改訂新版 ロボットは東大に入れるか (よりみちパン! セ)

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  • 新曜社
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本棚登録 : 69
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788515635

作品紹介・あらすじ

シンギュラリティ? それ、本当ですか?

ロボット/人工頭脳の飛躍的進化・深化とその最前線は、人間にどのような変
革を迫るか?「天声人語」ほかで紹介され、すでにMARCH合格レベルにあ
る人工知能「東ロボ」くんのその後のすべて。人間vsAIの現在と未来を詳しく、
やさしく語りベストセラーとなるも、現在入手困難となった幻の書籍の改訂増
補版を、満を持してお届けします。ベネッセ模試、代ゼミの「東大プレ」にお
ける成績の最新データから、AIの最新技術とその得意不得意も明らかに。そし
て、果たして私たち人間の能力とは?

感想・レビュー・書評

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  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=331618

  • 人工知能の現在を前振りとしてざっくり解説してくれた後、現在の東ロボくんの状況を解説してくれる。代ゼミの東大入試模試やベネッセの模試の結果を踏まえて、東ロボ君がどんな科目が得意でどんな種目が不得意かを解説してくれる。
    この本の本筋とは、ズレるかもしれないが、人工知能一般の話の、Amazonの絶え間のない改善の取り組みには驚かされる。

  • ロボットがこれからの人間社会にどんなインパクトを与えるのか。救世主になるのか奴隷の主人になるのか。何ができて何ができないのか、その現在地と近い将来の到達点は。それを漠然と浅い知識やつまみ食いした成功事例から語るのではなく、大学入試問題を解くという枠組みから考察する。

    新井さんのいいところ、それは根源的なところから出発するところ。本書も「計算とは何か」「わかるとは何か」について考え直すよう促してくる。

    チューリングの計算の定義。
    (1)有限の知識
    (2)特定の条件の下における特定の手続き
    (3)同様に繰り返す
    この(3)の重要性に最初に気がついたのはパスカル。
    理性(推理reason)とは(1)(2)(3)であると主張したホッブス。
    理性(言語、それを使う知性)は人間にしかないと主張したデカルト。
    チェスや将棋で人間より強いこと。クイズで人間より強いこと。一定の不自然さはあるものの翻訳できること。それは知性なのか。
    著者の答えは「統計的にあたりっぽい答えを返しているだけで、理解して答えているわけではない。」

    これは新井さんがコンピュータの専門家ではなく数学者であることと関わっているのかもしれない。

    本書で示される取り組みは大雑把に言えばAI=機械学習なので、「(理解してはいないが)大量の学習データから導き出したパターンと統計的に近いものが正解だ」というアプローチで得点を高めていく。
    その道のりは読んでいて涙というか、脳に汗をかく感じ。そもそも人間はなんて曖昧な指示で理解していることか。問題文が何を求めているのか、膨大な書かれていない前提がないと理解できない、という地点からスタートする。
    そして、結構いい得点が取れるようになったところで新井さんは気づく。「これほどまでに何も理解していないコンピュータがこれほどまでに高い偏差値をとるということは、いかに多くの人間がコンピュータ以下の理解しかできていないのか」に。
    この結末は事前に別のテキストで読んでいて知っていたのだけれど、途中の苦労を読んでいると新井さんの絶望が一層際立つ。

  • あらためて読み直してみた。
    AIというものをしっかりと見直す大きなきっかけとなった。
    本質を見失わず、雑音に惑わされることなく、しっかりと考えなければならないことを再認識した。
    誤解や誇張がどこから生まれるのかも、少し垣間見れた気もする。
    サイエンスアプローチとエンジニアリングアプローチ、外から見ると違いが分かりにくい面もあるが、全く違うのだということ。
    統計や確率というものへの視点・観点も大きく変わった。

  • <目次>
    まえがき
    第1章  <東ロボくん>と人工知能の現在
    第2章  「東大」への大いなる一歩
    第3章  <東ロボくん>の将来/私たちの将来

    <内容>
    『AIvs教科書の読めない子供たち』の新井紀子さんの「東ロボくん」プロジェクトの経緯を綴った本(改訂新版)。ここでは各教科の攻略のために担当者が何を意識したかや「東ロボくん」の意図などが丁寧に書かれている。またこのプロジェクトの中から,「人工知能」ができることを考えたときに、それすらできない子供たちの将来に危機感を感じて、あの本が書かれたことがわかる。特に最後の方に書かれていた「なんかめんどくさい、無理」というセリフを吐く生徒(私の周りにもたくさんいます)こそが、「人工知能」に職を取られてしまう人になる、という話が信憑性がある。数年前に卒業させた生徒に贈った言葉が「めんどくさいと言うな、めんどくさいことをやれ!」でした。まさにそういうことだったんですね…

  • <よりみちパン!セ>復活第一弾のひとつとしてでた改訂新版。途中経過だった東ロボくんプロジェクトが一区切りついての報告や、東ロボくんの各教科模試の解答分析パートを大幅に加筆している。

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著者プロフィール

新井 紀子(あらい のりこ)
1962年、東京都小平市生まれの研究者。国立情報学研究所社会共有知研究センター長・教授。専門は数理論理学、遠隔教育。東京都立国立高等学校、一橋大学法学部を経てイリノイ大学数学科に留学し、同大学数学科大学院修士課程に進学。1990年に修士号を取得。帰国後の1994年に一橋大学法学部を卒業、専業主婦を経て広島市立大学情報科学部助手に着任。1997年東京工業大学博士。2006年から国立情報学研究所教授。
代表作に『AI vs.教科書が読めない子どもたち』。同作で2018年日本エッセイスト・クラブ賞、山本七平賞を受賞している。

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