- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789723664
感想・レビュー・書評
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現在も奴隷制度が容認されているスーダン、全く知らなかった。
メンデの逃亡と告発によって全世界にスーダンの実情を発信できたのは良かった。彼女を助けた人々に感謝したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私がこの本に出会ったのは15年以上も前だったかと思いますが、彼女ほど自らの運命を切り拓いた人の本にまだ出会っていません。
この作品を発表する事は、命の危機もかえりみない勇敢な行為だと感じました。
拉致、奴隷、故郷に戻っても居場所は無く、再び奴隷となったイギリスで勇気を出した事で運命が開きます。
少女時代の心情も丁寧に書かれ、彼女が熱意があり、逆境でも諦めない人だと伝わる作品だと思います。 -
一気に読んだ。
感想はこちらに書いた。(長いです)http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-1008.html -
未だに奴隷は存在している。
奴隷制度、人種差別について考えれば考えるほど難しい問題で混乱する。 -
スーダンで奴隷として扱われていた少女メンデの人生を綴ったものです。
どこの国でもあるはずなんですよね、こういった奴隷って制度は。
スーダンはイスラム教とキリスト教と土着宗教が混在している国のようです。
でも、イスラム法があるので実質イスラムの国なんでしょうね。
この本を読むにつれて、イスラム教への見方が変わってきました。
今まではキリスト教よりはましだろうと思っていたんですが、実質大差ないなと。
一神教ってのはどれもこれも同じだなと。
信仰している人の心構えにもよるんでしょうけどね。
メンデの幸運は2番目の主人の友達に預けられたことですね。
それにより脱出路が見つかったわけです。
悲しい物語であり、感動の物語でもありました。
人種差別等に興味ある方は一読あれ。 -
「砂漠の女ディリー」を読んだことのある方ならば、
メンデとディリーの境遇には共通項があることに気が付くだろう。
FGMに関してはディリーが憧れを持っていたのに対して、
メンデは、それが何なのか知らないまま始められたという点で差異は大きいような気がする。
何にしろ、この現代において、まだ人心売買が当たり前のように続けられている事実から目を背けることはゆるされないだろう。 -
自分の生活環境に改めて感謝できた。
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最初のメンデの村での生活の様子、家族との思い出が
あまりにも微笑ましいので
その後の彼女の奴隷生活があまりにも悲惨だ。
奴隷になってから、虐待を受けてきた彼女だけれども
身体に受ける傷よりも心に受けた傷がよっぽど大きかっただろう。
自己を確立する時間もないまま、ただ働き人形のように
自分のアイデンティティすべてを否定されてきた彼女が
のちに「自由」を手に入れたときに戸惑ったという話には納得だ。
メンデのような少女は今もたくさんいる。
自由を奪われ、誰に助けを求めることもできずに
その状況を受け入れて自分を殺して、ただ生きている。
一人が助かってもまた彼女の変わりに別の少女が同じように犠牲になる。
終わらない悪循環。
こうして自分の経験を語り、前に出てくることには多大な勇気がいったのだろう。
実際に顔を晒し自分の経験を晒したことにより、
彼女の立場が公になったことは同時にリスクを伴うことにもなる。
それでも彼女がそれを語ったことにより、
より多くの人間が現代もなお健在している奴隷制度を知り、
それにより闇の中に少しでも光が差せばと思う。
私たちが当たり前に得ている「自由」。
それは決してありきたりのものではない。
「自由」を与えられているその幸運を
私たちはもっと噛み締めて生きていかなければならない。 -
奴隷にされた少女の話。ヌバ族とか初めて知った。
ていうか、レビューにもあったけど、奴隷とか過去の話だと思ってたのに、
私が小さいころにもまだ黒人の売買が起きてたんだ。
今もきっと起きてるだろうとういことに初めて気づけた。
全然過去の話じゃないのに、なんで過去の話になってしまったのか。
スーダンは今も多くの難民がいるけど、
難民の救済だけじゃなくて、国民の救済も必須。
最近、スーダンの大統領の逮捕状が出されたけど、
それが逆に平和を乱したことも事実で、本当に世界の矛盾を感じる。
他の救出された話でも思ったけど、
信仰心って言葉にできないほど大きいもので、それだけで、
どんなに苛酷な状況でも生きてしまうんだから不思議。
それほど、信じる気持ちとか希望が人が生きる上ではかかせないとういことか。 -
少女は、家族を奪われ、家畜のように売買された。
虐待やレイプ、名前も呼ばれず、残飯を与えられている。
人身売買は、いまだに存在している!
地獄を生き抜いた少女の魂の叫び。