- 本 ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788718814
作品紹介・あらすじ
企業ミュージアムは、「ミュージアム」というアカデミックな領域と「企業」というビジネス領域の両方にまたがるバッファーゾーンにある。そして運営を担う企業の広報、ブランディング、宣伝、人事などと多様に連携する組織である。本書では、企業が手掛けるさまざまなミュージアムの役割や機能、可能性についてPRのプロフェッショナルが紹介する。
企業ミュージアム――そこには訪れた人の心を揺さぶる、何かしらの価値がある。企業ミュージアムの二大テーマは、その企業のルーツと、その企業が属する産業そのものの魅力を紹介することだ。良くできた博物館には、とにかく隙がなく、大人向け、子ども向け、あらゆる趣向が巡らされている。
また、その企業が生み出してきた商品紹介に加えて、その商品が世の中に出たことで、社会がどのように変わったのかということを実感してもらえることも重要。中には、大事故を起こしてしまった、とか。異物を混入させてしまったとか、そうしたいわば「黒歴史」を、正々堂々と公開しているところもある。これも企業ミュージアムの魅力の一つだ。
企業ミュージアムは、顧客と直接触れ合える場なので、作り手の方のテンションも上がる。コロナ禍でも多くのミュージアムが閉館せずに続いているのは、そうした理由も大きい。経営者と従業員の心をつなぐ、従業員同士の心をつなぐ、作り手の先にいるお客さまとの触れ合いを生む。そうしたコミュニケーションに、企業ミュージアムは貢献している。
企業ミュージアムに代表されるPRは〈狭く、深く〉。企業や業界そのものを、どれだけ学ぶことが楽しいもの、楽しみながら学べるもの、エンタメに昇華できるか、ということが博物館のキモの部分となっている。本書ではその魅力を伝える。
感想・レビュー・書評
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企業のPRの場所である、企業ミュージアム。
同時に、その企業の歴史や産業のあらましを社会に示す
場でもあり、作り手と使い手を繋ぐコミュニケーションをも
生み出す。そんな16の企業ミュージアムを詳しく紹介する。
01 プロローグ 02 資生堂企業資料館 03 日本郵船歴史博物館
04 アドミュージアム東京 05 印刷博物館
06 パナソニックミュージアム
07 Bridgesone Innovation Gallery 08 まほうびん記念館
09 トヨタ産業技術記念館 10 INAXライブミュージアム
11 久光製薬ミュージアム 12 島津製作所 創業記念資料館
13 TOTOミュージアム 14 ゼンリンミュージアム
15 クロネコヤマトミュージアム
16 ヤマハ イノベーションロード
17 カップヌードルミュージアム
解説―歴史を慈しむ
執筆者一覧、掲載ミュージアム一覧有り。
企業ミュージアムは、様々な業種の企業の、歴史と魅力を
社会に伝える場であり、企業文化の各種資料を収集・保管。
社員の人材育成の場でもあるし、校外学習や課外学習などの
教育の場にもなっている。また、ミュージアムがあることでの
観光促進で、地域への貢献にも寄与している。
そんな16の企業ミュージアムに取材し、その企業の特性を活かし、
展示等にも工夫されているなどを紹介し、説明している。
アドミュージアム東京の多彩な広告の展示やヤマト運輸の
黒歴史は、実際に行って観てみたくなりました。
但し、その視点はPR資産。
旅行ガイド的なミュージアム紹介ではないから、戸惑うかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
企業ミュージアムによく足を運ぶ。
創業者・中興の祖の考え方
会社のポリシーや運営に関わる工夫
商品やサービスが生み出されるまでの苦労や裏話など
たくさんの学びがあるからだ。
この本に紹介されている中だと
04 アドミュージアム東京
06 パナソニックミュージアム
15 クロネコヤマトミュージアム
16 ヤマハ イノベーションロード
は訪れたことがある。
17 カップヌードルミュージアム
については、横浜の方に足を運んだ。
どれも優れた企業ミュージアムであり、概要や内容がわかりやすく説明されている。 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/719792 -
日本郵船が気になった。