浮世女房洒落日記

著者 :
  • ソニーマガジンズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789733649

感想・レビュー・書評

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  • 木内昇さんってカッコイイなぁ。
    そう思うのは氏の小説に対しての姿勢になのか筆致なのかちょっと自分でも分らないんだけれど、読み終わると「カーーーッ!かっこええー」と痺れて震えるのは確か。
    「漂砂のうたう」「ある男」もそうで「茗荷谷の猫」はカッコイイ予感でした。

    10年前に買った古い洋館に住んでいる「私」が屋根裏でみつけた木箱。
    その箱の表書きには「浮世女房洒落日記」とあった。中には古びてカビ臭い冊子。
    表書きを書いたのは「椋梨順三郎」で、カビ臭い日記の書き手は江戸時代の主婦「お葛」。

    小説の中身としてはお葛の日記の江戸時代の市井の人々の生活ぶりが注釈付きでお話になっていておもしろい。
    お葛のこどもたち、ダンナの辰三や近所の人々との関わり合いに笑い、清さんとさよちゃんのイロの行方も気になる。
    でも、あくまでも「日記」だから切り取っただけ。その後は分らない(読み手におまかせ)っていう構造にするセンス。
    堀江敏幸氏の解説も、私の木内昇かっこええにさらに真実味を与えてくれるものでした。

    • booooklynさん
      木内さん、ほんとかっこいいですよね!大好きです。
      2013/09/22
  • 古い家の屋根裏で見つけた一冊の本。それは江戸時代の小間物屋女房が書いた日記だった。
    一年分の日常がユーモアたっぷりに描かれていて、注釈がまたおもしろい!この注釈のために手元に置いておきたいかも。

    時代は違っても、女の考えることって同じなんだなー
    イイ男好きだし、体型を気にしながら甘いものがやめられないし、美容にも関心高いし。。あとダメ亭主の文句をいいながらもホントは大事に思っているとこもよかった。
    ただの日記なのに最後はホロリとしてしまいました。

    おもしろかったエピソード
    どじょう、すっぽん鍋。

    • miyacococoさん
      コメントありがとうございます^^♪木内いいですよね~わたしも大好きです!
      確かに注釈おもしろかったです。他の小説読む時に役立ちそうとか思ってしまいました。
      2013/09/23
  • おかしなもんだ、生きるってのは!

    江戸の長屋の小粋な人間模様。
    気持ちいい位にカラッとした長屋の江戸っ子達は一癖も二癖もあり、その行動はツッコミ所満載の面白さ!
    主人公のお葛さんの呟きに笑いっぱなし。
    いつも素寒貧に悩み、こめかみに梅干しを貼りながらご亭主を怒鳴り、太ったことを気にしつつ甘いものに目がないお葛さん。
    喧嘩っ早いご亭主との掛け合いはああ言えばこう言うのナイスコンビ。

    「人は泣かなくとも生きていけるけど、笑わなきゃ生きていかれないんだ」
    心に染みるセリフにもちょっとしんみり。

    特に事件も謎解きもない、江戸庶民の何てことのない日常…なのにこんなにも愛しい!
    お、いつもの調子が出てきたよ!

    詳しく丁寧な註釈も読んでいて面白かった。
    木内さんは相当の江戸好きとみた。

  •  大正初年に建てられた古い洋館を買い取り、暮らし始めた私は、ある夜奇妙な物音で目を覚ました。鼠が出たのかと思い、翌日天井裏に登ると、そこには見慣れぬ木箱が……。
     木箱の中に入っていたのは、以前の住人が残した冊子が数冊。それは、江戸時代の小間物屋の女房が記した日記を現代語に訳したもので、著者の椋梨は後に見つけた人に、世の中に公表してもらいたいと書き記していた。
    あるはずのないところに、あるものを見つけ不安になった私だったが、冊子に目を通し、出版することに。

     大正時代の洋館に住み、不思議な出来事に多々遭遇する私(これだけでも、別の物語が書けそう)が、江戸時代の女性の日記(現代語に翻訳したもの)を見つけ、読み始めるというオープニング。その後(おしまいでさえ)主人公のはずの「私」は一切出てこなくて、タイトル通りすべて日記なんですが、この書き出しは私を江戸時代にそっくり連れて行くのに、効果大でした。
     さて、主人公のお葛(かつ)さんは、小間物屋のおかみさん。27歳で一男一女のお母さん、しかも本人曰く“年増”らしい。夫の辰三は、商売っ気もそこそこの怠け者、遊び好き、お祭り大好きのお調子者で、お葛さんをイライラさせてばかり。お店には清さんという、お葛さんより3つほど年上の使用人がいて、まじめな性格の彼のおかげで、お店はどうにかきりもりできています。
     2人は長屋で暮らしていて、お隣は浮世絵を売る小売商の富弥太・お甲夫婦と年頃の娘さえの3人家族。ほかにも長屋を差配する大家や、性格にやや難アリの妻のお佳、扇子屋の女房お恒、長屋の住人たちがたくさん登場します。

     1月1日から12月30日までの1年間の日記は、江戸時代の庶民の暮らしぶりや風習、お葛の日々の思いなどが綴られていて、その興味深いこと、興味深いこと。注釈がたくさんあって、まどろっこしいながらも、江戸の人々が季節を大切にしながら日々をおくっていたことが、よく伝わってきました。
     まるで、ちびまる子ちゃんのお父さんのヒロシのような夫「辰三」と、それに業を煮やしながらも憎めずにいるお葛の夫婦のやりとりは、おかしくって何度も声を出して笑うほど。それでいて、思わず温かい気持ちになりました。豊かさってこういうことかもしれませんね。 

  • 小間物屋の一家、働き者の妻に、気は良いが怠け者の夫、かわいい娘とヤンチャ息子、出来のいい住み込み手代(?)清さん。その清さんとお隣のサエちゃんが、地主の放蕩息子とで恋の三角関係を。ご町内の愉快な仲間が盛りだくさんだが、ぎゅうづめにならないで書かれている一年の日記。江戸の活気ある庶民の日々が生き生きと描かれている。読んだあと、いい感じ!!

  • せっかくの、木内昇氏の新刊。大切に、ちみちみ読もうとおもっていたのに、ほぼ一気読みに近い形で終わってしまった。
    読後も、自分がこのひとのファンであることに変化はなかった。また、次の新刊を待ちわびる日々です。

  • 語り口軽妙な、お葛さんの日記。ご近所さんとのいざこざ、子育ての悩み、人情に涙したと思うと、食欲に負けて食べる食べる。子供より手のかかる亭主を叱ったとたん、いい男にうっとり。「あぁ、こんな時代に生きてみたかった!」という帯の言葉通り。

  • 木内昇さんの本という事で購入したもの。

    長屋の女房の日記という形をとりながら、江戸時代の日常生活を描いたもの。

    江戸の風物や風俗、文化、価値観などが盛り沢山のオンパレード。文化史的、社会学的な知識を得る為の本としては良いかと思うが、それほど江戸時代自体に興味がある訳ではない自分にとって、特に面白いと感じるものではなかったので、しばらく塩漬け。

  • 装丁がかわいい! お葛さんに因んで、葛(くず)の花なんですね。

    これは、木内さん流 大江戸ガイドブックとでもいいましょうか。ナビゲーターは小間物屋の女房 お葛さん。家計のやりくり、亭主の操縦、子どもの躾、減量 vs 甘味、ご近所づきあい、といった話題を駆使して読者を飽きさせません。

    丁寧な「註」もまた楽しい。 坊主持ち、久松るす、桶伏…。江戸雑学の勉強になりました。一番びっくりしたのは、うわなり打。すごい風習だぁ。

  • 資料番号:011187275 
    請求記号:Fキウチ

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