“It”と呼ばれた子 (幼年期) (ヴィレッジブックス N ヘ 1-1)
- ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2003年7月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789719254
作品紹介・あらすじ
「なぜ、ぼくだけがこんな目に?」-母親に名前さえ呼んでもらえない。"That Boy(あの子)"から、ついには"It(それ)"と呼ばれるようになる。食べ物も与えられず、奴隷のように働かされる。身の回りの世話はおろか、暴力をふるわれ、命の危険にさらされ、かばってくれた父親も姿を消してしまう-児童虐待の体験者がその記憶をたどることは、きわめて苦痛と困難をともなうものだ。本書は、米国カリフォルニア州史上最悪といわれた虐待を生き抜いた著者が、幼児期のトラウマを乗り越えて自らつづった、貴重な真実の記録である。
感想・レビュー・書評
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タイトルだけは聞いたことがあったけど、実話だとは知らなかった。
読んでいて、ひたすら辛い描写の数々…実の母親なのに、何という酷い仕打ちなんだろうと悲しくなった。
しかも、愛されていたのに突然豹変した、他の兄弟は変わらず愛されているのにデイヴだけ虐待されているのが、何で?何があったの?!と疑問すぎる。近所の人や親類や学校の先生がもっと早く通報できなかったのか…と思うけど、虐待ってそういうものなのかもしれない。外からはわかり辛いものなのかな。
続きも読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
唖然とするような虐待で、驚きました。
もしかしたら、お母さんも過去に虐待されていたかも知れない。
虐待は、連鎖するから…。 -
良く生きていたなというのが正直な感想です。
そして誰も止められなかったという事実。
見て見ぬふり、だったのでしょう。 -
「エピローグ」がなければ、この本はただ残酷までに悲しい体験。
デイブ氏の幼少時代の毎日がどれだけ絶望的なものだったか、
目を背けたくなるような描写ばかりが、記憶から逃げずに語られていることにかえって感激さえ覚える。
「生きてこの苦境を乗り越えられたなら、必ず社会の役に立つ人間にならなければいけないと心に誓っていた。
(中略)
そして今、ぼくはそれを実現した。」 -
“It”
もはや人として見られていないんです。
おもわず目を背けたくなるような、数々のむごすぎる虐待。実話だと言うから、言葉を失います。
汚くてどろどろした感情は、弱いものへと向けられてしまうんですね。実の子であろうと、それが間違っていることだとわかっていたとしても。おそらく自分を保つために。
どれだけひどいことをされても、子にとって母親は絶対的な存在で、だから自分の非を考えるんです。自分が悪い子なんだ。いい子でいたら、いつか愛してくれるはずだと。
恐らく誰もが持つ、汚い感情。それをコントロールするのは、やっぱり自分でしかないんです。 -
人間ってきれいなだけの生き物じゃないよね。複雑で混沌としていて。でも、人を痛めつけて自分をころして生きていくのは嫌だなと思います。
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虐待されてる子の心情は、普通の家で育った人って絶対にわからないと思うんです。
どうして彼らは助けを求めないのか、どうして母親に反抗しないのか…
虐待には色々なケースがあります。ですがこの本は、虐待されている子の心情を理解するための、確かな助けになるはずです。 -
幼児虐待のカウンセラーの話
面白いんだけど読んだあとすごい憂鬱になる