黒田官兵衛 知と情の軍師

  • 時事通信社 (2013年11月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784788712942

作品紹介・あらすじ

戦国の世を駆け抜けた稀代の軍師の実像に迫る。大河ドラマがもっと面白くなる。

感想・レビュー・書評

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  • 黒田官兵衛って聞いたことあったけど、どの時代の人物なのかとか功績とか知らなかったので読んでみました。福岡にゆかりがある人なんですね。

    情報収集力、分析力、問題解決能力に優れ、「日本切っての頭脳の鋭い男」と称された官兵衛。一方で「人情味が薄い」と評されることもあるようですが、筆者は彼の経歴や人柄に関する史実から「人情深い人物だった」と主張しています。黒田官兵衛の祖父も人材育成が上手かったようです。

    著者は戦国武将たちのリーダーシップにも考察しています。
    武将たちトップは役割として「絶対的決定権」を持ちますが、それこそ信長・秀吉をはじめとした優れたトップは「軍師性」も兼ね備えていたと言います。
    にもかかわらず武将が軍師や参謀を傍に置くのは、戦国時代の流行として「ブランド品(優れた軍師)」を持つことがステータスだった側面もあったのではないか、と筆者は見ています。
    とはいえ軍師はスタッフ職のひとつであり作戦が起用されても大きな手柄になることはなく、それに対して官兵衛は満足できず、大将を目指したもよう。

    本書では信長の「あゆち思想」というユートピア構想が紹介されています。
    また、安土桃山文化というのも、信長が「一所懸命」の価値観を精算すべく経済政策で衣食住を変化させた「安土文化」と、秀吉が引き継いだ「桃山文化」が融合したものです。

    本書は話が飛んだり内容の繰り返しが多く、著者の主観も多いのですが、小説を読んでいるような感覚で戦国時代を学べます。

  • 黒田官兵衛と
    信長→秀吉→家康との関係性を、詳しい時代背景と共に説明してくれる、良い本。
    【新たな気づき】①官兵衛=権謀術数を思いのままに使った策謀家というイメージがあるが、+人情深い人物という意外な側面があった②自らも軍師であった秀吉は、官兵衛&半兵衛を戦国時代の一つの流行として側に置いた。官兵衛の役割は調略と交渉。③戦国時代の日本一頭脳の鋭い男と称される官兵衛はもちろん、家康も(人質時代に今川義元の軍師太原雪斎から学問を学んだ)大変な読書家であった。④官兵衛は実直=一言多い。バカなふりができない。晩年はユーモアも持ち合わせた。最終章の息子長政への教訓は感動物。
    【備忘】信長のマインドで起業し、秀吉のマインドで拡大し、家康のマインドで経営を行えば最強。特に秀吉は経験値が圧倒的←自分が憧れるのは秀吉(常に使われる兵の身になって作戦を立てる)。信頼出来る人に仕えるときは官兵衛のマインド「この人の分身になって、頭の働きの一部を自分が引き受けよう。それも、この人が苦手なことや、あるいは後回しにしたいことを自分が先駆けてやろう」
    上司とは、部下が出来ないことを出来る人。だから尊敬され、部下がついてくる

  • 物は水の道 下剋上の論理:「上が上らしくなければ、下も下らしくない」現代の組織論でいえば、戦国武将における軍師の立場は、いわゆる「スタッフ職」なのである ウマがあうかどうかが大切

  • 主観なのか史実なのかが分かり難い書き方が
    最初は戸惑ったが、黒田氏の考え方を現代にどう
    活かすかという視点で書かれていて読んでて、
    勉強になった。

  • 小和田哲男氏著書の黒田勘兵衛に次いで読んだ。どちらも黒田官兵衛の生涯について変わらない内容だった。軍師と言われている官兵衛であるが、軍師として活躍したのは秀吉の中国攻め前後であると思われる。

  • 物語かと思ったが、分析解説書に近いかな!

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著者プロフィール

歴史作家。東京都知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。退職後作家活動に専念。人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。『上杉鷹山』『小説徳川吉宗』など著書は300冊を優に越える。

「2023年 『マジメと非マジメの間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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