生きながら火に焼かれて (ヴィレッジブックス N ス 4-1)

  • ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789728751

感想・レビュー・書評

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  • タイトルで大体の内容を察して身構えたけれど、いざページを捲ると、想像していた以上の世界に驚愕。
    本作の発売日から何年か経っていますが、名誉の殺人による被害者、犠牲者の数は、自分が調べた限り横這いで、これといった変化は見られませんでした。
    それが悪習だとわかりきっていても、慣習をなくすの難しいことなのですね...

  • 遠い国の話ではなく、同じ女性として人間とは何なのなを考えさせられる本でした。
    筆者飾り気のない言葉でストレートに伝わってくるためとても読みやすい。
    また、女性だけではなく男性にも読んでほしい‼︎
    それぞれの考え方の違いを感じ少しでも考えるきっかけにしてもらえたらと思いました。

  • 一時期有名になって気になってたけど読んでなかった本。

    凄まじかった。
    まだあるんだよね!?こんな国!?っていう。生まれる場所が違うだけでこんなにも!!!!!という衝撃の内容でした。

    女がこんなにも虐げられてる国や村があるなんて、、、と。日本に来たらそれはそれはびっくりするだろうな、、と、慣習や生活、常識の違いの差がすごい。女性の服従度もかなり高く、北斗晶とかを見たらびっくりするだろうなぁ。シスヨルダンの人たち。と、心の底から思いました。

    鬼嫁も良いか悪いかわからないけど、こういう国には鬼嫁の発生が必須のような気がする。

  • 2018年12月15日に紹介されました!

  • 古典作品を読む上で、どうしても理解のできなかった親族の殺しの原因を、ようやく突き止められた気がする。

    スアドの話は非常に面白かったが、翻訳の日本語が…。。

    訳者さんというより、編集でこれくらい修正してあげてほしい。ある程度知名度があるのだろうから。

  • 舞台は1970年代後半、中東のシスヨルダンの小さな村。
    一家では父親が絶対的な権限を持ち、妻は息子を生むことを求められる。
    女性はひたすら働かされ、まともな服もなく靴を履くこともできず、自由は何もない。何かあるたびに父親から殴られ叩かれ、結婚すれば夫から同じことをされる。
    結婚前に男性と付き合うことは許されない。それがばれたら、家名に泥を塗り主人の名誉を傷つけたとされ、家族の中の男性がその女性を殺害する。それは「名誉の殺人」とされ、罪には問われない。あまりの残酷な内容に、途中で読むのをやめようかと思いました。でも、最後まで読み終えることができて良かった。
    スアドとスアドの子どもたちに、生きる強さをもらいました。
    男尊女卑という考えはこの世界のどこから生まれたんだろう。

  • 衝撃を受けた作品だった。
    現在世界の中にまだこのような文化が残っていることが正直考えられない。
    文化や思想の恐ろしさを知った作品でもあった。

  • 皆さんは「名誉の殺人」という言葉を知っていますか?女性が婚前・婚外性交渉を行った場合、一族の名誉を汚したとみなされ、一家の手によって殺されてしまう慣習的な事例の事です。これはレイプ被害者も含まれます。つい最近も、パキスタンやインドで、まだ10代の少女が数人の男によって強姦された後、親戚の家で灯油をかぶって焼身自殺をしたという痛ましい事件がありました。
    この本の著者は名誉の殺人から、奇跡的に生き残った女性が書いています。彼女は恋に落ちたが為に、義理の兄によってガソリンをかけられ火やぶりされるという恐ろしい悪夢を生き延び、痛ましい火傷の痕とともに、今もご健在です。
    彼女は慈善団体の保護とサポートのおかげで、愛するパートナーとかわいい娘さん二人を授かって、幸せに暮らしているそうです。
    この本をできるだけ多くの人に読んでもらいたい。この21世紀で、いまだにこんな残酷な事が、世界のどこかで繰り広げられているのだという事実を知ってほしい。

  • 私はいつでも人に向かってほほえみかけ、どんなことにも「ありがとう」
    と言う習慣がついていたが、これには皆が驚いていた。ほほえむ、これはやさしくしてくれる人に対する私なりの返事であり、それから先も唯一のコミュニケーション手段となった。

    ありがとうという言葉は礼儀と敬意を示す素晴らしい言葉だ。誰かに言われれば嬉しく感じるように、私も誰かにありがとうと言うのが嬉しかった。





    フランス語はできる範囲で勉強した。短い文章や表現をオウムのように何度も繰り返し、すこしでも多くの言葉をアタマに叩きこもうと努力した。




    まずは新聞の星占いを読むことから始めた。誰かが、私は天秤座の生まれだと教えてくれたので、毎日、天秤座の欄で自分の運勢を読んでみることにした。私の理解できる程度では書いてあることを正確に読みとることはできなかったが、最初のうちは、短い簡潔な文章に触れる必要があったのだ。記事全体を読めるようになったのは、ずっとあとのことだ。




    しばらくすると、仕事に行く前にカフェでお茶を飲みながら新聞を読むのが習慣になったが、この時間が私は大好きだった。最良の勉強方法でもあった。




    たとえば、鏡のない世界で、きみの目はブルーだと人から言われたら、一生、自分の目はブルーだと信じるだろう。鏡というのは文化や教育、自己および他者の知識を映し出す。私は鏡を見るたび自分はなんて小柄なんだろうと思うが、鏡がなければ横に大きな人でもいないかぎり、小柄であることなど気づきもせずに歩くだろう。知らないというのは、本当に恐ろしいことだ。





    一年の授業で紹介されて、怖くてずっと読めなかったんだけど気になり続けていた本。ついに読んじゃった。
    訳がうまいのでさらさら読める。怖い。でも現実味がない。この感じ、なにかに似てるなと思ったんだけど、ダレン・シャンだ!あれも意外と現実なのかもなぁ…。
    昔読んだら、こんなの今はないだろー⊂( ^ω^)⊃ ってなってただろうけど、今はそうではない。ブルカとかいろいろやったしね。まだまだ知らないことだらけ。
    あたりまえはなにもあたりまえじゃない。
    文化ってなんだ。
    怖いし今すぐなんとかしなくてはならないことだし、でもなんとかなってないのもわかる。
    そういうのをぬきにして、スアドの変化も怖かった。
    ヨーロッパに来てから、どんどんわがままになっていってる。いいことなんだけど、我をもてた、自由をもてたってことなんだろうけど、これが西欧か…ってなんかそれはそれで怖くなった。
    ヨーロッパにきたはじめの頃は、とても素直で、そのまっすぐさが素敵だった。
    でも後半はとにかくどろどろで。

    しかしこんなに恋ができるってすごいね。人生で二度も恋に落ちてるんだよ。
    村では娯楽がまったくなかったから恋におちたのかもだけど、ヨーロッパでもだもんね。

    とにかく訳がうまい。

  • 読んだあとも他人事な気がしてしまうほどの、現実と考えるまで時間がかかる悲惨な常識の話。

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