単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜

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  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788505285

感想・レビュー・書評

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  • 明治中期から戦後までの日本民族論の変換。単一民族論は戦争末期に浮上した論調であり、それまでは先住民族や大陸からの帰化人が融合した混合民族論が主流だった。これを国体に取り込み、朝鮮台湾支配の同化政策を正当化する。なんという身勝手さ。戦局が不利になると途端に単一民族論へ、象徴天皇制論へと翻る。学説の殆どが記紀から派生し、フィクションととるかノンフィクションととるかでどうにでも捻じ曲げる。学者は政治に巻き込まれる。資料の羅列で面白味に欠けるが有意義な読書だった。大日本帝国と同じ轍を踏まぬよう心掛けねばならない。

  • 単一民族神話の起源。想像したものと大きく違っていて、大変面白い。二度三度参照したくなる。

  • 内容としては、副題の「日本人の自画像の系譜」の方が合っている気がする。販促効果を狙って、キャッチーなタイトルにしたのだろうか。
    単一民族論だけを神話と呼ぶのは、中立的な立場に立ちつつも、筆者の真の意図は単一民族神話の批判にあるからなのだろう。ただ、中身は至極全うで面白い。
    単一民族論の形成に和辻哲郎が大きな役割を果たしたというのは、本書で初めて知った。現代日本で彼の評価が高い気がするのは、単一民族論が今なお幅広く支持されているからなのか。

  • ゼミ

  • 高校生のとき読んだからね
    本をさかさまにしてよんでやっと解ったかんじかね

  • 本書は,大日本帝国時代から戦後にかけて,「日本人」の支配的な自画像といわれる単一民族神話が,いつ,どのように発生したかを歴史学的に調べ,その機能を社会学的に分析したものである。最後の『結論』の『神話からの脱却』についての一節の「異なる者と共存するのに,神話は必要ない。必要なものは,少しばかりの強さと叡智である」の部分が読み終えたあと印象に残った。

著者プロフィール

1962年東京生まれ。東京大学農学部卒。出版社勤務を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授。学術博士。主な著書に『単一民族神話の起源』(サントリー学芸賞)、『<民主>と<愛国>』(大仏次郎論壇賞、毎日出版文化賞、日本社会学会奨励賞)、『1968』(角川財団学芸賞)、『社会を変えるには』(新書大賞)、『生きて帰ってきた男』(小林秀雄賞)、A Genealogy of ‘Japanese’ Self-Imagesなど。

「2019年 『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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