自閉症と感覚過敏―特有な世界はなぜ生まれ、どう支援すべきか?

熊谷高幸

• 新曜社 (2017年1月25日発売)

作品紹介・あらすじ

◆自閉症の新たな理解のために
　ドナ・ウィリアムズ、東田直樹……自らの困難を内面から詳しく語れる自閉症者が増え、「感覚過敏」という症状がよく知られるようになりました。これら当事者の語りから学び、かつ語ることのできない多くの自閉症者の症状を集めて分析した著者は、感覚過敏はたんなる症状のひとつではなく、それこそが自閉症の発生源ではないのか、という仮説に至ります。男性脳や現代の生育環境といった要因との関係にもふれながら、その思考と検証の過程を紹介、当事者の感じ方に配慮した支援のあり方を探ります。自閉症理解に一石を投じる書！

感想・レビュー・書評

[もいちさんの感想 · 2022年8月31日]

自閉症の中核症状のおまけのように考えていた感覚過敏が、実はさまざまな症状の根底にある、という考え方には頷けることも多かったし、示唆に富むものだと思う。
作者の方は論文化は難しいとしているが、仮説が実証される、エビデンスになる、というのもとても大切なことだと思う。今後のこの領域の研究に期待したい。

[おでんさんの感想 · 2022年8月7日]

自閉症スペクトラムについての知見、診断基準の中で著者が着目している点を基準に見ていくという内容で、なるほどと思う部分が多くあった。全体的に読みやすい内容。そこまで具体的な支援法は載ってなかったが、参考になる。

[pico85さんの感想 · 2021年5月14日]

第3部　支援の考え方　については頷ける部分が多く参考にもなったが、疑問に思う点が多い本だった
サヴァン症候群のことを強調する書き方も気になった

[摂南大学図書館枚方分館さんの感想 · 2019年3月1日]

配置場所：摂枚普通図書
請求記号：378||K
資料ID：95170735

[小鳥遊小鳥さんの感想 · 2017年12月6日]

どちらかといえば所謂「3つ組」の症状の＋1扱いにされがちな「感覚過敏」を自閉症スペクトラムの中核症状と位置付けて書かれた1冊。

視点が斬新で面白い、そこは高評価。
ただし当事者が読んで参考にするという感じではありませんね（多分、そもそもの想定読者層が自閉症スペクトラムの当事者ではなく支援者・医療者だろうと思われるのでこの点は致し方なし）。

[一橋大学附属図書館さんの感想 · 2017年11月16日]

https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001111532/?lang=0

[塩川宏郷さんの感想 · 2017年4月19日]

残念ながら期待したレベルの本ではなかった。よくまとまっているとは思うがそれだけだ。自閉症の支援に実際に携わっている者にとっては当たり前のことわかりきったことだけがだらだらと書かれているだけだった。

著者プロフィール

福井大学名誉教授

「2023年 『「英語脳」 vs.「日本語脳」』 で使われていた紹介文から引用しています。」