誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788514348

感想・レビュー・書評

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  • 扱うテーマはまず、デザインそのものについて。良いデザイン、悪いデザインについて説かれる。

    「アフォーダンス、シグニファイア、制約、対応づけ、フィードバック」のテクニックを概念を利用して、発見可能性を高めてやる。

    良いデザインとは人間のためのデザイン。そのために本書は人間の性質について論じる。記憶、得手不得手、取り巻く環境など。

    それから、実際にデザインプロセスについても書かれる。開発・製造の現場では、デザイナは様々なステークホルダーと協業することになる。 その中での立ち居振る舞いについて書かれているのは、実際的で良かった。

    また、自分が日頃接しているものについて、改めてそのあるべき姿が言語化されているのも面白い。 「リマンイダー」はシグナルとメッセージの2つの性質を持つ、など。

    事前に予測してはいたが、概念的な本だった。具体的なデザインのテクニックもさることながら、理論的な部分もあり、面白く読んだ。

    学習的な面だけではなく、読み物としても面白い。デザイナはもちろんのこと、他業種の人間が読んでも学びのある1冊だと思う。

    (書評ブログもよろしくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E8%89%AF%E3%81%84%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AF%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3_%E8%AA%B0%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE

  • この扉は押すのか引くのか。それともスライド式か。
    それがわからないのは自分のせい?いやデザインが悪い。
    椅子があったとすると、座ることもできるし椅子の上で作業することもできるだろう。これがアフォーダンスである…。
    アフォーダンス、シグニファイア、概念モデルなど、専門用語が多く並ぶが、今まで見てきたもの、これから見るものに、何のためにデザインされたのか、という視点を意識するようになるだろう。
    自分だったらどうする、とか、逆に、なるほどこのためにあったのかなど、日常生活でも使える場面は多い。
    本は少し厚めだが、サラサラ読むことができるのでお薦めです。そしてデザイナーならば是非読むべき古典だろう。

  • 借りたもの。
    認知科学の視点から、人間中心のデザイン――使う人にとって使いやすいか、わかりやすいか――を提唱した一冊。
    つかう人間のため、使い勝手の良い――間違いを減せる――とはどうゆうものか?
    そのための具体例を沢山挙げ、可能な物には写真も掲載されている。

    この本は改訂版。以前出した本から20年以上経ち、ツールや技術的も変化した時代に合わせ、具体例を変更したとのこと。(1970~80年代ごろのシャープのそろばん付き電卓の写真に、思わず失笑)
    また、当初提唱したアフォーダンス(「環境や物は元から様々な使い方をアフォード(提供)しており、人や動物はその使い方をピックアップ(受取る)する」ことを指す。本来ジェームス・J・ギブソンが提唱したものとは違うため批判もあった模様)が誤った認識で広まり、より正しく理解してもらうために別の用語・シグニファイア(「人が簡単に使えたり誤った使い方をしないようにデザイン」)を提唱している。

    電池の+-の違いがあることも、不便なデザインであると言う。「入れる向きをいちいち確認しなければならないから」という行に目から鱗だった!考えてみれば、それは視覚障害者にも手間になる(凸凹を触って確認し、入れる場所でも向きを触って確認しなければならない)。

    ヒューマン・エラーが個人の問題ではなく、複雑なデザインによって引き起こされることを指摘。
    例として、」スリーマイル島原子力発電所事故の事故調査に招聘され、事故原因が複雑なコントロールパネルや警報装置・警告灯の多さになるということに気づいたとの事。

    より複雑化する中で、人がその複雑さに煩わされてはダメで、洗練されすぎても一見して使い方が分からなければ元も子もない。(ドアを例に挙げ、それが引き戸(左右)なのか開き戸(押すか引くか)かが分からない話など)

    では何故、ミスは起きるのか?
    それも分類され、エラーには「スリップ」と「ミステーク」の二種類があり、
    「スリップ」には行動ベースと記憶ラプス(物忘れ)、「ミステーク」にはルールベース、知識ベース、記憶ラプスがある。
    それらが認知行動の処理のどこで影響を与え、もたらされるかを図説していて興味深い。
    科学者の視点らしく。

    また、新しい製品やシステムの普及には、失敗も多く、時に数十年~数世紀くらいの時間を要することも言及。
    それらを踏まえた上で「良いデザイン」を提唱できるか……
    イノベーションについて叫ばれる昨今、学びが多い一冊。

    著者のD.A.ノーマン氏はAppleフェロー(特別研究員)だった!
    iPhoneが発売された当初、その洗練され機能を極限まで減らしたデザインが素晴らしいともてはやされた。
    日本ではその原点にジョブズが禅の思想に影響されていた事がよく強調されていたが、この本から、別の視点からも模索され到達していたことがうかがえる。

    製品だけでなくシステムなど「デザイン」はどこにでも存在する。製品開発が主な話だが、非常に応用がきく話だと思った。

  • 改訂版まえがきで「ユーザエクスペリエンスが大事になった」と言いつつ本文で論じてない件

  • 読了。色んな人がおすすめしてるだけあってめちゃ良書だった!
    『ヒューマンエラー?いやデザインが悪い』の章はデザインだけじゃなくエラーが起こる原因と根本的に解消されない理由の解説めちゃ頷けた。
    脳死でケアレスミスでつぎ気をつけますで終わらせいない設計大事。

  • ミスはミスした人が悪いのか?
    デザインが良くなかったせいかもしれない。
    デザイナーだけじゃなく、あらゆる職種が読めば、もっと生きやすい世界になりそう

  • モノづくりの「デザイン」において、尊敬する先輩の人生を変えた書だと聞いて読了。

    ・頭の中の知識、外界にある知識によってデザイン異なる
    ・文化やこれまでの経験により最適なデザインは変わる
    ・ヒトのせいではない、デザインが悪い
    ・問題と解法の2段階のデザインプロセス、ダブルダイヤモンド

    など、また詳しく読んで参考にしたい知識がかなり多かった。今後の自分のモノづくりに大きな影響を与えそう。良い体験でした!

  • デザイン初学者なので、専門用語が多くて直ぐには理解できなかった。気になった単語を画像検索したり、いったりきたり教科書のように読み進めた。アフォーダンス、シグニファイア、人間中心のデザインに起こる相互関係を細かく言語化し、記述してある。目の前の問題だけではなく、さらに深く根源的な問題解決までも追求するのが良いデザイナー。もう少しデザインを自分で表現できるようになったら、もう一度読みたい。

  • 人間中心デザイン テクノロジーと心理学の理解

    7つの原理
    1.発見可能性
     どういう行動が可能か?見つけ出せるか?
    2.アフォーダンス
     モノとヒトとの関係性
    3.シグニファイア
     どこでそれが行われるか 知覚可能な標識、シグナル
    4.マッピング
     操作と動作の対応付け
    5.フィードバック
     操作のへの反応
    6.概念モデル
     動作概念と操作概念の一致(バイクの方向指示器向き
    7.制約
     行為を導く

    短期記憶の容量(5~7)に頼らないデザイン
     別の感覚モダリティで提示する

    見たことがないものの扱い
     外界の知識と頭の中の知識を結びつける

    パニックバー 本能
     人は出るときに本能的にドアを押す
     クルマの外のドアに対し、内側のドア?

    強制選択
     インターロック、ロックイン、ロックアウト

    標準化=あきらめ
     すべてがうまくいかないときは
     すべてを同じにデザインして、学習してもらう

    Skeuomorphic スキュオモーフィック
     古いアイデアを機能的に役割を果たさなくても取り入れる
     電気自動車の走行音

    ヒューマンエラー
     スリップ  意図と異なる別のことをしてしまうこと
        対策:知覚フィードバック
     ミステーク ゴールやプランの間違い

    起こった後では、予測可能と見える
     制約でポカヨケ、UNDO
     原因は一つではない

    デザイン志向
    ダブルダイヤモンド デザインプロセス モデル
     問題を見つける 発散→収束
     解決を見つける 発散→収束

    マーケティングとデザインリサーチ
     本来望むことと、実際の行動=ビッグデータは一致しない
     要求を正しいものにする →調査とテストの反復
     活動中心デザイン タスクは低位の活動
     全部門の代表をデザインプロセスの全てに参加させる

    急進的イノベーション
     パラダイムを変える
     意味のない圧力からの解放、意義深いことへ集中

     人は自分たちのやり方を変えるのに抵抗する 

  • 昨今、書店では「デザイン思考」を扱ったビジネス書が目につくようになりましたが、私は「デザイン」という言葉に対して「感覚的」「センス重視」のようなイメージを抱いていたため、殆ど手に取ることはありませんでした。
    本書は、私のそのような偏見を覆した上で、
    「デザイン思考」というものがセンス云々とは関係がなく体系的に学びとれる分野であり、
    かつ、学問的にも実践的にも極めて役立つ知識である事を強く認識させてくれる良著でした。
    特に「ヒューマンエラー」を個人の責任に帰するのではなく、その根本原因を解析して間違いが起こる元となる本質的な課題を突き止め、解決するという考え方を読んで自分の視野が広がった気がしました。
    社会人ならば誰もが読んで損のない本だと思われます。

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