単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜

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  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788505285

感想・レビュー・書評

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  • だーっ
    読み終えた
    かなり、時間がかかった
    電車移動中に読むにはきつい本だった
    しかし、これは素晴らしい読書だった
    良心だ
    結論が凄い
    この400ページのあとに、こういう結論を出せるかと思った
    だとすると、この人は凄いことを考えてる
    と、思ったら、あとがきにそう書いてあった

    感動の結論を極端にして要約して書くと、
    「単一民族神話も混合民族説も、言ってたことは全部、ロールシャッハだ、だから神話なんだ」
    と。
    思わずジムジャームッシュのパーマネントバケーションの冒頭の星座の話を思い出したら、そのあとに、星座だって書いてあって我が意を得たりってやつでした
    名著

  • 【要約】
    ・正剛「日本という方法」P11。明治時代、日本は多民族国家と考えられていた(P11)とは興味深い。一体、いつ変わったの?どういう経緯で?

    【ノート】

  • 明治期以降「日本は多民族国家なのだから」神話が出たとかを解く。
     南方熊楠説における柳田国男説の『日本先住民』はRACE系だと思ったけど、本著に出てくる柳田先生の説はなんか若干まともなアレ(でかつ柳田先生がポエムに走るのを批判してゐる)っぽい。
     単一民族をNationとするならば、他のRaceとかTribeとかの方がいいわけだから使へるとは言はない。

  • 同僚「ここままじゃ純粋な日本人がいなくなる」
    私「純粋な日本人の定義を教えて」
    同僚「今の日本人」
    私「何それ。定義になっていない」

    仕事場でこんな会話を交わしたのは昨年だった。なんか妙なものでも
    読んだり聞いたりしたのかね、この同僚は。

    でも、「日本人は単一民族」って言う人は結構いるんだよね。単一民族って
    言ってもさ、人類発祥の地はアフリカだし、日本には大陸やら朝鮮半島やら
    南方からやって来た人たちが住みついたって説もあるでしょう。

    あの大勲位・中曽根康弘も「日本人は単一民族」って発言していたけど、
    この単一民族論というのが強調されるようになったのはそれほど昔の
    話じゃないんだね。

    本書は「日本人は一体どこから来たのか」の検証するのではなく、明治以降
    の日本民族についての言説を考察した作品だ。

    これは面白い。日清・日露戦争から先の大戦まで、日本が海外侵攻をして
    いた頃は混合民族であるとの説が主流を占めていた。「アジアの盟主」を
    自任していたし、半島や台湾を支配下に治めていたんだものね。

    では、いつから単一民族だとの説が流布したのかというと戦後になってから
    なんだな。

    では実際にはどうなのかとの結論は出ていないのだが、著者に言わせると
    どっちも「神話」なのだそうだ。「神話は史実ではない」との三笠宮殿下の
    言葉を思い出したよ。

    歴史としてはどうなんだろうね。古代より日本列島には渡来人が住んで
    いたというし、継体天皇については出自などについて謎が多いとする説
    もあるしね。

    時代の潮流や政治的思惑で混合民族になったり、単一民族になったり
    日本人も大変なんだわ。でもさ、み~んなまとめて「地球人」じゃ駄目
    なのかしらね。

  • そもそも第二次世界大戦前までは単一民族論は少数派であったこと、差別解消を目的とする良心から生まれた混合民族論が大日本帝国の「侵略(あえていおう)」の論理になってしまったこと、いずれもこれまで描いていた主流とされる日本人論のイメージとは異なり、いかに自分の「常識」が時代の主流に知らず知らず組み込まれているかがよく理解できた。英語文献のアーティクルにも多数引用されており読みたかった本がやっと読めました。

  • 今、国内でもっとも読まれている社会学者の著作から選んだ。知識人の言説に焦点を当て、日本社会を問う。厚い本が多いけれど、記述は平易で読みやすい。(松村 教員)

  •  これはおもしろい。日本人はもともと「単一民族」なんかじゃなくて、南方や朝鮮やアイヌとか、さまざまな人種が合わさった混合人種であり、天皇だって朝鮮の血が入っているのだ。明治で急に西洋文明を取り入れたせいで劣等感の塊となり、なかには「日本人は本来白人であり、黄色人種ではない。劣等民族である蝦夷などの土人と交わったために黄色人種のように見えるが、健康に気遣い洋服を着たら直る」みたいな狂ったことを言っていた奴もいたらしい。
     サントリー学芸賞を取るような論文なのだが、ゲラゲラ笑いながら読める楽しい本だ。いまのこういう時代の雰囲気だからこそ、絶対おすすめする。

  • 『単一民族神話の起源 ――「日本人」の自画像の系譜』
     The myth of the Homogeneous nation
     小熊英二(1962-)
     新曜社 1995年07月


     【メモ】
    ・出版社のページ
     <http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0528-2.htm
    ・1996年に社会・風俗部門でサントリー学芸賞受賞。(青木保 評)
     <http://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/detail/1996sf2.html
    ・せいごー評。
     <http://1000ya.isis.ne.jp/0774.html
    ・異端的考察
     <http://critical-thinking.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-79eb.html

     【メモ 2】
    ・誤植(@出版社HPに掲載された目次)
    9章4節 :「全部」→「前部」


     【目次】
    序章
    問いの設定/「単一民族神話」の定義/社会学と歴史学

    第一部 「開国」の思想
    第1章 日本民族論の発生――モース・シーボルト・小野梓ほか
    欧米人学者の日本民族論/日本の人類学と欧米人学者への反発/ナショナリズムの二つのかたち
    第2章 内地雑居論争――田口卯吉・井上哲次郎
    モデルとしてのアメリカ合衆国/海外進出は不可能/「日本国民の同化力」
    第3章 国体論とキリスト教――穂積八束・加藤弘之・内村鑑三・高山樗牛ほか
    国体論の隆盛/キリスト教系知識人の反論/同化政策か純血維持か/追いつめられる国体論
    第4章 人類学者たち――坪井正五郎ほか
    純血論への批判/世界への進出
    第5章 日鮮同祖論――久米邦武・竹越与三郎・山路愛山・徳富蘇峰・大隈重信ほか
    天皇家朝鮮渡来説/「島国根性」と「南種北種」/「故郷」への進出
    第6章 日韓併合
    新聞での論調/主要雑誌の論調/国体論者の転向

    第二部 「帝国」の思想
    第7章 「差別解消」の歴史学――喜田貞吉
    被差別者への共感/差別解消としての同化/「四方の海は皆同胞である」
    第8章 国体論への再編成――国体論者の民族論
    国体論の混乱/混合民族論のとりこみ/「養子」としての異民族/「開かれた血族団体」
    第9章 民族自決と境界――鳥居龍三・北一輝・国定教科書ほか
    民族自決論の中和/鳥居龍蔵の日本民族起源論/教科書の変遷/「朝鮮人の名を全部日本名に変ずべし」
    第10章 日本民族白人説――ギリシア起源説・ユダヤ起源説ほか
    「落胤」としての日本民族/あるボランティア
    第11章 「血の帰一」――高群逸枝
    詩人から古代史へ/母系性と異民族同化/「世界の家族化」

    第三部 「島国」の思想
    第12章 島国民俗学の誕生――柳田国男
    先住異民族としての「山人」/「山国」から「島国」へ/国民統合としての民俗学/「有りもせぬ全体」
    第13章 皇民化対優生学――朝鮮総督府・日本民族衛生協会・厚生研究所ほか
    純血な島国/皇民化政策を支える混合民族論/厚生省と優生学系勢力/純血と総動員の矛
    盾/単一民族人類説の台頭/「混血ニ対スル処置ヲ講ズベシ」
    第14章 記紀神話の蘇生――白鳥庫吉・津田左右吉
    大陸の分裂・島国の団結/記紀は史実ではない/単一民族の記紀解釈/権力支配としての中国/権力無き天皇国家
    第15章 「血」から「風土」へ――和辻哲郎
    北種と南種の総合/自然児の世界/複合的な単一風土/国境をこえない天皇制
    第16章 帝国の崩壊――大川周明・津田裁判ほか
    戦時期の混合民族論/純血論の台頭/ダブルバインド状態
    第17章 神話の定着――象徴天皇制論・明石原人説ほか
    農業民の世界/国民統合の象徴/明石原人説/単一民族論に傾く戦後歴史学/受容されなかった騎馬民族渡来説/忘却された混合民族論

    結論
    社会学における同化主義と人種主義/「日本人」概念について/近接地域・同人種内の接触/家族制度の反映/保守系論者の単一民族論批判/神話からの脱却

    あとがき 

  • いい本なんだけど、多分先行研究があるからというので第二次世界大戦以降の話の記述が軽くなってるのが、一冊の本として読むのは少し不満かもしれない。

  • 単一民族神話の起源。想像したものと大きく違っていて、大変面白い。二度三度参照したくなる。

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著者プロフィール

1962年東京生まれ。東京大学農学部卒。出版社勤務を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授。学術博士。主な著書に『単一民族神話の起源』(サントリー学芸賞)、『<民主>と<愛国>』(大仏次郎論壇賞、毎日出版文化賞、日本社会学会奨励賞)、『1968』(角川財団学芸賞)、『社会を変えるには』(新書大賞)、『生きて帰ってきた男』(小林秀雄賞)、A Genealogy of ‘Japanese’ Self-Imagesなど。

「2019年 『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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