- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789606202
作品紹介・あらすじ
イワンは、はたらき者のお百姓。底ぬけのお人よしです。みんなに「ばかだ」といわれても、どこふく風。悪魔の手下が、あの手この手でいじわるをしますが、イワンはちっともへこたれません。とうとう、悪魔の親方があらわれました。さて、イワンは-!?「イワンのばか」ほか、心に深くきざまれる五つの民話。
感想・レビュー・書評
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難しそうなトルストイの民話を児童書で読んでみた。
トルストイは、「民話の形こそ最高の形式だ」と言っているそうだ。
ーー民話は話の筋がはっきりとしている。文章も分かりやすく簡潔、登場人物がどの人もそこら辺にいそうな、どの地域、どの時代にも通じる人間の原型があって親しみやすい文学。そして生涯をかけて得た人生観、社会観を語るには、民話の形がふさわしいということーー(筆者あとがきから引用)
タイトルだけでも考えさせられる。トルストイの信仰心も感じられた。
【イワンのばか】
出世やお金に執着する兄弟に対し、欲のないイワンの生き方。
【ふたりの老人】
貧しい人への施しを神様が温かく見ていたかのような宗教的な話。
【火は小さいうちに消さないとー】
小さな揉め事がやがて大きな火となる。今日の戦争もそうだろう。
【人はどれだけの土地がいるか】
広い土地を求めて欲張るが、結局最後に必要なのは、亡き後の自分を埋葬する分の小さな土地だけだった。この結末にはショックを受けた。
【人は何によって生きているか】
神の命により地上に遣わされた天使の話。
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子どもにも読めるもので、岩波文庫版のものより読みやすかった。
トルストイの民話から、当時のロシアの素朴な信仰生活を想像して読んでしまう。
一貫して素朴な話に流れているテーマは「お互いに助け合うこと」「欲望をもたないこと」の大切さなのかもしれない。
トルストイの話に出てくる登場人物は貧しくて生活も大変なものが多く出てくるが、これはトルストイ自身が見てきた光景なのかもしれない。
困っている人の中にこそ神がいる、
不自由な日常の中にも神に触れる機会は多くあるということを思いました。 -
小2&年長児と毎晩少しずつ読む。登場人物の名前が覚えられず、話がよくわからなくなってしまうと。ですよね。
かの国の大統領に読みなさいと、言ってやりたいですね。
僕も、2~3作品のタイトルを聞いた事があるくらいで、...
かの国の大統領に読みなさいと、言ってやりたいですね。
僕も、2~3作品のタイトルを聞いた事があるくらいで、未読のものが多そうです。
内容も、民話の形式をとっていて、古びてなさそうですね。
興味深いです。
最近、"有名文学を漫画で読む"なる本を読み、今度は活字で読みたいなと思いました。色々と検索して簡単に読めそ...
最近、"有名文学を漫画で読む"なる本を読み、今度は活字で読みたいなと思いました。色々と検索して簡単に読めそうな本書を見つけ、図書館で借りました。
そうですね。かの国の大統領、自国の文学なのに残念です。
古びておらず、気持ちにすっと入って来ました。読んで良かったです(^_^)