感覚が生物を進化させた 探索の階層進化でみる生物史

  • 新曜社 (2021年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784788517301

作品紹介・あらすじ

ダーウィニズムの言うように、進化は遺伝子の突然変異に始まり、生物は受動的に環境から選別されるだけの存在なのだろうか。21世紀生物学の知見を踏まえ、生物の感覚や主体性も生命の階層進化に関わっていることを、様々な事例で生物の歴史からたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 978-4-7885-1730-1  C1045  ¥2500E (定価2500円+税)
    感覚が生物を進化させた
    探索の階層進化で見る生物史

    初版第1刷発行 2021年7月10日
    著者:実重重実(さねしげ しげざね)
    発行所:株式会社新曜社

    ----------------
    生物進化全般について書かれている本です。
    この著者さんの本はこれで二冊目。
     ※目次はメモへ ワードノートあり

    回りくどく感じる部分もありますが、言葉がきれいだな~って思いながら読みました。
    本文中に「!」は1回だけ使われており「?」はありませんでした。
    昨今 目次にさえ ! ‼ ってのが多用されて、日本語の語彙のなさを勢いだけで伝えようとする、読んでいてつばが飛んできそうなものが多い中、きれいな日本語を使って書かれた(いくつか難しい語彙はありましたけど)文章でした。
    内容的には私にとって難しすぎる処もありましたが、寛容な人柄が伺える文で読んでいて染みる本でした。

    文学作品ではないのですが、テーマに対して子どもの頃の思い出話などが導入部分にあり、身近に感じました。研修室の中だけの話ではないのでとっつきやすいです。
    (研究室の中でジタバタとしつつ奮闘している話は、バッタの先生で、それはそれで、笑いつつ、知らない世界を教えてもらいました)

    内容については進化の過程は今現在こういうところまで分かっています。っていう話なんだと思って読んでいました。

    個人的には、興味のなかった恐竜でしたが、翼竜ってものに興味を持ちました。
    ジャイアントケルプ の大きさ。
    「こどものとも」という子ども向けの月刊雑誌で「ケイソウ」を取り扱った号がありましたが、こういうものか~と思ったり。
    何といっても昆虫がこんな順番で発生していたとは驚きです。
    手(前肢)が羽根になったわけではなく、あの羽根がどうやって発生したのか全く想像がつきませんでした。

    脳のあるもの、無いもの。
    見え方の違い。
    アゴや歯の有難さ、考えたこともなかった。

    もう少し知りたかったのは 貝類とタコイカの頭足類についてです。

    貝類はなぜ巻貝・二枚貝こんなに姿が違うのか‥。(中身ではなく殻が)
    他にも中身が同じ貝類で貝類なんだけど、巻貝でも二枚貝でもないものが何種類かいて、生活環境の違いといえばそれっきりですけど。

    タコイカは昆虫と同じでやっぱり必要があってあの姿なんでしょうけど、イカはダイオウイカのように大きくなる種もいますが、タコが大きくならないのはなぜなんでしょう?骨がないからかなぁ…。まだ遭遇していないだけでしょうか? 形はよく似ている気がするので、共通祖先はいそうですが、どんな生き物だったのだろう。

    遺伝子解析の話では、メチル化の部分は早生の種のお米はこれか?などと想像して読めました。
    サワガニバトルの話では、俊足だったアメリカザリガニのことを思い出したりしてました。

    あとがきにあった言葉で、
    「山川草木悉皆成仏」  初めて知りましたが、おおらかで、心地のいい言葉だなぁと印象的でした。

    生きとし生けるものに共感を抱き、尊重するという思想 日本古来からある思想で日本独自に想像された思想 (仏教などではなく)


    読んでよかった一冊です。

  • 作品紹介・あらすじ

    ダーウィニズムの言うように、進化は遺伝子の突然変異に始まり、生物は受動的に環境から選別されるだけの存在なのだろうか。21世紀生物学の知見を踏まえ、生物の感覚や主体性も生命の階層進化に関わっていることを、様々な事例で生物の歴史からたどる。

    *****

    前著「生物に世界はどう見えるかー感覚と意識の階層進化」がとても面白かったので、本作も手に取った。期待にたがわず面白い内容だった。前著同様に読みやすく(これとても大切だと思う)専門用語が出てきても振り落とされるようなことはなかった。まあちょっと「おっと危ない」としがみ付いた場面もあったけれど。
    それにしても生物学(って呼称でいいのかな)は面白い。僕は生まれ変われるとしたらザ・ビートルズかロジャー・フェデラーかアインシュタインになりたいと思っていたけれど、「生物学者も面白そうだな」と生まれ変わりリストに追加することになった。そういう気持ちにさせてくれる1冊。

  • そろそろ人類が別の生物に進化する時代かなと思い、進化のプロセスを知りたくなって本書を手に取った。
    生物学は25年ぶりくらいの私にとって、遺伝子の変化以外の進化を知らなくて目から鱗だった。
    一方、難しくて論点を理解できなかったところがある。
    このため、知りたかった進化のプロセスまではイメージできなかったので、星4つとしました。
    知識のある読み手なら、星5つになるのかなという気もします。

  • 請求記号 481.37/Sa 62

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著者プロフィール

元・農林水産省農村振興局長。階層生物学研究ラボ研究員。

「2023年 『細胞はどう身体をつくったか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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