもなかなか味わいがあるのだけど、ただその辺りの結論めいたものはシリキレトンボ。
     例えば、沖縄のおじい・おばあの自然体験(ヤンバルクイナやジュゴン食べた話)と、若い世代の自然に対する認識を比較することで、
    「自然とどのように付き合っていくべきなのかという問いに対する答えへのヒントが見えくるのではないかと思っている。」
     と、あれ?思っているで終わり?そのヒントを探すのは今後の課題なの?
     少子化の世にあって私学の経営と教育の両立の難しさについては、
    「学校は会社ではない。学校はもっと多義的な存在だと思うのだ。僕には、雑草とはいったいなんだろうという疑問とこの時の話が、どこかでつながるような気がしている。」
     と、なかかな面白そうな話だと思って喰い付くが、「気がしている」で終わり。その繋がりについての考察がない!! 
     「雑草とは?」邪魔者扱いされ、人が利用できないときにはじめて雑草となる。では教育は?? うーん、どこでどうつながりがあると考えているのだろう。他の著作には、なにか書かれていたりするのかな? そんな放置されっぱなしの話題が散見されて、なんだか読後の座りが悪いのだった。

     他にも著書がたくさんある作者のようなので、エッセイ的なものを少し読んでみたいかな、と思った。

  • 【配置場所】工大特集コーナー【請求記号】470.4||M 【資料ID】91151039

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著者プロフィール

沖縄大学人文学部教授

「2019年 『琉球列島の里山誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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