方法としての心理学史―心理学を語り直す

  • 新曜社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788512290

作品紹介・あらすじ

◆心理学再発見!◆

えっ、心理学史? 特殊な専門家向けの本じゃないの? とんでもない。歴史書が面白いように、心理学史、つまり心理学の歴史も、じつに面白いのです。歴史は「事実の羅列」ではなく、「語り直される」ものである、というのが本書の主張です。近代心理学は、19世紀の末ころドイツのヴントによって成立したというのが常識になっていますが、何故この時期にこうしたことが起きたのでしょうか? 日本では、心理学ということばはいつどのようにはじまり定着したのでしょうか? 妖怪や千里眼も心理学で研究されていたのに、なぜ排除されたのでしょうか? 常に新しい問いを作り、歴史を編み直し、新しい知識を生産するための、ワクワクする心理学の一分野を紹介する意欲作です。

感想・レビュー・書評

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  • 心理学の歴史、とくにヴィルヘルム・ヴントを中心とする実験心理学の創設の意義について、わかりやすく解説している本です。また、近代以降の日本における心理学の受容史についても触れられています。

    カントは『自然科学の形而上学的原理』のなかで、人間の心理を記述する経験的心理学は数学による表現や実験による探究など、自然科学がそなえていなければならない特徴を欠いており、経験科学としての心理学は不可能だと主張しました。著者はこのカントのことばに注目し、ウェーバー、フェヒナー、ヴントといった心理学の創始者たちがカントの「不可能宣言」をどのように乗り越えていったのかを概観し、自然科学としての心理学が誕生した歴史的なプロセスを解き明かしています。

    さらに、西周、元良勇次郎、福来友吉といった、近代日本に心理学を導入した先駆者たちの業績の解説と、心理学史を学ぶためのガイダンスが置かれています。

    学説史というのは、どの分野でも少々とっつきにくいと感じるものですが、本書は非常にわかりやすく書かれており、おもしろく読むことができました。

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著者プロフィール

立命館大学総合心理学部総合心理学科教授

「2019年 『質的研究法マッピング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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