森を守るのは誰か フィリピンの参加型森林政策と地域社会

  • 新泉社 (2018年7月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784787718112

作品紹介・あらすじ

★「朝日新聞」2018年9月22日書評掲載
間宮陽介氏評「人為的にコモンズを創る試み」
「……今日、コモンズは衰退の危機にある。このような流れの中で、コモンズを時代に即応させ、コモンズの原理を活かしていこうとする機運も高まっている。フィリピンの森林政策に特化した本書は、その特殊性を超えて、コモンズの再生と活用にも重要なヒントを与えるのではないだろうか。」

〈森を守るとはどういうことか。〉

「国家 vs 住民」「政策と現場のズレ」「保護 vs 利用」「住民間の利害対立」……。
国際機関の援助のもと、途上国で進められている住民参加型資源管理政策をめぐって指摘される問題群。

森と農地が一体的に利用されているルソン島中部の村落で、二項対立では説明できない多様な森林管理の実態を見つめ、現場レベルで独自に立ち現れる政策実践の可能性を考える。

「フィリピンは1970年代から住民参加型森林政策を開始し、東南アジアのなかでも制度化が進む国の一つである。森林回復や地域住民の生活向上などの評価がある一方で、国家が住民に森林の権利を与えることは、住民や森林に対する国家統治の継続をより見えにくくし、森をめぐる国家と住民の対立構図も不可視化しているという批判がある。
 途上国の森林保全に関して、各国政府、援助機関、研究者は、有効な参加型資源管理のあり方を模索してきた。住民参加を進めるための制度の枠組みは検討が重ねられてきたが、政策の意図と異なる現場レベルでの森林管理の実践は問題とみなされ、現場で独自の制度が生み出される仕組みについてはあまり議論されてこなかった。
 本書の目的は、現場における制度生成の仕組みを分析する概念枠組みを提示し、住民参加型政策が地域社会に及ぼす影響について新たな論点を提示することである。」…………著者

感想・レビュー・書評

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  • 非常にミクロな森林政策の書籍であり、現場感を感じられたのは新鮮だった。
    学術的に見たときには調査地の特殊性というところからどこまで普遍性のあるものとして昇華できるのか、という点ではあまりピンとこなかった。

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著者プロフィール

1982年東京都生まれ
博士(農学)
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得退学
国際教養大学助教を経て同大学准教授
専門は農村開発論、環境社会学

「2020年 『記憶を未来へー秋田の戦争をつなぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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