子どもの養育に心理学がいえること―発達と家族環境

  • 新曜社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788507524

作品紹介・あらすじ

乳幼児は母親が育てなければダメなのか?少年犯罪の原因は家庭にあるのか?過去数十年間の研究の積み重ねの上にたって心理学がいえることは何か。両親、保育者、小児医療専門家、福祉関係者、行政担当者など、日々子どもをめぐる重要な決定をしなければならない人々のために。

感想・レビュー・書評

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  • 先日書店に行ったときに、タイトルと作者だけ見て、内容は確認せずに購入した。

    なんと大胆なタイトルだと思って、これは面白いに違いないと勝手に想像して購入したのである。

    予想通り、目次を眺めてみると非常に興味深いものだった。

    どうやらこの本は、20のトピックをとりあげ、それぞれのトピックに関する研究を数十年前から最近までの研究をレビューし、取り上げたトピックの科学的根拠はどうなっているのかを判断するための材料を提供する事を目的としているようである。

    これまた、トピックがとてもユニークで興味深いのである。社会一般的に取り上げられやすいテーマが中心となっており、例えば、「女性の方が男性よりも良い親になるか」や「子どもは新しい親に愛情関係を形成出来るか」、「血の絆はあるか」など、家族の絆に関する者や、現代的なトピック(例えば、「新しい生殖技術によって生まれた子どもは危険な状態にあるか」や「子どもには両性の親が必要か」、「母親は働きに出るべきか」、「集団昼間保育は子どもにとって有害か」などなど)が、真面目に科学的に取り組んでいるのが新しい。

    研究自体は古いものも多いが、似通った研究を複数レビューし、メタ・アナリシス的要素が強い文献なのかなと思った。

    翻訳書なので、多少読み辛いところがあるが、研究のまとめ方やレビューの仕方などは参考になるところが多い。

    また、トピックも20と多く、そのどれもが「家族」あるいは「親子関係」という単位での研究で共通している一方で、その領域は多岐にわたっているので、家族に関する近年の知見を得るには最適かもしれない。

    トピックの性質上、心理学を専門とする人間以外の専門家、例えば家庭裁判所や弁護士、検事等、家族事件に関わるような人たちの判断の根拠となる材料にもなるのだろう。

  • 子どもに関する支援をする人向け。心理学的根拠(エビデンス)満載

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