「国語」から旅立って (よりみちパン! セ)

著者 :
  • 新曜社
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本棚登録 : 39
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788516113

作品紹介・あらすじ

母国語とアイデンティティ、歴史と境界線。芥川賞候補、日本エッセイストクラブ賞受賞の台湾生まれで「中国語がへたくそ」な日本語作家のライフワークを、今この国に生きる若い人たちに。「日本語は日本人のためだけのものじゃない」。

感想・レビュー・書評

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  • 台湾人の両親とともに幼少期に日本に移り住んで、日本語で育った著者の半生をたどりながら、日本語を覚え始めたときのよろこび、中国語をとりもどそうと決意したきっかけ、外国語として中国語を学ぶ複雑な気持ち、そして大学院生になって自身と近い境遇にあって日本語で書く作家に出会い自分も作家になると決意をするまで、ふたつの「母国」の間でどちらに対しても自分の国と言い切れない苦悩と葛藤、体験した悲喜こもごもの気持ちをていねいに描写して、読む者にも追体験させてくれる。そして、専門的な言葉はまったく使わずに、「国語」「母語」「母国語」とはなにか、「バイリンガル」に育たなければ失敗か、など、いわゆる普通の日本人であっても国際化がすすむこれからの世界では通らずにはいられない問題についても考えさせてくれる。

    日本育ちの外国人、外国ルーツを持つ日本人による発信もだいぶふえてきているけれど、日本で育つなかでの違和感や疎外感のようなことは大きいところでは共通していても、男女や環境、持ち前の性格による違いはもちろん、たとえば見ためからはっきりちがうアフリカ系の星野ルネと名前を言わなきゃ気づかれないアジア系の温又柔ではまったく違う。いろいろな人による発信に接してさまざまなケース情報を知ることが真の異文化理解、多文化共生への道だな、と改めて思った。

    中3次女が机の上においてあったのをぱらぱらっと拾い読みして、ちょっとおもしろい、という感想なので、ぜひ全体を読んでみてもらいたいし、こういうことに興味を持ってくれるのは頼もしくてうれしい。

  • 「国語」から旅立って―自分の言葉で生きること 温 又柔 氏(作家)
    総合教育研究部外国語第二部門主催 公開講演会 | イベント | 駒澤大学
    https://www.komazawa-u.ac.jp/event/2019/0507-7851.html

    新曜社のPR(版元ドットコム)
    母国語とアイデンティティ、歴史と境界線。芥川賞候補、日本エッセイストクラブ賞受賞の台湾生まれで「中国語がへたくそ」な日本語作家のライフワークを、今この国に生きる若い人たちに。「日本語は日本人のためだけのものじゃない」。
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784788516113

    「国語」から旅立って | 温又柔さん | 株式会社新曜社
    https://www.shin-yo-sha.co.jp/yorimichipensees/

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著者プロフィール

温 又柔(おん ゆうじゅう)
1980年台北市生まれ、台湾籍の小説家。台湾人の両親のもとで生まれ、3歳から親の仕事の関係で日本に住まう。法政大学国際文化学部卒業、同大学院国際文化専攻修士課程修了。
2009年「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作となり、作家デビュー。2016年『台湾生まれ 日本語育ち』で第64回日本エッセイストクラブ賞受賞。2017年『真ん中の子どもたち』で第157回芥川龍之介賞候補。2018年、新刊『空港時光』を発行。

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