ルーマン、学問と自身を語る

制作 : Niklas Luhmann  土方 透  松戸 行雄 
  • 新泉社
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本棚登録 : 17
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787796172

作品紹介・あらすじ

多様な質問が仕組まれ、ルーマン一流の複雑性を携えて返答するインタビュー集「アルキメデスと私たち」、ルーマン理論の重要なエッセンスを語った講演「構成としての認識」、退官記念講演「なにが扱われているのか?その背後になにが隠されているのか?」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • いい政治とは敵を作ることを最小限にとどめながら政策を実現する能力を最大化するような政治。

    2つの天才。
    一つは理論結合や理論デザインの建設に関する天才、権利国家経済過去の時間未来の時間階級構造日常の現象等々を一つの観念で記述する可能性を建設する天才性。

    他方こうした潜在性を政治的に発揮するという現象。

    誰もが持っている盲点ー特定のものがよく見えても見えないものは見えない、そして見えないものが見えていないということを見ないーという理論的循環性を理論に組み込むという循環性に興味。


    私たちの社会はかつてのどんな社会より生に関する決定について個人化を基盤にしている。自分の人生については各自が責任を持ってなんとかするしかない。

    知識人としてのより重要な課題、私たちの社会を比較しながら記述する方法を本当に最大限に利用すること。

    思考は完全な内面的語りかけではない。
    心的システムと社会システムの分離は相互の独立を意味しない。他人の意識には直接到達できない。

    個人レベルでの病理、分裂病、ダブルバインド

    異なった社会システムは異なった人格を形成する。

    進化については単純に複雑性のの増大という概念で考察できる。

    誰もコピーすることなしには本当に生きられません。自分がオリジナルであると信じるのであればそのオリジナルであるという理念をコピーしている。天才であろうとすればそれは天才の存在に関わる19世紀の理念をコピーしている。


    理解の観念には拒否または成功へ期待という二つのレベルがある。ある特定の意味ではコミュニケーションプロセスとは再び選択をかのうにするかまたはコミュニケーションを他者がイエスかノーかと言えるように先取りし、構成するプロセス。本質的には成功の蓋然性を先取りすること。ある程度まではコンセンサスをもとめるのも戦略的行為。

    意味が選択性を迫る、意味が選択分野を制限する構造的制約をもっているまたは獲得するとしゅちょうしたい。

    愛とは世界と自分自身を他者の目で体験し、それに対応する形で行為する能力。どのように愛を記号化できるか?他者に対する助けという形式以外には標準化されていない。

    いずれにせよ愛のコードー何を表彰し、どのように愛を始め、何を期待し、要求できるかということに関する文化的規定ーを陳腐化せざるを得なかった。誰にでも通用するように貴族的要素を洗い流されなければいけなかった。同時に読書量の増大教育の普及で心理学的に繊細な感情が全住民の中で成長した。こうして現代人は下層民でも問題意識や思いやりを持つように。

    性の解放は歴史的逆戻り、貴族に制御された社会の解体と関連している。

    社会との関係点、恋愛する個個の人が何を感じ、考えているか、個人の観点からの世界でなく、そうした事態の社会的記述、社会が提供する選択肢の解釈を問題にしている。

    誠意とはコミュニケーション可能か?
    真の愛と偽装された愛についてコミュニケーション可能か?誠実であれば全てうまくいく、ということには非常に疑問。

    コミュニケーションは一般的には別の結果にも至るような情報の伝達をするためにある。それは新しさを要する。あるいは以前は確かでないものが後には確かであるようなもの。そしてこの自分から編み出した網に誠実さのコミュニケーションがひっかかる。質のコミュニケーションもそう。
    誰かがあなたを誠実に愛していますといえば、すでにある種の疑いを示している。簡単にコミュニケーションで解消できない説得力の獲得の問題。


    理性愛と対称に近代は非合理や激情の愛。

    情熱の理念そのものが陳腐化された。これは結婚の安定のための保証にならなかった。
    一方でくーる、理性的、寛容、思いやりというパートナーシップをイメージ。一方でロマン主義的愛を時代遅れで危険とする主張もある。

    パートナーシップか?ロマンチックか?の間を揺れ動く理想。

    私たちは非人格的関係と人格関係を選択できる社会に生きている。後者の機会は制限付き。多くの非人格的関係は立身出世、職業的成功、金儲けを考える場合の自我感情と自意識の強化に役立っている。

    個性化とはパートナーが互いに相手を思いやらねばならぬこと、他者にとって大切なものをより配慮すべきことを意味する。個性化ゆえに多くのコンフリクトが発生するがまた多くの理解の可能性もある。

    愛が性的関係を根底にして初めて展開するのであって逆に性的関係の準備や導入の形式である必要はないという経験をしている。
    性的解放は強固な家族秩序や階級秩序の解体とともに浸透した。

    愛とは親密関係から何かをなすための枠組み。愛は他者に関して持ちたいものを他者自身に与えることに対する概念 そのため愛は世界に対して境界線を引く二人の関係であるという古い規則、表象がある。

    重要性の評価:根底にある問題提起に依存している。
    機能的順序付けとは優先度を表すものでなく、教育や政治に「何を意味するのか」という問題を検討するためのさまざまな展望があるだけ。

    何が扱われているのか?その背後には何が隠されているのか?

    なんか微妙だった。

  • ルーマンへのインタビュー、退官記念講演、「構成としての認識」と題された講義の邦訳。ルーマン理論を知るためというよりも、ルーマンの伝記的要素や、同時代の出来事についてルーマンがいかなる意見を持っていたかを知るために、また、しばしば浴びせられる「保守的」という非難にルーマンがクールに回答する様子を見るために役に立つ本。ただし、ルーマン理論のエッセンスがどこにあるのか、またルーマン自身が自身の取り組みにどのような問題点を見ていたかを知るうえでは、インタビューの邦訳は有用だと思われる。

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プロフィール

ニクラス・ルーマン(Niklas Luhmann) 1927年生まれ。ビーレフェルト大学名誉教授。1968年から1993年までビーレフェルト大学社会学部教授を務めた。著書は本書の他、『社会の……』や『社会構造とゼマンティク』のシリーズなど多数。1998年没。

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