人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

  • 新曜社
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レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788506794

作品紹介・あらすじ

アメとムチはもう利かない! 人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。
WHY WE DO WHAT WE DO,The dynamics of personal autonomy,1995.First Published by G.P.Putnum's Sons,New York

感想・レビュー・書評

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  •  紹介されて読んだ本。紹介してくれた人に感謝したい。これは、本当に読んでよかった。

     とは言っても、わかりやすい本というわけではない。心理学の本で、作者はずいぶんかみ砕いてくれているのだと思うけれど、ぼけっと読んでいるとなかなか頭に入ってこない。研究書なのだ。

     うんと簡単に言うと、なんでやる気のない人っているんだろうってことだ。知的好奇心とか意欲とか、そういう大事なものをどっかに置き忘れてしまうようなことがどうして起きるんだろうという話。それを、長い長い時間をかけて実証的に検証した記録である。説得力がある。

     たとえば、「外的報酬は内発的な動機付けを阻害する」、つまり「ちゃっとできたらご褒美をあげるよ」というのは、かえってやる気をそぐってことだ。意外な気がするけど、確かにそうかもしれない。

     人間には、「自律性への欲求」「有能さへの欲求」「関係性への欲求」があって、そういうものがやる気を支えているという。その中でも特に「自律性」、つまり他人から押しつけられたのではなく、自分の意志で行動しているのだという思いが、人の意欲に大きく影響しているというのだ。

     いろんな側面で人を抑圧する環境の中では、人はやる気をもって生きることが難しい。教育だって、(やり方よっては)もうどうしようもないくらい抑圧してしまうわけで、どんどんどんどん、元々持っていた意欲のようなものを奪い去ってしまっている面が確かにあるかもしれないと思う。

     今までいろんな場で感じていたことを、きちんと整理して提示してくれたような気がした。それとは別に、目からウロコが落ちるような気持ちになった部分もたくさんあった。

     紹介してくれた人が言っていたように、特に教育関係の仕事に携わる人にとっては、必読書のひとつなのではないかと思う。

  • 行動が自律的か、それとも他者によって統制されているかという区別が重要。
    自律という言葉は元々自治を意味している。これは自由に自発的に行動するという事。


    正しい問いは、「他者をどのように動機づけるか」ではない。「どのようにすれば他者が自らを動機づける条件を生み出せるか?」


    内発的動機づけ
    その活動をする事自体が報酬である事。
    人が生まれつきもっている活力、自発性、純粋さ、好奇心。

    真の芸術活動の背後にある目標は、存在の本質的状態に到達する事である。
    それは高い次元で活動している状態、普通に存在している以上の状態に到達する事。

    ポイントは、意味のある選択が自発性を育むという点にある。人は自ら選択することによって自分自身の行為の根拠を十分に意味づける事ができ、納得して活動に取り組む事ができる。同時に、自由意志の感覚を感じる事ができ、阻害の感覚が減少する。

    選択の機会が与えられても、その当人が十分な情報をもっていなければ当然よい判断を下すことはできない。

    評価される事を予期して学んだ場合には中身を覚える事に集中するが、十分な情報処理をしていないため、概念的な把握に欠ける。暗記させたいのか?理解させたいのか?

    テストが終わったとたんきれいさっぱり忘れてしまう。
    コアダンプ:コンピュータの記憶内容を全て出力すること。


    報酬の動機づけ 
    方略的な側面を避け、仕事の条件の単なる一側面とする事により、仕事に内在する報酬をバランスよく扱う事ができる。


    発達とは、社会が子供たちに対して行う何らかの働きかけではなく、子供達が能動的に行う何ごとかであり、社会はそれを支え育むもの。


    合理的な理由を提示する、感情を認める、圧力を最小限にする。


    関係性への内発的な欲求に導かれて、人は集団の成員となる。最初は核家族の一員に、次にはもっと大きな集団の一員に、さらには社会の一員、そして最後には地球共同体の一員となる。

    真に自分らしくあるという事には、他者の幸福に対する責任を受け入れる事も伴う。
    他者と繋がっていると感じていたいという欲求が、人に文化の諸側面を自然に身につけさせ、あるいは同化させ、その結果創意あふれる社会的貢献をするようになる。
    それが起こるのを援助しているのが、重要な他者からの自律性への支援である。

    真の自己は内発的自己から始まる。


    愛情留保系アプローチ
    社会が人には他者との関係を維持しようとする傾向がある事を利用して統制する事。
    他者から愛情を受け続けるために自律性を放棄するか、
    世捨て人として生きるかを選択するよう子供に強制する。

    随伴的な愛情や尊敬を統制の手段として用いると、取り入れを促すだけでなく、人々が自分自身を随伴的に評価するようになるという、さらに悲惨な結果をもたらす。
    彼らは取り入れられた規範からの要求通りに行動した時だけ、価値ある人間だと感じる事ができる。

    自我関与ego involvement
    自分に価値があると感じられるかどうかが、特定の結果に依存しているようなプロセスの事。

    真の自尊感情と随伴的な自尊感情
    人間としての自分の価値を信じるという、堅固な基盤の上に築き上げられた、
    健全で安定した自分自身の感覚で、それはよく発達した真の自己から導きだされる。
    そこでは内発的動機づけが維持されており、外的制限や規範はよく統合されており、自分の感情を統制するのに必要なプロセスがよく発達している。
    従い、真の自尊感情には自由と責任が伴っている。

    非随伴的な肯定的関心
    我々は今生きているという事実そのものによって価値がある。
    賞賛は真の自尊感情ではなく、随伴的な自尊感情を育てる危険性をはらんでいる。
    またそのプロセスの中では、人を賞賛に依存させるような統制的な精神力動過程が強まっていく。

    相互依存関係の中核に相互の自律性があるかどうか、さらには相互の自律性の支援があるかどうか。

    成熟した関係は、二人の個人がお互いに率直に相互交流し、
    自我関与や取り入れられた評価、自己批判によって干渉されないという特徴をもつ。

    自分の感情を認識していることは、真の自己の発達と機能の為に重要であり、それを伝達することは、関係の親密さを増す為に重要である。


    6つのタイプの生きる意欲(目標)に焦点をあわせる
    最初の3つは外発的意欲
    裕福になる、有名になる、肉体的魅力がある
    これらの意欲は達成しようとしている結果がさらに別の目的の手段になっているのが特徴。
    次の3つは内発的な意欲
    満足のいく個人的関係を持つ事
    社会に貢献する事
    個人として成長する事
    これらはそれ自体が本来的に満足をもたらす。

    非常に強い外発的意欲を持ち、それを達成できると堅く信じる事も、
    精神的健康の低さと関連している。
    異常に強い外発的意欲は、その目標を達成できるかどうかによって随伴的自尊感情が生じるからである。

    自律性の支援や関与が十分でないと、取り入れや随伴的な自己の感覚がもたらされるだけでなく、
    より外発的な志向性をも促進しうるということが確認された。

    人が健康でいる為にたえず満足させていかなければならない生命体の状態
    (生理的、心理的)

    社会が効果的に機能する為には、個々のメンバーがその社会の価値や習慣をある程度身につけていなくてはならない。
    だがその時、社会に服従するのではなく、その人の価値観とそれに伴う行動への動機づけが統合されている事。

    金銭は満足のいくバランスのとれた生活を送るために使われるという点で価値づけられ、あるいは関係性への欲求を満足させるのに有意義な機会を作り出すために使われるという点で価値あるものとされるだろう。美的欲求を満たす経験を得、他者を援助し、公共的な組織を支援する為に使われるという点で価値づけられるかもしれない。


    愛他主義では個人を、他者の目的を達成させる為の手段と見なすのに対し、個人主義では個人をそれ自体が固有の目的であると考える。個人主義も自律性と混同されてきた。
    個人主義は我々自身の目的を自由に追求する事ができると言う事。
    それが合法的である限り、いかなる外圧によっても妨げられるものではないという事。
    自己の利益追求。
    自律性とは、自由意志によって選択した目標を追求する事。
    自己選択の感覚や柔軟さ、自由さを感じながら、意思を持って何らかの行為を行うという事。
    自分の興味や価値観と調和して、責任ある行動をしようとする真の意思を感じる事。

    行動が個人主義的であるが自律的ではない状態はある。アメリカ。
    集産主義的ではあるが自律的でない事も。日本

    自律性には自己知識self knowledgeが必要。
    自己知識とはパーソナリティの統合を意味し、それが自律性を個人主義と区別するポイント。

    服の外側にラベルをつけて着ている。

    教師を判断するポイントは、
    子供が学校でどうしているかを話している時に子供の視点に立っているか、その内容はあなたが子供について知っているか事からみて正しいと思えるか?


    目標の設定と成果の評価
    最適な目標を設定するもっともよい方法は、彼らを目標設定の過程に関わらせる事。
    良かったり悪かったりというのは、その時と場所において、達成できると思われる基準との比較によってのみ言える事である。最適な評価とは、自分が設定し、到達しようと決めた基準に照らして、自分が実績を評価する事である。
    たとえその人の行動に主因があったとしても、それを批判的に評価することよりも解決すべき問題とみること、すなわち、次にはどのように改善したらよいかを考える事。

    上の地位にいる人の中には、権威主義的パーソナリティのように、他者を支援するよりも支配することを志向する人もいる。自律性を支援するために必要なスキルをもっていない人もいる。

    人は社会から影響を受けると同時に、社会に積極的に影響を与える可能性をもっている。

    管理職の人達と行った合宿で、彼らにグループミーティングの場でお互いに肯定的なフィードバックを与え合うように薦める。


    あなたが刺激に与えた即時の解釈が調整され、意味づけが変わると共に、経験する感情も変わる。つまり、恐怖や怒りは実際に起こった事が再評価されると、共に消滅する。

    何者も自我に脅威を与えない。

    生きている事の本当の意味は、単に幸福を感じる事ではなく、
    様々な人間の感情を経験する事。
    人が幸福のみを求める時、幸福の追求により、それ以外の経験が抑圧されることになり、
    発達が阻害される。幸福になりたがることは、愛する人が死んだ時に悲しみを避けたり、
    危機に直面した時に恐怖を避けたりすることにつながる。
    感情が自己に統合され自律的であれば、あらゆる感情を経験する事ができ、
    それらをどうするか決めることができる。


    自分を変えるものとしてテクニックを重んじる事は、内的ではなく外的なところに
    自分を変える原因の所在があると思っている事の現れ。
    その人達は自律的であるよりも統制されていることが
    意味のある個人的変化をもたらす手段になるという誤った信念をもっている。
    先ず、その人が変わりたいと深く望んでいなければならない。

  • 私たちが行動するときの要因を、「自律」と「統制」に分け、自律的な生き方の優位性を強調する。
    もっとも、自律的に行動することは大変困難だ。私たちは集団生活の中を生きており、その中には様々な規範があり、関係性があり、また金・地位・名声・娯楽といった誘惑がある。
    そのような環境下で、自律的に生きるために重要なのが、「自分の内的世界に関心を持つこと」である。そして、偽りのない自分として、選択し、目標を定め、物事を受容することである。
    真の自分として生きること。そのことが、自分自身にとって、ひいては周りの人にとっていかに幸福に繋がるかを実感する素晴らしい本である。

  • 内発的動機づけ、自律性、有能感、関係性への欲求、統制や報酬のデメリット、等々、自分自身について振り返ったり、あるいは、スポーツのチーム、職場、家庭でかかわった(かかわっている)選手、若人、子供のことを考えると、腑に落ちる。ただ、成果主義とか、公正な評価とか、そういうことが意識の上でも組織体制の上でも流行っている世の中や組織だと、なかなか受け入れられず、「きれいごと」に思われがちかな。人間の本質をついていると思うんだけど。しかも米国人がこういう本を書いているんだけどな。小生が世間知らずであまっちょろいだけなのか。

  • 最近読んだ100冊の中でトップレベルの良書。上司、親、そして先生と呼ばれる全ての職業の人に読んでほしい。

  • 素晴らしい一冊。

    部下や生徒、子どもなどの支援の対象者をどのように動機づけたらいいのか。このような問いのたて方では、この重要な問いに答えることはできない。正しい問いは「どのようにすれば他者が自らを動機づける条件を生み出せるか」と問わなければならない。

    内発的動機づけとは、その活動自体の楽しさ、魅力によって好奇心、集中力、意欲がかきたてられる状態を指す。
    デシは内発的動機づけのための3つの条件として、自律性、有能感、関係性(社会、他者との絆)の3つをあげている。金銭的な報酬は、その与え方によっては自律性の感覚をそこなう危険性がある。ただし、意欲やその活動自体の楽しさに対し悪影響を及ぼしかねないものとして、本書は単に金銭的な報酬のことだけを言っているのではない。

    金銭的な報酬のみでなく、「外的な報酬」をさらに拡大し、圧力、統制、賞賛、競争心、名誉などの危険性についても述べている。それらは自律性だけでなく、有能感もそこなう危険がある。それらにより人の内面にはこだわりが形成され、服従、反抗、内的圧力等を引き起こす。競争や賞賛によって強化された「随伴的な自尊感情」は、人間として健全な「真の自尊感情」とは異なる。「随伴的な自尊感情」は大きな代償を伴うという。

    また、社会規範等を含む価値観の内在化の二つの形態として「取り入れ」と「統合」をあげている。真に統合されたのではなく、「取り入れ」によってよく噛まずに飲み込まれたような場合には、その「取り入れ」られた価値観が内的圧力となり、自我関与を引き起こして「完全に機能する人間」「偽りのない真の自分」であることを妨げるという。

    内発的な動機づけをつきつめていくと、「完全に機能する人間」「機械ではなく能動的な生命体である人間」にたどりつく。「人が真にあるがままにいきることができ自分の可能性を開花させることができるようになれば人は偽りのない自分を生きることができる」

    真の自分自身、偽りのない自分自身であろうと求め尽くすこと、自分の可能性を完全に開花させること、それを内的圧力によってでなく、自分の内面をみつめ対話することで追求すること、幸福を求めるだけでなく様々な人間の感情を体験することが生きていることの本来の意味であるという見方。それらは仏教や禅の思想にも通じるものだと感じた。

    本書には、「上の地位にいる人が自分自身の自律性を支援されなければ、彼らの生徒や子どもや部下の自律性を効果的に支援できない」とある。わたしの仕事は、支援すること、ファシリテートすることである。その私自身は本当に自律的であるか?内発的に動機づけられているか?生命体として、人間として完全に機能しているか? そういう問いをもって読み始めた本だったが、まさに私の問いに対しての示唆やヒントが満載されていた。特に「取り入れ」、「自我関与」、「随伴的自尊感情」に関するところでは、読みながら何度もどきっとした。

    この本から派生して次に読みたい本として注文したのは「カールロジャーズ入門ー自分が自分になるということ」(諸富祥彦 コスモスライブラリー)   

    <トリガーワード>
    プレッシャー ストレス 統制 自律的
    反抗と服従は統制にたいする補償的反応
    偽りのない自分 内的プレッシャー 上下の関係
    正しい問いはどのように動機づけるかではなく、「どのようにすれば他者が自らを動機づける条件を生み出せるか」
    有能感 報酬 ソマパズル
    自分自身の行為の源泉 自己原因性 選択の機会
    報酬を与える人の態度 プレッシャーと統制 競争
    他者の自律性を支える
    活力 フロー 外的な統制との対極
    行動と結果を結びつける仕組み 有効な随伴性
    有能感 最適な挑戦 肯定的なフィードバック
    生命的な統合 絆 
    心理的に自由な完全に機能する人間
    取り入れと統合
    自律性への支援と自由放任
    自我関与 自尊感情 外発的意欲
    外発的価値の統合 自律性の支援
    許容範囲 報酬と表彰
    人間の自由とは真に自律的であることを意味する
    真の自由とは環境をかえることに前向きであることと環境に敬意を表すことのあいだにバランスを見いだすこと
    人間の自由の中心にあるものは選択するという経験である。

    <活性化質問>
    1)目標をもって達成にむけて努力することと内発的動機づけはどのように共存できるのか?
    2)私の中で自我関与が内発的動機づけを妨げていないか?
    3)完全に機能する人間、心理的に自由な人間になるためにはどうしたらいいか?
    4)内発的自己を探求するためにどうしたらいいか?

  • 動機づけの権威であるデシが書いた本。
    原題は、Why we do what we do. 
    タイトルからしてとても分かりやすい。なぜ我々はそれをやるのか。やりたいと思い、やるのか?
    「人が何かに動機づけられるとはどういうことなのかを、この本では考えてゆこう。そのとき、行動が自律的か、それとも他者によって統制されているかという区別が大変重要である。」
    について、例を挙げながらわかりやすく書いている。

  • 検証方法が非科学的でやや首をかしげてしまう箇所があるものの、繰り返し述べられる「内発的動機付け」「自律性の促進」の重要性は直感的に頷ける内容。
    特に「選択の余地を与える」「適切な目標セットと評価」などは、いわゆるマネジメント本で付け焼き刃的に触れられる章立てとは一線を画す。底には常に「内発と自律」が根を張っていて、人間の本然に根ざしていることからすっと腹に落ちる。訳者あとがきにもある通りこの辺りの弁証法はとても緻密だと感じた。

  • 本当に良い本に出会えた。過去のベスト3に入る。

  • 友人にオススメされたので読んでみました。外人の研究者の書いた本の割には読みやすかったです。
    とはいえ、やはりこの手の本には慣れていないので読み終えるのに時間が掛かりました・・・でもとても興味深い内容でした。

    ひとことで言うと、「外的な統制よりも内発的動機付けにより行動したほうが自律し、良い結果をもたらす」ということを繰り返し説いた本です。。
    ちなみに、
    外的な統制とは「服従」(そうしろと言われたから言われたことをする行動)と「反抗」(期待されていることと反対のことを、まさにその期待ゆえにするということ)
    内発的動機付けとは、「自ら学ぶ・やる意欲」
    そして自律とは「自分をコントロールすること」
    と置き換えるとわかりやすいかもしれません。

    アメと鞭的な報酬を餌として行動させた場合、または競争させた場合でも意欲は低下するとのことで(外的な統制)、それは意外でした。
    さらに賞賛も、真の自尊感情ではなく、人を賞賛に依存させるような統制的な精神力道過程が強まっていくそうで、よくないみたいです。
    また、プレッシャーを与えるのではなく励ます行為が自律性を支えること、行動を選択する機会が提供されれば内発的動機付けが高まること、これらはなんとなくわかってはいたけれどその重要性はないがしろにしていました。
    そして、内発的動機付けを高めるには選択し、自分自身で目標設定し、自ら自己評価の基準を定め、自己の成長をチェックしながら行動と結果を結びつけ、その方法に対して有能感を感じることが大切だそうです。なぜその目標にしたのかを深く考え、もし行動が変わればどのような恩恵を得るのかも想像するのがよく、ただし、行動を非難をする機会になってはいけません。

    また、人には6つの意欲があり、外発的意欲(金・名声・美貌)と内発的意欲(満足のいく個人的関係・個人的成長・社会への貢献)にわかれます。
    前者のいずれかが突出して高い時は、精神的にも健康的にも低い傾向にあります。
    逆に後者は、それ自体が本来的に満足をもたらすという点で、それが別の目的を達成するかどうかにかかわらず、人々に有意義な個人的満足感を与えることが出来るそうです。
    尚、一般的に外発的意欲に夢中になりがちな背景には、
    アメリカンドリームの考え方=個人主義。これを社会の価値であると宣言され、政治体制も経済政策も、この価値を支援するように発展してきたことがあるそうです。
    その考え方が世界中に輸出され、それが、その人の自己の希薄さにつながり、自分はどんな人物なのかではなく、自分は何を所有しているかに注意を向けてしまうようになってしまったようです。

    いろいろ勉強になりました。
    人を伸ばす力、というタイトルですが、自分を伸ばすのも自分です。自身の行動や、人との共同作業時に意識していきたいと思います。

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