“It”と呼ばれた子 (幼年期) (ヴィレッジブックス N ヘ 1-1)

  • ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789719254

作品紹介・あらすじ

「なぜ、ぼくだけがこんな目に?」-母親に名前さえ呼んでもらえない。"That Boy(あの子)"から、ついには"It(それ)"と呼ばれるようになる。食べ物も与えられず、奴隷のように働かされる。身の回りの世話はおろか、暴力をふるわれ、命の危険にさらされ、かばってくれた父親も姿を消してしまう-児童虐待の体験者がその記憶をたどることは、きわめて苦痛と困難をともなうものだ。本書は、米国カリフォルニア州史上最悪といわれた虐待を生き抜いた著者が、幼児期のトラウマを乗り越えて自らつづった、貴重な真実の記録である。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルだけは聞いたことがあったけど、実話だとは知らなかった。
    読んでいて、ひたすら辛い描写の数々…実の母親なのに、何という酷い仕打ちなんだろうと悲しくなった。
    しかも、愛されていたのに突然豹変した、他の兄弟は変わらず愛されているのにデイヴだけ虐待されているのが、何で?何があったの?!と疑問すぎる。近所の人や親類や学校の先生がもっと早く通報できなかったのか…と思うけど、虐待ってそういうものなのかもしれない。外からはわかり辛いものなのかな。
    続きも読んでみたい。

  • このお母さん病気だったのかな?

    愛情に溢れた優しい綺麗なお母さんが鬼に変わっていくのね、
    病気じゃなかったらやりきれない。

    興味深かったのは、綺麗な服を着てお化粧してる日は、良いお母さんの日なの。
    ずっとパジャマでTV見てる日は、虐待の日。
    身繕いや家の掃除の荒れと正比例して虐待がひどくなっていくのね。

    刺された時の、お父さんの対応が辛すぎて。
    彼が一番罪深いのではないだろうか、と思ってしまった。

    でも、「母親が子供にこんなにひどい事をするなんて信じられない!」
    とはまったく思わなかった。
    思えなかった?
    自分の中にもこんな怪物がいるのではないのだろうか、
    いたらどうしよう。
    愛さないといけない存在を愛せない
    愛したいのに愛せない 愛したいのに!

    そんな感情の存在を、信じる事が出来ない程
    自分と遠く隔たれた場所にあるとは考えられないのだ。

  • 唖然とするような虐待で、驚きました。
    もしかしたら、お母さんも過去に虐待されていたかも知れない。
    虐待は、連鎖するから…。

  • 子供の頃に酷い虐待を受けた著者のノンフィクション。

    とにかくただただひどい。
    現実として受け止められない。が、確実にこういう目にあっている子供は世界の何処かに今この瞬間にもいるだろう。
    特に当時は今よりも児童虐待について認識が甘かったろうしな。

    また本自体が、文字間・語り口調・上下の余白・漢字の量から子どもが語っているのを連想させ、ますます胸が締め付けられる。
    なぜこんな小さな子に非道なことができるのか。

    一方で子育てに関しては、誰もが虐待する可能性はあると思っている。
    これは本当に子どもを生んでしみじみ思ったこと。
    子どもと二人で追い詰められた環境にいると、本当に一線を越える人が出てくるのはとても分かる。
    子どもが可愛いとか可愛くないとかそういうことは別の話なんだよね。

    ただニュースに出てくるような人とか(もちろんなにかの拍子に一線を越えてしまったものが死に繋がったみたいな人とかもいるけど)、この主人公のお母さんとか、あからさまにそれとは別次元で絶対に抵抗できない存在をいたぶることで精神安定を図ろうとする人がいる。

    三部作でその後が描かれているので、お母さんがどうしてそうなったのかまで出てくるのかな。



    @手持ち本

  • 良く生きていたなというのが正直な感想です。
    そして誰も止められなかったという事実。
    見て見ぬふり、だったのでしょう。

  • 「エピローグ」がなければ、この本はただ残酷までに悲しい体験。
    デイブ氏の幼少時代の毎日がどれだけ絶望的なものだったか、
    目を背けたくなるような描写ばかりが、記憶から逃げずに語られていることにかえって感激さえ覚える。

    「生きてこの苦境を乗り越えられたなら、必ず社会の役に立つ人間にならなければいけないと心に誓っていた。
    (中略)
    そして今、ぼくはそれを実現した。」

  • “It”
    もはや人として見られていないんです。

    おもわず目を背けたくなるような、数々のむごすぎる虐待。実話だと言うから、言葉を失います。

    汚くてどろどろした感情は、弱いものへと向けられてしまうんですね。実の子であろうと、それが間違っていることだとわかっていたとしても。おそらく自分を保つために。

    どれだけひどいことをされても、子にとって母親は絶対的な存在で、だから自分の非を考えるんです。自分が悪い子なんだ。いい子でいたら、いつか愛してくれるはずだと。

    恐らく誰もが持つ、汚い感情。それをコントロールするのは、やっぱり自分でしかないんです。

  • 人間ってきれいなだけの生き物じゃないよね。複雑で混沌としていて。でも、人を痛めつけて自分をころして生きていくのは嫌だなと思います。

  • 虐待されてる子の心情は、普通の家で育った人って絶対にわからないと思うんです。
    どうして彼らは助けを求めないのか、どうして母親に反抗しないのか…

    虐待には色々なケースがあります。ですがこの本は、虐待されている子の心情を理解するための、確かな助けになるはずです。

  • 幼児虐待のカウンセラーの話
    面白いんだけど読んだあとすごい憂鬱になる

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