考える。動く。自由になる。-15歳からの人生戦略

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  • 実務教育出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788903111

作品紹介・あらすじ

正解のない時代に必須の「生きる力」を育む親子でも読める、子供向け哲学書の決定版!

感想・レビュー・書評

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  • 『対立』から『対話』へ転換するには。
    『対立すると人はイライラするんだ』という認識をもつ。→『感情の対立』→『理性的な対話』←『ファクト・チェック』
    ちなみに、私見ですが、『fact(事実) check(確認)』とは、『5W1H(What.Who.When.Where
    .Why.How)を活用し、その情報が流された目的・情報の根拠・情報を流した人』などを検証する作業 、のことを差すようです。「○○が言ってたから…」と鵜呑みにしたり、誰かに流されるのではなく、「これはどういうこと?」などと、「自分自身や他者と対話」を通じて、「自分で考え自分で判断して行動する」
    「判断」を「他者」まかせにしない、ということかな。つまり「当事者意識を持つ」ということ。『イライラするのも、腹を立ててるのも、その「感情」を引き起こしているのは、自分』。
    工藤勇一さんの著作何冊か読み、影響を受けましたが、「自分の頭で思考し、行動に移せる人を育てたい」という情熱を、 すごーく感じますね。このような教育論を、どうやってここまで構築してきたのか…たぶん、教師の仕事をしながら、あらゆることを貪欲に勉強してきたのでしょう。自分にとっては、「大空小学校」の元校長木村泰子さんと同じくらい『尊敬する大人』ですし、実際の教育現場の職員・生徒・保護者にとっても『尊敬できる存在』だと想像します。『大人が変われば子どもも変わる』『自分が変われば未来も変わる』
    毎日教育実践してて、これは実感してますね。このことは、教育分野に限ったことではなく、会社・家庭・近所など、人間関係共通なんじゃないですかね…。「あいつのせいでうまくいかない」って思ってるうちは、感情的に対立し、自分がイライラするだけで、結局、なにも変わらない。「何のために」「どうやって」と、先を見通せる力を身につけるために…大人も子どもも『ともに』学びましょ…って感じがマイルドな『対話』なのかなーと。
    workmaの結論→
    『具体的な目的を明確にする。それに焦点を当てて、ともに対話し、ともに学ぼう』

  • とってもわかりやすいので、ぜひ中学生に、ピンとくる章だけでもいいから読んでみてほしい。特に前半。
    自律とか、メタ認知とか、よく聞くようでいて子供にとってイマイチ意味のわからないような言葉もイラストで納得できる。

    タイムマシンクエスチョンもいいですね。

  • 15歳の君に向けた本、内容は素晴らしいですかすこし冗長。自律するためのメタ認知!

  • 考える。動く。自由になる。
    これが、本書で伝えたいこと。
    哲学することを本書でも行なっている。
    普段当たり前に思っていることを疑うことから始めている。つまり、疑いを持って考えろということ。
    また、それを元に行動すること。失敗を恐れない、1人であることを恐れない、マイノリティでも気にしない、そういう強い心を持って行動していく。
    そして、最終的には自由になる。ここでは、自律することを目標にしている気がする。
    OECDの目標は、「個人社会の幸福」でそのためには、自己当事者意識を持ち、人と対話をし、新しいものの創造することだという。
    人は、そのために学び続けなければいけない。

  • 15歳からの、とのタイトルだけど、大人とっても大切な事がたくさん書いてあります。子どもがもう少し大きくなったら勧めたい本。著者は元校長先生。
    最初に自律。自分を律する。失敗を重ねて、経験を積んで自分ができあがる。そこには自分で考え、判断し、決定し、行動できる力を養う。そして、社会を生きるために他人との関わりは不可避。そこで、他人と自分は違うことや、その違いを尊重しながら、意見を一致させる。そのためにはみんなが目指す大きな目標(ここは一致するよね、っていう目標)を掲げる。などなど。
    いわゆるハウトゥー本とは一線を引いている。学校の先生が生徒を想い、その人の人生を自ら歩んでいけるように背中を押すような内容です。自分も遅ればせながらだが、このような先生に本を介して会えて良かったです。

  • ◎15歳からの10年後は別人になる
    →今の自分と向き合って未来の自分を想像して、一秒でもそのためのアクションをかさねる。

    ◎自律→大人でも難しい
    →違う行動パターンを行おうとすると壁ができる
    →ネガティヴな情報を優先する
    ネガティヴな目の前ではなく未来の理想に近づけるための行動を日々重ねていく。
    行動のために仕組みを作る。その言葉を毎日紙で見る。など。

    ◎ストレスを溜めないためには
    ①積極的に問題を解決しようとする。

    ②人に相談する。
    →解決策を持っている人に相談。
    相談相手には「あなたはどう考える?」がマスト
    本当に解決できるのは自分だけ。

    ◎失敗をしない人がやること。
    →何もしない
    →できることしかやらない
    →言われたことしかやらない

    ◎悩む人への声かけ
    ・どうしたの?→あなたはどうしたいの?→何か手伝えることはある?

    タイムマシンクエスチョン→今のままで行く未来を想像させる

    対立した時に重要なこと
    →◎最重要目標をおく。最優先事項に常に立ち戻って議論する。

    情報

    ◎ 日本人は対話によって利害関係を調整するのが苦手。→学校でやってきていない。

    ◎OECDの教育目標
    自立 対話 創造 →自身で問題を対話で解決、創造していくこと
    多数決は民主主義ではない。対話で納得できる場所を見つける。

    ◎やりたくないことをやらない権利は誰にだってある。集団の目標を強制させるのもおかしい。その目標を決めないといけない。

    ◎ 学校しか成り立たない校則は必要ない。意識すればするほどどちらも不幸になる。
    学校に行くことは選択肢の一つにしか過ぎない。

    ◎異質な人との対話は本を読むことに似ている
    →学び

    ◎自分の心なんて分かるわけがない
    →でも行動は事実、真実。
    →内申点を上げるためにボランティアしていたaと
    心からいいことをしたいb(いい子ぶりたくなくてできない)
    aは3年間毎週やった。bは一回もやってない。
    どちらがいい?
    結局は行動に限る。

    ◎これからの時代に必要なもの
    →コンピテンシー。個人の能力。行動特性。(点数過不可)
    経験を通じて身につけた力はこれからも何度も再現が可能。

    ニュージーランドのラグビーの学校は週2回の練習。自分らで考えて学ぶ。

    人口が増えて発展途上だった時代は「正解者に倣え」ばよかった。作れば売れる。ビジネスモデルを真似る。テストの答えを暗記する力があれば良かった。
    →今は変化が多すぎてもう今は正解そのものがない。
    →日本は右肩下がり。何かを変えないとこのまま。

    人口が増えてどの仕事にも入り込めた。今は減って入り込む余地がない。安くその仕事を引き受けるしかない。

    競合のない仕事→人の役に立って、困難で不採算。
    人の役に立って、むずかしかったことを簡単にできるようにして、儲からないことを儲かるようにすればいい。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/567161

  • 1650

    工藤勇一
    1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室」とEd Tech研究会委員等、公職を歴任。『学校の「当たり前」をやめた。―生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革』が初の著作となる

    引っ込み思案でしゃべるのも苦手な君が、10年後はものすごく外向的で話すことが得意な人間になっているかもしれない。 「熱中できることが見つからないな⋯⋯」と悩んでいる君が、10年後にはあるジャンルの専門家になっているかもしれない。 誰でも、10年あればそれくらい変わることができます。だから、人間はおもしろい。僕は自分の人生を通して、そう実感しています。

    「僕は、『夢は叶う』なんて言わない。でも、『夢は叶わない』とも思っていない。 思うは招く。夢は、夢を持って挑戦しないと叶わない。失敗したら、違うやり方はな いかな?だったらこうしてみたら?と努力して行動し続ければ、叶います。それで もなかなか叶わない夢は、一人ではできない夢です。だからこそ、思いを伝え、人を信じて頼ることも大事なんです」

    大切なのは、たった一度、二度、三度の失敗でやめてしまわないこと。 失敗するたびに「自分で決めて行動できた」と自分を認め、行動の回数を増やしていきましょう。その繰り返しによって、君は自分の人生を自分でコントロールできる人になっていきます。 そうなれば、思い描いた「なりたい自分」はもうすぐそこにいるはずです。

    ざっくり言うと、それは貿易問題。つまり「お金の取り分」の問題です。 ヨーロッパの人たちは、これを取り去るために「関税をゼロにしよう」「国境をな くそう」「人の移動を自由にしよう」「通貨を統合しよう」「移民、難民を積極的に 受け入れよう」などと話し合っていきました。 それぞれの国が他国と張り合い、強い国になって権力を手にしようとする⋯⋯その考えでは、戦争は永久に終わりません。人々の命が失われ、建物が倒壊し、残るのは憎しみだけ。ヨーロッパの人たちは、そんな戦争をイヤというほど繰り返してきたわ けです。その歴史の中で苦しみ続けてきた彼らがやっと見つけた解決策が、EUという「平和を維持するためのしくみ」だったのです。

    僕は、「異質な人との対話は、本を読むことに似ている」と思っています。 自分とは違うものごとの見方、考え方、価値観に触れることができるし、相手がこ れまでに経験してきたことを聞くことで、自分とはまったく違う人生を知ることができるからです。 対話を通して、「人はこんなふうに考えるのか」「同じできごとを、あの人は自分とまったく違う方向から見ているな」「すごい経験談で感動したな」など、たくさんの刺激を得られるからです。 また、相手の話に心動かされたときは、「自分は、こんなことに感動する人間だったのか」という発見ができます。異質な人と話すことは、よく知らなかったその人を知ることでもあり、結果的にいままで知らなかった自分を知ることでもあるのです。

    僕が社会人として仕事をするようになって40年近くたちますが、大人の世界にも 「仕事をうまく進めるにはチームの仲が良いことが大切」と考えている人がいまだに 多いことに、ときどき僕はうんざりします。 仕事をするうえで、チームの仲が良いかどうかはそれほど重要なことではありませ ん。仕事を成功させるために本当に大切なのは、実現したい日標に向けて、それぞれ の異なる力をどう発揮して協働できるか、です。 むしろ日頃から仲がよく、同質的な集団の方が、問題点を指摘したり、異なる意見 を出し合ったりすることが難しく、結果として判断を誤ってしまうこともあります。 大人の中には「対話のスキルなんて、社会人になってから学べばいい」と思ってい る人もいますが、僕は学生時代の友達づきあいの中でこそ、学ぶことができると考え ています。 そのためには、ふだんの人づきあいにおいて「友達と仲良くなること」や「親友をつくること」、「誰からも好かれること」などを目的にしないことです。 それらを日的にする人ほど、友達づきあいに苦しむことになるし、将来、社会人
    なったときに必要な対話の力が身につけづらくなるのではと思います。

    たとえば、友達関係について、「みんな仲良く」「誰にでもいいところがあるんだから、人を嫌ってはダメ」「友達にウソをついてはいけない」など、つながり方の 「正解」を教えるような言葉が世の中にはたくさんあります。 みんなと仲良くして、誰のことも嫌いにならず、友達にウソをつかない人がいた ら、本当にそれが理想的な人間と言えるだろうか? でも、ほとんどの大人は「そんなの不可能」だと知っています。 だけど、「理想が叶ったらいい社会になるかもしれない⋯⋯」と、聞こえのいい言葉を「理想論」や「建前」として口にするのです。 君がそこで「そんなのムリだし、そもそも矛盾してないか?」と疑問に感じたのな ら、その直感と本音を大事にしていってほしい。 聞こえのいい言葉をうのみにして、「みんなと仲良くできない自分」「人のことを 嫌ってしまう自分」「ときにはウソもついてしまう自分」に悩む必要は、これっぽっちもないのです。

    堂々と「偽善者」であれ!
    君は「偽悪者」という言葉を知っていますか。 「偽善者」という言葉なら知っているかもしれないね。 前の話は、「よい行動を行う方が大事」ということ。この言葉を借りれば、まさに 「偽善者」でもいいじゃないかということでしたよね。 でも僕の経験上、中高生くらいの年代の子どもたちには、友遠を「偽善者」とから かう傾向があると感じています。 そこで、ここではまったく正反対の「偽悪」という言葉をご紹介します。 この言葉は僕が大学時代に読んだ絵本、『きつねのざんげ』(安野光雅著/岩崎書 店)のあとがきで知った言葉です。 「偽善」と「偽悪」、一見、相反するように見えるこの2つの言葉ですが、ある視点 で考えると、まったく同じだなあと僕は感じているのです。 「偽善」というのはかんたんに言えば「いい子ぶる」というイメージで、まわりによ く思われたくてよい行いをすることをさします。 それがまわりから見たときに、その人の「本当の姿」とは違っていると思われ、 「あいつは偽善者だ」と非難されるわけです。 「偽悪」はかんたんに言えば「悪ぶる」ことを言うわけですが、まわりの友達(特に 身近な仲間)に「いい子ぶってる人間だ」と思われたくないために、わざと悪いこと を行ったり発言したりすることになります。 「いい子ぶる」のも「悪ぶる」のも、中高生にはよく見られる行動だけど、どちらも 「自分のまわりに良く思われたい」という視点では一致している行動と言うことがで きます。人から良く思われたくていいことをする「偽善」も、仲間から良く思われたくて悪 ぶる「偽悪」も、行動の中身は違っても、構図は同じです。 しかし、もう一つの視点で見れば、この二つは決定的に違います。 それは、「いい行動は人の役に立つが、悪い行動は多くの場合、人に迷惑をかけ る」ということです。

    もし、君が「一方的に押しつけられる学校の勉強をする意味がわからない⋯⋯」と不満に感じてイライラしているなら、興味の向かうジャンルについて、遠慮なく学んでいけばいいと思います。 電車、ファッション、昆虫、料理、スポーツ、心理、ゲームなど、君の心が動きさえすれば、対象はなんだってかまいません。どんなジャンルでも君の好きを素直に追いかけていくと、あらためて学校の勉強と結びつく瞬間がやってくることもありま す。

  • [NDC]159.7 
    [情報入手先]
    [テーマ]でーれーBOOKS2024/エントリー作品

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著者プロフィール

【工藤 勇一】(くどう・ゆういち)
 横浜創英中学・高等学校長・堀井学園理事/前東京都千代田区立麹町中学校長 1960年山形県生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県中学校教諭、東京都中学校教諭、目黒区教委、新宿区教委等を経て2014年4月より2020年3月末まで千代田区立麹町中学校長。2020年4月より現職。麹町中での教育改革を加速させ、横浜創英中で2022年4月より中高一貫6年制の「サイエンスコース」を立ち上げる。社会で活躍するさまざまな人を学校とつなぎ、「社会に貢献する科学」を創出する新しい時代の学びを構築する。内閣府の教育再生実行会議(2021年9月に第12次提言を出し終了。後継会議が設置予定)委員。

「2023年 『社会を変える学校、学校を変える社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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