性格はどのようにして決まるのか: 遺伝子、環境、エピジェネティックス

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788514362

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  • 2016年1月新着

  • 性格はどのようにして決まるのか 土屋廣幸著
    2015/9/20 3:30 朝刊
     人の性格は遺伝だけで決まるわけではなく、生まれ育った環境に大きく左右される。脳の神経伝達物質やホルモンなどは遺伝子に支配されるが、それらの遺伝子の働きは環境との相互作用で決まるという考え方が有力だ。著者は多くの赤ちゃんを診察してきた小児科医で、生後2日目から性格の違いの芽生えが見られるという。最近の医学的知見をわかりやすく解説しながら幼児教育の重要性を説いている。(新曜社・2100円)

    医学分野の専門用語が頻出するが、「この章のまとめ」を読むだけでもポイントがつかめ、素人でもついていける。この本の醍醐味は7章 「性格をめぐるさまざまな話題 (3)教育の役割」。専門用語を使っていないので、子育て中の親は是非読んでほしい。

    p85 エピジェネチックス;遺伝子の発現が環境の影響で変化する仕組み。例えば、幼少時に母親の養育を受けなかったネズミは、成長後も子供を養育しない。養育しない行動傾向は遺伝的に次世代へ引き継がれる。
    p133 人になつくキツネを20世代交配すると3分の1がひとに馴化した。キツネの馴化に関わる遺伝子領域は今後明らかになっていくと思われる。
    哺乳類では、その動物が住む環境が充実していれば、学習や記憶の促進、大脳皮質の厚みが増したり、海馬の神経細胞の新生を起こす。
    不安の減少、薬物依存症の減少、ステレオタイプな(紋切り型の)行動の減少。
    性格あるいは行動特性の決定は生まれと育ちの相互作用。

    p167 運動は脳の可塑性を高める。毎日運動を1時間以上する年配者は、しない人に比べて人知能の低下が見られる割合は4分の1である。
    p154 アメリカ小児学会 読み書きのすすめ 幼稚園入園までに行うこと。
    ⑴親子関係を強め、子供が言語を学び、読みの能力を身につける準備ができるように、すべての親に子供と一緒に大きな声で読むように助言する。
    ⑵子供にとっても親にとっても成長の時期に応じた楽しい読書体験について、親へのカウンセリングを行うとともに、本や絵画などをできるだけ体験させる。
    ⑶すべてのハイリスクあるいは低所得の家庭の子供に対して、健康診断の際に子供の発達に応じた本を準備する。
    ⑷これらの目標達成を図るためにさまざまな選択肢を準備する。
    ⑸早期の読書体験を推進するために全国的な行動に、子供達のための他の団体と協力して取り組む。
    ▼早期教育のための5つのR
    ⑴Reading 毎日の楽しみとしてのおやこ読書。
    ⑵Rhyming 毎日いっしょに、ことばの韻をとったり(long,song)、遊んだり、話したり、歌ったり、抱きしめあったりすること。
    ⑶Routines 食事や遊びや睡眠時間は毎日決まった時間に取ること。そうすることによって子どもは何をしたらいいかが分かります。
    ⑷Rewards 毎日の成功をほめてあげること。例えばお手伝いのような有意義な目標に向かっての努力をほめてあげるなど。子どもの一番身近な人からの称賛は非常に効果的な報酬です。
    ⑸Relationships 相互的な教育的な目的を持った永続的な関係性は健康な幼若な脳と子どもの発達の基本です。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:141.9||T
    資料ID:95150530

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