音楽化社会の現在―統計データで読むポピュラー音楽

制作 : 南田勝也  木島由晶  永井純一  小川博司 
  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788516212

作品紹介・あらすじ

CDの売上げ低迷や音楽雑誌の廃刊などを見れば、だれしも音楽文化は衰退していると思うだろう。しかし統計データによると、「音楽はこんなにも人気があったのか」と驚かされる。若者の音楽文化受容の実相を統計データから「正確に」読み解いた一冊。
*「音楽の終焉」や「若者の音楽離れ」などの論調ばかりが喧伝されるが、その実態は?
*統計的手法の正しい使い方による学問の面白さを、具体的に例示する

感想・レビュー・書評

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  •  2019年刊。
     例えばCDが売れなくなり音楽を積極的に聴く人が減ったのか? というような点を、実際の統計データにより綿密に分析し、考察してゆくという、非常にまっとうな社会学的な本。
     なるほどそうなのか、と感心させられる点が多く、興味深かった。
     ただし、あとがきに「出版までに長い年月がかかってしまった」と書いてあるように、分析対象となる統計データの最新のものは「2012年」のものであり、出版当時から見ると「少し前のデータと状況」であった。本書を読んだ今から見ればもはや10年以上前のデータなのである。
     ときの統計データを活用した本というものは、このようにただちに古びてしまうという弱点を背負わざるを得ないのだろう。
     2012年からの国内の音楽リスニング状況がどのくらい変わったのか、自分で調べるのはなかなか大変そうだ。

  • 編著者:南田勝也
    編著者:木島由晶
    編著者:永井純一
    編著者:小川博司
    著者:溝尻真也
    著者:小川豊武
    装幀:虎尾 隆
    定価:2,750円(本体2,500円+税)
    出版年月日:2019/04/15
    ISBN:9784788516212
    版型:A5 202ページ  

    CDの売上げ低迷や音楽雑誌の廃刊などを見れば、だれしも音楽文化は衰退していると思うだろう。しかし統計データによると、「音楽はこんなにも人気があったのか」と驚かされる。若者の音楽文化受容の実相を統計データから「正確に」読み解いた一冊。

    *「音楽の終焉」や「若者の音楽離れ」などの論調ばかりが喧伝されるが、その実態は?
    *統計的手法の正しい使い方による学問の面白さを、具体的に例示する
    https://www.shin-yo-sha.co.jp/smp/book/b455382.html


    【目次】
    はじめに [003-007]
      「音を楽しむ」ものとしての音楽
      音楽による情動のマネジメント
      音楽のリズム・ノリに惹かれる若者
    目次 [009-011]


    ◆第1部 基礎編◆
    第1章 Culture:現代文化のなかの音楽 
    1 現代社会と音楽 014
    2 若者研究と音楽 018
    3 社会調査と音楽 022


    第2章 Life:現代人の音楽への接し方
      1 何が衰退したのか 029
      2 音楽離れの真相 032
      3 2012年に音楽を聴くということ 040
      4 フリーミアムと流動性 046


    第3章 Taste:現代人の音楽の好み
      1 ジャンルをどう捉えるか 048
      2 音楽の側面から見るジャンルの選好 051
      3 フェイス項目とジャンルの選好 058
      4 「好きな音楽家」から見る傾向 061


    ◆第2部 応用編◆

    第4章 Gender:アーティストとファンの男女差
      1 音楽とジェンダーの関係 070
      2 ジェンダー化された「うた」の世界 071
      3 アーティストの性別とファンの性別 076
      4 音楽への接し方の男女差 083
      5 オルタナティヴなファンとしての女性 087


    第5章 Communication:音楽を介した友人関係
      1 みんなで聴くかひとりで聴くか 089
      2 増えすぎた友人たち 092
      3 出会いとしての音楽 096
      4 音楽を介したコミュニケーション 104


    第6章 Identity:世代とアイデンティティ
      1 世代の支持する音楽ジャンル 109
      2 音楽をもっとも好きだった年代 112
      3 若き日の音楽へのプライド 116
      4 音楽の優越意識を規定するもの 119


    第7章 Media:音質へのこだわりとその行方
      1 音質へのこだわりが消費された時代 126
      2 縮小するオーディオ市場と音楽再生環境の変化 130
      3 音質へのこだわりをめぐる分析 134
      4 音質優先層のこれから 142


    第8章 Consumption:音楽聴取の雑食性
      1 雑食性の時代 145
      2 雑食性のタイプ 148
      3 雑食性の違い 154
      4 雑食性のゆくえ 161


    第9章 Locality:若者の音楽聴取スタイルの地域差
      1 地方の若者の「音楽好き」 165
      2 若者の音楽文化の地域差に着目した研究 167
      3 本章の分析データの概要 167
      4 分析―都市度と音楽聴取スタイル 170
      5 音楽聴取スタイルの地域性と時代性 181


    参考文献 [184-190]
    あとがき(2019年4月 南田勝也) [191-192]
    人名索引 [193-194]
    事項索引 [195-190]
    編著者紹介 [200]

  • ◆7/17オンライン企画「わたしの”好き”を見つける」で紹介されています。
    https://www.youtube.com/watch?v=roZ2LviU1jQ
    本の詳細
    https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455382.html

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著者プロフィール

社会学者として、ポピュラー文化研究、情報メディア論、都市文化論、社会調査、現代若者論などを手がける。現在、武蔵大学社会学部メディア社会学科教授。著書に『オルタナティブロックの社会学』(2014、花伝社)、『ロックミュージックの社会学』(2001、青弓社)、共編著に『文化社会学の視座』(2008、ミネルヴァ書房)、『デジタルメディアの社会学』(2011、北樹出版)ほかがある。1967年、兵庫県生まれ。千葉大学文学部卒業、関西大学大学院社会学研究科博士課程修了・博士(社会学)。

「2020年 『〈music is music〉レクチャー・シリーズ ポップ・ミュージックを語る10の視点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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