誰のための熱帯林保全か 現場から考えるこれからの「熱帯林ガバナンス」

  • 新泉社 (2021年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784787721037

作品紹介・あらすじ

《「責任ある生産と消費」の裏側で起こっていること——。》

私たちの日用品であるトイレットペーパーやパーム油。
環境や持続可能性への配慮を謳った製品が流通するなかで、原産地インドネシアでは何が起こっているのか。
熱帯林開発の現場に生きる人びとが直面しているさまざまな問題を見つめ、「熱帯林ガバナンス」のあるべき姿を考える。


 インドネシアをはじめとする熱帯諸国の森林開発は、天然林破壊や住民との土地紛争などさまざまな環境・社会問題を引き起こしてきた。しかし、近年になってNGOや市民社会の圧力を背景に、国際的な資源管理認証制度の改善や企業の自主行動計画の策定など、環境と地域社会への配慮や持続可能性を謳った「熱帯林ガバナンス」の仕組みの整備が進んでいる。
 しかし、森林開発の現場を少しでも歩くと、理念と現実との間には大きな隔たりがあることに気づく。さらに、ガバナンスの制度的外観の整備が進むことで、現場のリアリティは逆に見えにくくなっている。本書の目的は、草の根の人びとの視点から熱帯林「開発」と「保全」の現場の実情を明らかにし、これからの「熱帯林ガバナンス」のあるべき姿を検討することにある。

感想・レビュー・書評

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  • 紛争コピー用紙、と語った北海道大学の笹岡教授編の熱帯林保全に関連する各研究者による一冊。
    認証制度や規制で一見適切に保全されているようにも見えるがその足元には取り残されている住民達の存在がある。
    また当たり前だがパルプ林より熱帯林のほうが圧倒的に生物多様性豊かである。
    紙を使わないことがやっぱり一番の保全なのか。。

  • (三木敦朗先生(森林・環境共生学)おすすめ図書)
    ☆農学部図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC06527452

    ★三木先生による紹介記事はこちら★
    https://astatel.net/book/b031.html

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著者プロフィール

1971年 広島生まれ。
1995年 東京農工大学農学部環境資源学科卒業。
1999年 東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了。
2002年 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得満期退学。
2010年 第14回日本熱帯生態学会吉良賞奨励賞受賞。
 インドネシア科学院社会文化研究所(PMB-LIPI)客員研究員/日本学術振興会海外特別研究員、
 財団法人自然環境研究センター研究員、独立行政法人森林総合研究所特別研究員などを勤める。
現 在 国際林業研究センター(CIFOR)研究員、博士(農学)。
専 門 環境社会学・環境人類学、インドネシア地域研究。
主 著 『躍動するフィールドワーク ――研究と実践をつなぐ』(井上真編、共著、世界思想社、2006年)
    『コモンズ論の挑戦――新たな資源管理を求めて』(井上真編、共著、新曜社、2008年)

「2012年 『資源保全の環境人類学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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