生きながら火に焼かれて

  • ソニーマガジンズ
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感想 : 188
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789722612

作品紹介・あらすじ

中東シスヨルダンの小さな村。学校にも通わず、鞭で打たれながら奴隷のように働く17歳の少女スアド。恋愛は死に値する行為と知りながら、恋する気持ちは止められなかった。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃の記録。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルどおり、生きながら火に焼かれて生き延びた女性の実話。

    場所はヨルダン川西岸地域。
    著者スアド(仮名)は17歳のときに初めて恋をし、その相手の子どもを身ごもってしまったために、家族から「名誉を汚した」罰として火あぶりにされた。

    彼女が生まれた村では、女性は牛や羊以下の存在。学校へ行くなんてもってのほか。
    1人で敷地の外から出ることも出来なければ、砂糖粒を1つでもこぼせば父親から皮の鞭で何度も叩かれる。
    「家畜より役に立たない」女の子は2,3人ならいてもいいけどそれ以上は要らない。
    だから、生まれてすぐ母親自らが窒息死させる。

    女性の命は非常に軽い。
    家族の名誉を傷つけた彼女は殺されて当然。
    しかも、その行為は「殺人」ではなく「名誉」であり、実行犯は「英雄」扱いされる。
    村では当たり前の行為で、誰も疑わない。

    ヨルダンだけではなく、イラン・イラク・パキスタン・インドでもこの慣習は残っているそう。
    これがイスラムの教えとする主張と、イスラムとはイコールではないという主張があって、本当のことはわからないけど、どちらにしても、外国のNGOがどんなに働いても、村の慣習を変えるのは難しいのが現状。

    なぜそんなに女性の地位が低いのか??
    女性が虐げられる理由など全く見当たらないし、むしろ、妊娠・出産という女性にしか出来ない生命の神秘をもっともっと尊ぶべきではないのか。女性を蔑む男性は誰のおかげでこの世に生を受けたと思っているのか。全く理解できない。

    もっと世界の女性の人権問題に関心を持たなければいけないと強く思う。

  • 過酷な現実をわかりやすい文体で伝えている本
    女性に生まれただけでこの扱い
    教育を受けずに育つこと
    ロバや羊以下として扱われること
    この現代社会でこのようなことがあるんだろうか
    本人がどこかで生きて暮らせますように

  • 今も世界のどこかで行われている名誉殺人。風習や文化の違なので、私はそれが間違っていると言うことは出来ませんが、殺されている女の子は、風習や文化が違えど、私たちと同じように恋をしたり好きな人が出来る普通の女の子でした。自分の味方であるはずの家族に殺されるのはどんな気持ちなのか想像がつきません。生まれる地域を選ぶことは出来ないのに、女に生まれた以上、一生奴隷のような生活を強いられるのはおかしいと思いました。こうして自分の意見を言えるだけでも私は恵まれた環境にいるのだと改めて気づきました。

  • こういう話をみると、文化のせいとか宗教のせいとかなにかに「責任」をおしつけて、「ひどい」と憤ることで終わってしまいがちだけど、少し前までの日本でも、姦通罪とかあったし(不倫じゃない、これは恋しただけで火あぶりなんだからもっとひどい・・・とかいうことはさておき)それがいまやここまで来ているのだから、変えられないことは絶対にない!と言いきれる。
    今も同じ目に遭ってる人がいるけれど、一人でも多く助けられますように。救われますように。

  • ぬくぬくと日本で生きてきた私にとって衝撃の内容でした。
    こんな国が今でもあるのかと恐ろしく思いました。
    イスラム圏内の国では今でも女性が男性と接触しただけで家族から制裁を受ける。
    その制裁とは生きたまま頭にガソリンをかけて火を着けられるというもの。
    それがある国ではごく普通に行われているということ。
    とても狂っていますが、その国では悪いと思ってやっていない。
    むしろ無断で女性が男性と触れ合う事の方がその国では罪なのです。
    女性は家畜以下ということが普通。

    悪い人は自分を悪いと思っていないから悪い事が出来るのかもしれません。
    家族内殺人という恐ろしい正義。
    名誉の殺人のターゲットになったスアド。
    『人を殺してはいけない』は当たり前と思っていました。
    その『当たり前』が通用しない国が本当に存在する恐ろしさ。
    普通とか常識とか当たり前というものはいったい何なんでしょうか。

    救いはスアドが生き延びた事。

  • 表紙のインパクトがすごすぎて、前から気になってたけど、ふと手にとったので読む。
    題名から戦争の話かと思っていたら、火をつけたのは彼女の家族だった。
    信じられないような凄絶な内容だった。女の人の命は、家畜よりも軽んじられている。こういうことが今もまかり通っているとは。
    イスラム圏で女の人が外に出て行くことが難しいということは漠然と知っていたけど、それは女の人をそれだけ大事にしているからかと思っていた。
    文化=常識が違うっていうことがどんなことか考えさせられた。
    絶対に間違ってると思うけど、この村の男の人たちが悪人なのではなくて、それがごく当たり前になってしまっている世界の背景も理解しなくてはいけないわけで。
    それが名誉に関するなら、確かにものすごくデリケートで難しい問題だ。

  • 「当たり前」って観念は、すごく怖いんだなと思いました。

  • まずは、怖い。こんなことが世界のどこかで現実に起きているとはあまり思いたくはない。しかし真実でもある。

    異なる文化圏のことを理解するのはとても難しいし、わたしたちの世界の正義を押し付けるだけではいけないのは分かってる。しかし、だからといって「これが私たちの文化です。こうやって他人を蹂躙して家畜以下に扱うのが伝統です。」といわれたからといって、文化や伝統という言葉で人間の尊厳や人権が踏みにじられているのを無視していいわけがないよね。

  • 知人にすすめられて読んだ本。女性を物以下、家畜以下のように扱う世界がまだあることに怒りを覚える。文化・宗教の違いで済む話ではない。これが文化・宗教ならどんな殺人でも認められそうな気がする。

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    内容(「BOOK」データベースより)
    『中東シスヨルダンの小さな村。学校にも通わず、鞭で打たれながら奴隷のように働く17歳の少女スアド。恋愛は死に値する行為と知りながら、恋する気持ちは止められなかった。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃の記録。』


    原書名:『Brûlée Vive』(英語版『Burned Alive』)
    著者:スアド (Souad)
    訳者:松本 百合子
    出版社 ‏: ‎ソニーマガジンズ
    単行本 ‏: ‎315ページ
    ISBN : 9784789722612

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