学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―

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  • 時事通信社
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レビュー : 119
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788715943

作品紹介・あらすじ

宿題は廃止。固定担任制も廃止。中間・期末テストも廃止。およそ全国の中学校で行われていることを問い直し、本当に次世代を担う子どもたちにとって必要な学校の形を追求する、千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長。自ら学習し、将来を切り拓く力は「自律」。大人が手をかけすぎて、あげくの果てになんでも他人のせいにするようなことにならないよう、中1から中3までの授業や行事を組みかえる。生徒や保護者に強く支持される学校づくりの全貌がここに。

感想・レビュー・書評

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  • 窓ガラスが全部割られた中学校で子どもたちと掃除を徹底して普通の学校に立て直すとか、現実にできるんだなー。そこまで人を変えられるんだなー。
    チーム担任制、宿題の撤廃、子どもたちに力をつけるための独自のプロジェクトなとなど、どれも理にかなってて素晴らしいの一言。
     
    少しでも真似できることはないかと思って読み始めたけど、工藤先生の熱意と行動力がありすぎて、取り組まれてることの規模も大きすぎて今の私にはとても実践できそうにない。
     
    けど、先例に囚われず、理想とするものを目指して手立てを考えて実践していくというスタンスは、確実に見習わなければ。

  • 定期テストや宿題、担任制など数々の学校の当たり前を廃止された公立中学校の校長先生の実践記。
    書評サイトで高く評価されていたので手に取りました。

    一読して驚くのは、実践の一つひとつがきちんとした合理性に基づいていること。
    曰く、
    ·学校は何のためにあるのか?
     子どもたちが「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにある。
    ·そうであるなら、そこで行われる教育も制度も子どもの自律に向けて作り直されるべき。(筆者はこれを学校のリ.デザインと呼びます)
    ·こういう基本方針のもと、それまで当たり前とされてきたテスト、宿題、担任制、修学旅行などの見直しを進められます。
     目的に最も適切な手段となっているか?
     手段が目的化していないか?
    筆者が学校の教員とともにリストアップした項目は200にも上りました。

    もちろん、筆者の考えに反対する教員も存在します。「対立は学びのチャンス」と捉え、話し合いの中で、上位の目的に照らして解決策を検討し、反対する教員を巻き込み、彼らを改革の当事者にしていきます。

    この辺りの進め方は、学校だけでなく一般企業、行政にも十分応用可能だと思います。
    もうひとつ本書が優れているのは、筆者が民間出身でなく、学校の教員を経て教育委員会で教育行政にあたられた、いわば身内の方だということ。

    とかく改革というと外部出身でないとできないと思われがちですが、内部からでも問題意識の持ちよう一つで大きな成果が得られます。

    仕事に向かうに当たって勇気をもらえる一冊でした。

  • 工藤校長のこの改革には、基本的には大賛成である。ただ、一方で、どうしても頭から離れなかったことがあって、それがこの本では解決されなかったので、星は辛めだけど3つにした。
    その解決されなかったこととは、こんなに素晴らしい教育を受けられるか、受けられないかということが、「たまたま麹町中学の学区に住んでいるかどうか」ということだけで決まってしまうという問題。もちろん、わざわざ引っ越して、あるいは越境を認めてもらうだけの理由があれば、この教育を受けることはできるかもしれない。でも、千代田区麹町エリアという、都内でも有数の不動産価格が高いエリアに引っ越せるだけの経済的な余裕、あるいは、越境を認めてもらえるだけの「特別な」理由がなければ、あとは「このエリアに住んでいてラッキー」という偶然性だけで、この素晴らしい改革の恩恵に預かることが出来るというのであれば、公教育としてはどうなんだろうと思わずにはいられないのだ。
    これが公立中高一貫校で入試でもあれば、エリア外の子供にもチャンスは開かれるのでまだ納得はできる。でも、同じ公教育で、一方では学区という縛りでブラック校則にがんじがらめにされて学生生活を送らなければならない生徒もたくさんいることを思うと、麹町中学のことを手放しで絶賛できない。同じ公教育でありながら、この改革の恩恵を受けているのは、ほんの一握りの、たまたまラッキーな何百人の子たちにすぎないのだ。
    また、工藤校長が転勤された後、後任の校長がこの内容を引き継いでくれる保証もない。トランプのように、前任者のやったことをすべて否定するのが自分の仕事と思ってるような校長が赴任してきてしまったら?この点も心配になってしまった。
    さらに、上っ面だけ舐めて、うちも改革しましたとドヤ顔する学校がこれからたくさん出てくるのだろう。工藤校長の理念には本当に共感するし、行動力実行力は尊敬するし、麹町中学のような学校が増えてほしいと願わずにはいられないが、前途は多難すぎる気がして仕方なかった。

  • ちょっと斜に構えて流し読みしていたのだが、今回のコロナ騒ぎでじっくり本を読む時間ができたので、改めて読んで、勝手な思い込みに反省した。

    現場の教員をずっと続け、その時その時の子どもたち同僚と向き合い続けて、どうして?いちばんの目的は?ということを自身に問い続けてきた筆者の地に足のついた内容で、共鳴できることが多かった。「目的と手段を取り違えない」「上位目標を忘れない」、「当たり前」なのだけれど、ふと立ち止まらないと素通りしてしまうことも現場では多いのかもしれない。たとえば「なぜ」定期テストを廃止したのか、「なぜ」オリエンテーション合宿を行うのか。「なぜ」学校はあるのかが語られていて、いくつも刺激を受けた。特に、世の中だって学校だって、様々な文化的・習慣的・民族的背景を持つ人、価値観を持つ人が集まって成り立っているのだから、「対立」が起きるのは「当たり前」。それをどう有機的に乗り越えさせる術を身につけられるようにするかという視点は、本当にそのとおりだと思った。

    最近、個人的には「対話」という言葉がキーワードで、いろいろなこととつながってきている気がする。

    世の中ってまんざらじゃないな。大人だって結構素敵だ!と年若い人たちが感じられるような「大人」でありたい。

  • 小学校教員の私から見ると、テストのくだりあたりは至極当たり前のこと。全体的にも、そんなに真新しいことを言っているようには思えない。

  • 目的と手段を取り違えることなく、またこれまでの当たり前を当然のこととせずに子どもを第一に向き合うことで、こんなにも大きな変革ができる

    目的意識をもって、今の当たり前を見直し、新しい当たり前を構築する

  • 生徒を相手とした、学校が舞台の話し。
    でも、会社を舞台とした、上司部下を相手の話としても、十分参考になる話だと痛感。

    つまりは、いつの時代も課題と悩みは変わらない。
    つまりは、人間は進歩しないという事なのかもしれない。

  • 良い意味で、地味で面白味のない事をコツコツとやっているという印象。

    しかし、世の中そういうものであり、ドラマで語られるような派手さだったり、眼を見張るような一発逆転なんて無いのだな、と改めて感じさせられる。
    物事を積み重ねられる人が一番強いんだろうね。

    一方、考え方の面では凄く柔軟で枠に囚われないさまに驚かされる。
    修学旅行の中身を学生達に考えさせたり、民間企業の人を講師に呼んできたりする柔軟な発想と、それを実現させる行動力に脱帽

  • 読み終わった!

    センセーショナルな改革かと思いきや、
    実は教育や市民として「当たり前のこと」を愚直にやり続けてきた印象。

    うちの職場はおそらく日本最先端をいっているという自負はある。

    印象に残ったのが、
    オリエンテーションキャンプの目的は、
    「みんなで仲良くする」「絆を結ぶ」
    ためではなく、
    「対立があって当たり前」ということを認識しながら、
    「みんな違ってみんないい」「全ての人が尊重される」
    という上位目的に向かって合意形成を図っていくこと。

    意見が食い違いながら、互いにイライラさせながら、
    感情をマネジメントしつつ、
    一つのことをつくりあげていく作業は、
    発達を抱えた者同士コミュニティやイベントを形成していく
    金輝でもやっていることだ。

    「何のために」というのをいつも忘れないようにしていきたい。

  • 学校教育に関してはそこまで興味がなかったが、タイトルに惹かれて購入。結果、素晴らしい内容だった。
    教育論は詳しくないけれど、当たり前のことを疑う、手段の目的化がないかを考える、ということの重要性は、他のことにも通じる。
    変えられないのでは、と思っていた、公立中学の教育方針をここまで変えられていることに驚いた。
    また、自分の意見の正しさを押し通すのではなく、理解してもらうように説明したり、反対する人の声を聞き、擦り合わせることはなかなかできることではない。
    学ぶ機会はどんどん増えて、それにかかるコストもどんどん下がっている。
    無料で受けられる授業もある今、義務教育はどうあるべきか。無関心だった自分も、もう一度考えるいいきっかけになった。

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著者プロフィール

横浜創英中学・高等学校校長。
1960年山形県鶴岡市生まれ。大学卒業後、山形県で公立中学校の教員となる。東京都の公立中学校の教員も務めたあと、東京都や目黒区、新宿区の教育委員会を経て、2014年4月から2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務める。麹町中では服装頭髪指導をしない、定期テストは廃止、固定担任制もなくすなど、「学校の当たり前」を見直した驚きの教育改革で注目を集めた。2020年4月より現職。
初の著書『学校の「当たり前」をやめた。─生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社)は10万部を超えるベストセラーに。その他の著書に『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』(SBクリエイティブ)、『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』(小社刊)がある。

「2020年 『きみを強くする50のことば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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