フーコー思想の考古学

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  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788511927

作品紹介・あらすじ

フーコー逝って既に25年、今なおその人気は衰える気配がありません。本書は、特にその初期──といっても最も輝いていた時期なのですが──の思想を中心に、彼の目ざしたものを探ります。取り上げるのは 『精神疾患とパーソナリティ』 『臨床医学の誕生』『狂気の歴史』 『知の考古学』 『言葉と物』などの代表作です。精神医学の研修医としてスタートしたフーコーがまず直面した「狂気」の問題から、アルトーなどの作品における「狂気と文学」の問題を経て、「考古学」「エピステーメー」などの魅力的な概念創出への道筋を明らかにし、最後は『言葉と物』とカント論を丁寧に読み解きます。「なるほどそうだったのか」と、フーコーの清新で雄大な意図が鮮やかに見えてくる力作です。

感想・レビュー・書評

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  • 『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』『知の考古学』『言葉と物』といった初期の著作を検討する論考。「狂気」の問題から「考古学」「エピステーメー」へ。概念を確認しつつ、その道筋を明らかにする。後半の『言葉と物』とカント論の詳細な分析が秀逸。

    著者は、中期を扱う『フーコー 生権力と統治性』(河出書房新社、2010)、晩期フーコーを主題とする『賢者と羊飼い——フーコーとパレーシア』(筑摩書房、2008)を上程している。本書がその完結編。著者の考察は、いうなれば、歩みを逆に辿るもの。三冊を合わせて読みたい。了。

    『フーコー 生権力と統治性』(河出書房新社、2010)、『賢者と羊飼い——フーコーとパレーシア』(筑摩書房、2008)は既読ですが、後日upします。

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著者プロフィール

中山 元(なかやま・げん)
1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。著書に『思考の用語辞典』などが、訳書にカント『純粋理性批判』、ハイデガー『存在と時間』などがある。

「2022年 『道徳および立法の諸原理序説 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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