- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788514249
感想・レビュー・書評
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正確には「孤独が天才を伸ばすことがある」というところか。四分割表で考えれば「孤独でなかった天才」「孤独だが天才でなかったもの」を無視できまい。自分の研究、説に合致する例を持ってきた、ということを理解した上で、孤独も悪くないというお話として読める。
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社会の仕組みをかえた6人の天才の生き様を通して天才も生きづらさを抱えて生きた一人の人間であったという事実を教えられた。
自閉症やADHDだけでなく、生きづらさを抱えて生きている人が世の中にはたくさんいる。そんな一人ひとりの価値に気づいて、支援することで誰もが能力を開花することができる、秘めた能力を持っているんだ、という希望をわずかではあるが持つことができたような気がする。
人生に無駄なことはない。興味を持ったことを学び自分の頭で考え続けることで、自分の人生をより豊かなものにすることができる。著者の意図とは異なるかもしれないけど、天才たちの生き様を通してもう少し自分も自分を信じて生きてみようと思うことができた。 -
自閉症研究者が描く6人の天才(ダヴィンチ,ニュートン,エジソン,夏目漱石,アインシュタイン,ジョブズ)の簡単な伝記。天才に共通する部分。1.孤独な少年期,2.自閉症やADHDに近い特性,3.同化が調節より優位,4.学校教育と相性が悪い,5.支援者がいる,6.外側からの視点を持つ。パラダイムシフトを引き起こす創造的な仕事には孤独な時間を使った情報収集と思考の深化が必要。そこで得た創造的仕事を現実世界につなげるための支援者がいないと,パラダイムシフトに繋がらない。一般人でも創造的なアイディは頻発していると言われる。それを実行しない,し続けないからだと。天才は実行と継続をひたむきにした結果か。
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子供は初めて見る物や人が現れるとそれに向かう大人の態度を見て、それが警戒すべきものか、好ましいものかなどを判断する。(社会的参照)
一般的には外部世界を認識する(同化と調節)のに他人を利用するが、天才はもう一人の自分を作り思考を対決させて認識していく。
通常人はお互い共有世界で生活するが自閉症者は非共有世界で生きる。
夏目漱石の「文学論」は人間の心理をF(焦点的印象)とf(情緒)から成る。 -
天才と呼ばれる6人には、孤独な少年時代を過ごしたという共通した経験があったとことを軸に、天才となる条件を心理学から紐解いていく。
登場する天才たちは、
レオナルド・ダ・ヴィンチ
アイザック・ニュートン
夏目漱石
アルベルト・アインシュタイン
トーマス・アルヴァ・エジソン
スティーブ・ジョブズ
の6人。
自閉症やADHDなどを抱えていたからこそ、他の者たちとは別の見方をすることが出来たとする考えは、言われてみればそうなのかも、と思う。 -
ダヴィンチ、ニュートン、エジソン、漱石、アインシュタイン、ジョブズという6人の天才と呼ばれる人物を取り上げ、発達心理学の観点から天才というものを捉えた本書。
持って生まれた特質に加え、その才能を開花させるのに、雑音に惑わされず彼らの思考世界に存分に浸れる孤独と、その才能を感じとって力を貸してくれる支援者が不可欠だったという話。
発達心理学の視点はなかなか興味深かったが、最終章では、根拠が示されず著者の憶測で語られている部分も多く、少し興ざめしてしまった。 -
各天才の少年期はどのような人物だったのだろうか。そこには共通して孤独であったり、発達障害と思われる行動だったりする。興味深い。
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友人関係に悩む十代が読むとよさそう。
ただ周りから浮いてることが天才とは限らないけど。
人様に役立つことを何か残せなきゃ単なる変人だ。 -
孤独について思いを馳せるきっかけになった。
昔持っていた自分だけの世界が思い出され、すこし寂しい思いがした。
最終章の『天才と現代の教育』についての記述が的を得ていて気持ちよかった。同時に、自分が勉強している中で感じる息苦しさを説明しているような内容が多くあり、叫びたい内容が満載だった。
読み終わって、むりやり現実に合わせている息苦しさを思い出して、気分が悪くなった。久しぶりにコアに響く内容だった。