「育てにくさ」に寄り添う支援マニュアル: 子どもの育てにくさに困った親をどうサポ-トするべきか

制作 : 秋山 千枝子 
  • 診断と治療社
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本棚登録 : 19
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787817211

感想・レビュー・書評

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  • 3-4才くらいまでの発達、発育の段階に応じて、いろいろな「育てにくさ」や「もしかしてうちの子ちょっと問題があるんじゃないか」を1件1ページで解説する。
    いい点は、実用書に徹しているところ。
    1件1ページにコンパクトにまとまっている。例えば「言葉が遅い」「食べ物の好き嫌いが激しい」「人見知りが激しい」「おむつが取れない」「あるものに異様なこだわりを見せる」「こうするとパニックになる」など。
    それぞれについて、考えられる原因とそれに対して親がやってみるべきこと、それでだめなら専門家にみせましょう、この程度なら様子を見ましょう、というフォーマットで解説している。
    核家族での子育てというのは想像以上に孤立しがちで、友人知人の子供を見たり話したりしても育てにくさってわからない。夫婦の間でさえ、同じ子供を見て問題と思ったり思わなかったが違うことだってある。
    そういうときに、一つの目安になる。
    「この年齢でこういう言動をしているけど、それって、程度の差はあれみんながそうなりますって育児書に書いてあるから、安心していいんだろうか。でも、それにしてはちょっと程度が甚だしいようにも思う。ひょっとすると発達障害レベルの問題で専門家に相談した方がいいんじゃないのか。」
    周りの人に聞くと「大丈夫よ」という答えしか返ってこない。こどもチャレンジの小冊子見ても「こうすればバッチリ」というハッピーエンドしか書いていない。
    そういうときに、一つの目安になる。

    よくない点は、実用書に徹しているところ。
    目の前の事象に対する一問一答的な記述ばかりで、体系だった発育段階の解説等は皆無。やはり全体と部分の両方が欲しい。
    また、育てにくさ(問題)の原因と対策について、基本的に親のしつけに帰着するような書き方が多い。
    それはその通りかもしれないけど、親のしつけに問題があるとしたら直すべきは子供ではなく親。そういう(問題のある)親はこの本を自力で見つけて読んだり読んで言動を直せるような親ではないだろう。

    おそらく本書は本当にこの本を必要とする親には届かない。
    二番目に必要としている親には届く。「そこまで心配しなくてもいいですよ、でも、もう少しこういう点にも配慮できるといいですね」というメッセージとともに。

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