「さかさ」の学校 マイナスをプラスに変える20のヒント

  • 時事通信出版局 (2024年10月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784788719965

作品紹介・あらすじ

■ようこそ「さ・か・さ」の学校へ!

 時代は激しく揺れていて、これまでの通りのやり方ではうまくいかないこともある。
 こんな時は積極的にわが道を開くしかない。
 砂時計を逆さにした時、嬉しそうに勢いよく砂が落ちる、あのイメージで、常識をひっくり返してみよう、という魂胆。
 私の強気には、それなりの年季が入っている。
 挫折、屈折、骨折、数々の曲がり角を潜った結果。だから年齢だけじゃないのよ。私を産んでくれた両親が生きた分も、私のキャリアに引き継げば、鬼に金棒。
 生きにくさを感じる時、先が見えなくて悩む時、あなたの役立つ虎の巻きになってくれることを祈って、私なりの経験を20のヒントに綴ってみた。
 
●「さ・か・さ」のスタートラインは「20歳」。

  私が20歳になった時、母はこう言った。
「間違ってもこの男についていくわ、なんて言わないでね」
 女がひとりで生きることがまだ普通じゃなかったはずの、大正生まれの人から、こんなことを言われるなんて、さすがの私もびっくりした。
(※中略)
 その私に恋人ができた時、私は「家を出て、彼と暮らします」と母に言った。
 すると、「そう、それなら今着ている服は全部脱いでいってね。私が作った服なんだから」と答えが返ってきた。
 ちょうど季節は冬。何だが服を脱げ、と言われても、と困惑した私は、家出する気力を一気に失しなって、あっさりその家出計画を諦めた。
 (※中略)
 あらゆる時に想定をひっくり返す母の言葉の力に、私はいつの間にか、結婚するにしても、しないにしても、ひとりで生きていく、そんな覚悟を決めさせられていた。
 でも、今になって母が言っていた意味はよくわかる。
 人の命は、自分の力で生きている時に、いちばん輝く。誰かに頼って生きていくのでは楽しくないし、力が湧かない。
 どんなに人を愛しても、人間最後はひとりで暮らすことになる。命を輝かせるためには、ひとりで生きる力を身に付けないといけない。
(中略)
 人生は積木のように、高く積んで限界に達していくものじゃない。何度もゼロから始め、無限に繰り返す。それは例えるなら畑のよう。種をまけば次々に花が咲き、実がなり、また種をつける。過去の記憶は畑に残りつつ、循環する。そんな循環に夢中になって畑をただひたすら耕して、今がある。
 何かを残そうなんて思っていなかったけれど、いつの間にか思い出がいっぱい。
 ひとりだっていいや、って思っていたら、友だちがいっぱい。
 生きることは何て面白いんだろう。
 思い切り吐き出して、いっぱい吸って、せっせと生きる!
 もうそれで十分。
(「はじめに」より抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • 著者が人生で大切にしてきたことや経験から得た知恵など、なるほどそんな考え方もあるよねと思いました。

    「好きなものを人にあげよう。恋人も!」にはドキッとさせられましたが、この世は常に川や風のように流れていますし、人は結局、一人で生きて死んでいくしかない。そう考えると、人間関係も移ろうものだし、だからこそ関わる人との良い瞬間を作りたいと思う。その人との間に素晴らしい瞬間が5つくらいあればそれで十分と言う、嫉妬とか未練とかとは訣別した著者の潔さが素敵でした。

    人生って何かを積み上げていくイメージがあったのですが、著者によると何度もゼロから始め、無限に繰り返す。例えるなら畑のようなものだと言う表現にも、新しい視点をもらえたような気がしました。

  • 「さ・か・さ」の発想。人生は積み木のごとく、積んでは崩れ、積んでは崩れ、何度もゼロからのスタートのくり返し。何かを残そうなんて思っていなければ、いつの間にか思い出がいっぱい。

    人間なんて便利に出来ている、苦しいことや哀しいことは自然と薄れていく、楽しいことや嬉しかったことばかりがいっぱい溢れている。

    生きるって、なんておもしろいんだろう・・・。

  • シンプルだが心に刺さる言葉が多い。

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著者プロフィール

1943年、中国東北部ハルビン市に生まれる。65年、第2回アマチュアシャンソンコンクールで優勝し、歌手デビュー。翌年に「赤い風船」で日本レコード大賞新人賞、69年に「ひとり寝の子守唄」で、71年「知床旅情」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞。「愛のくらし」「百万本のバラ」「時には昔の話を」「難破船」などヒット曲多数。主な著書に『運命の歌のジグソーパズル』『青い月のバラード』『愛の讃歌』ほか。

「2018年 『にっぽん漂流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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